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第四回闇鍋作者人狼 総評

「あー、悪魔は出したかっただけだね」

こんにちは。闇鍋プロジェクト広報担当のXNicholasです。

第四回の全6作品を投稿しました。お読み頂けたでしょうか?
この総評記事では、作者名を公開するとともに、
私の主観で総評を述べていきます。
最後には各作者から寄せられたあとがきを掲載しますので、是非とも読んで頂ければと思います。

作者名公開

まずは作者名から公開。
 ・ギャルゲーは簡単/XNicholas
 ・シャボン玉/ksin
 ・瓦礫の中で/音屋さばちゃ
 ・修繕/さざめき
 ・前略 15歳の俺へ/日々鷹
 ・二度寝/木常月

以上の6作品でした。

全体としては皆の予想は当たっていたような気がします。
僕の予想は日々鷹氏、木常月氏を間違えました。
初参加で「二度寝」のような表現が難しい作品に挑戦するとは思えず、
そういうメタ的な予想で外しました。そのチャレンジ精神に完敗。

総評

さて、内容に対する感想ですが、各作品に触れますと
・ギャルゲーは簡単
 自作です。ネタが何も思いつかないため、とにかく身近にあった題材で会話文の練習でもしようと書いたものでした。後半で視点を転換するギミックを思い付いたのは良かったものの、展開に詰まったため前半で出た登場人物を思い付きで悪魔だったことにしました。詰まるところの後付け設定です。
 
一番の問題点は2000字を超える長さ物語の難解さです。主人公の目的が分からない、と言われましたが、ちゃんと考えていなかったせいで自分にも分かりません。
 また、作者を公開する前の批評会で、木常月氏に「悪魔は出したかっただけでは?」と指摘され、確かにその通りだな、と内心で納得した場面がありました。

・シャボン玉
 読んだ後、「あ、こいつシャボン玉の描写したかっただけだな」と全員が言った作品でした。作品の世界観や設定の粗に指摘はありましたが、シャボン玉の描写が素晴らしかったため満足です。

・瓦礫の中で
 恋愛ものです。私は正直に言えば、ただ恋愛を書かれても面白くは感じないのですが(経験がないですからね!)、こういう展開で魅せる話は好きです。それに情景描写も味わい深い良作です。
 木常月「主人公も戦え」
 自分 「たしかに」

・修繕
 さざめき作のホラーです。ストーリーや展開について面白いとは感じましたが、彼女の狂気を主人公が察する展開について、もう少し分かりやすくあってほしい、という意見が多かったです。何と言いますか、危険が迫っている描写が淡泊に思え主人公が逃げ出すほどの衝動にならないような気がしました。露骨に自分に降りかかる恐怖を描写した方が良かったかも、と思えます。

・前略 15歳の俺へ
 これは手紙形式を取り、SFのような世界観を感じさせる試みで書かれている点が面白かったです。しかし、未来からの手紙にしては具体性がない点が設定やテーマと不整合だと感じる、という指摘は多かったと思います。
 具体的には、自分が未来から手紙を送ったなら予言の一つでもして見せるだろう、というわけです。
 これがなぜ起きたかは読んでいて分かる通りで、『読み手が誰だとしても、自分に適用できるような手紙』として書かれているからです。
 やりたいことは分かったものの、私はこの2軸を両立させようとした点では上手く作用していないと感じました。未来からの手紙なら具体的、誰にでも刺さる話なら抽象的に書いた方が向いていると思います。
 そして、個人的な趣味としては誰にでも刺さるように抽象的に書く必要性はないと思っています。誰かの具体的な挫折エピソードがあったとして、読者は勝手に自分に当てはまるエッセンスを抜き出していくだろう、と思うからです。

・二度寝
 読んだ感想は、なんて挑戦的なものを書いたんだ、というものでした。
 夢の不合理さ、意味不明さを読者に理解させる、なおかつ面白い情景描写で描くというのは文豪にしかできない遊びで、あまりに難易度が高いと考えています。
 それを踏まえてですが、この作品は情景を理解させられるように表現できていたために、読後は技術の高さと挑戦心に驚いていました。

では、次に全体の感想も述べたいと思います……と言いたいのですが、今回は一作一作に対して思いを綴りすぎてしまい、改めて全体について、という感想はあまり残されていません。
強いて言うならば、一作一作を深く批評できる場として進歩を遂げていることを感じた回だったと思います。

しかし、一方で新規参加した木常月氏の作風が想定外で新たな刺激を受けたとも……それを言えば日々鷹氏もチャレンジングでしたし……いやいや、ホラーに挑んださざめき氏が……ksin氏もまだまだ経験が浅い中、思いついた情景描写をもとに物語を書いてみたり……さばちゃ氏は純粋なクオリティ勝負でしたが、描写のうまさにはいつも圧倒されっぱなし……

自分も頑張りたいな、と感じました。
悪魔出してる場合じゃない。

今後、引き続き第5回開催の概要と作品投稿を行っていきます。
応援いただければ幸いです。

また、もしよろしければ読んだ感想をコメント欄まで寄せていただけたなら嬉しいです。
応援、批判を問わず、どんな感想であっても、参加者への刺激になります。
お手数をおかけしますが、どうかよろしくお願いいたします。

あとがき

今回もあとがきが寄せられた作品についてのみ、掲載します。

ギャルゲーは簡単(XNicholas)
 会話文は書けたのかな、と思います。あとギミックもそれなりに作用していたか、と。
 やはり文字数を考えずに設定を盛りすぎていたので、どうせならちゃんとプロット組むべきだったと思いました。少なくともずらずら設定が増えるのはコントロールできるようになりたいです。

シャボン玉(ksin)
 シャボン玉の描写をしたかったのです。

瓦礫の中で(音屋さばちゃ)
 ゾンビものを書きたくて書きました。締め切りに追われていました。


-書いた人:XNicholas

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