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突然会社に行けなくなって、休職の記録を始めるということ

3月から突然会社に行けなくなって、休職しています。


最初は突然行けなくなるという事象に対する説明をするにもどうしようもなく、「体調不良」ということで休みをもらっていた。

このご時世で「体調不良」と言うとちょっと紛らわしいし、休み続けることにも無理があるし申し訳ない。数日後に上司に事情を話して「休職させてほしい」とお願いし、今に至る。


休職し始めてからの日々、少しずつ考えていることがあるのでここで記録をつけることにしようと思う。

今、対峙したくない「会社」に関わるものから目を背けている一方、いつかは対処しなくてはならないわけなので、自分なりに今後のことや会社のことを色々と考えている。

転職して半年の今の会社に不満があるかと言われると、不満は特にない。基本的に善良な人が多い職場で、いじめを受けているわけでもない。ただ、この仕事に向いていないと薄々気が付きながらも、アラサーで資格もスキルもない事務職が今更違うことを始めるのは困難なので、前と同じ業種の会社に転職するしかなかった。そういうわけで今の会社に転職し、騙し騙し頑張ってきた。そしたら、簡単に潰れてしまった。


今さらながら、休職中に「獣になれない私たち」を見た。

ガッキーが演じる主人公の晶の会社での立ち振る舞いは、前の会社での自分をそのまま見ているようだった。私は晶ほど仕事ができる人間ではないし器用でもない。でも、前の会社はまともに仕事をしようと思う気がある人には駄目な環境だった。

とにかく「今よりも良い環境に行かなくちゃいけない」と思って同業他社への転職が成功しただけ。拾ってくれた今の会社には感謝しているし、最初は頑張ろうと思った。でも、やはり頑張れなかった。

今の会社は大企業だしブラックな業界でもないので、安定はしている。でも、私はこの仕事が好きなわけではない。といっても嫌いでもないけど、生活のために頑張ってきただけ。熱意とかがあったわけではない。

だし、前向きな気持ちで転職したわけではない。そういう後ろめたさがいつもあった。とにかく前の会社から脱出して、マシなところに行きたかった。

「向いていない」と繰り返し思いながら前の会社でもずっと頑張ってきた。

今の会社は業界の中ではトップ争いをしているところなので、同業他社の友達や前の会社の同僚は、転職が決まったことを言うと「凄い」と言ってくれた。同僚も受けたらしいけどESで落ちたと言っていた。でも、自分がすごいなんて1ミリも思っていない。(受かったことは奇跡だと思ったけど)

今の会社では「前職でも経験があるから期待していますよ」とみんな言ってくれたが、申し訳ないけど前の会社なんて話になるレベルのところではないし、経験という経験はないに等しかった。とても後ろめたかった。

コミュ力も必要な仕事だけど、自分に向いているとは心底思わない。ただ、これまで人一倍よく考えて、なんとか自分の苦手分野をカバーして回してきただけだ。

そう思いながらもやるしかないから、今の会社でも入った時からやはり無理して振る舞ってきた。それが積み重なったのか、毎日嫌で嫌で仕方がなくなった。騙し騙しやってきた自分を、まだ騙しながら続けないといけないのかと思いながら、最後のほうは本当にしんどかった。

何よりもしんどかったのは、前の会社とはレベルが違うところに来てしまったので、やはり有能な人や押しの強い人も多くて、ついていくのが辛かったこと。

新人なので自分の思う通りに進めることもできない。Aさんがこう言ったからそのとおりにしたらBさんに叱られる、といった典型的な新人あるあるを毎日毎日続けて仕事をしなくてはならなかった。結構疲れた。

そもそもこういうのが本来の自分の性格的には得意ではない。勿論、「けもなれ」の晶みたいな振る舞い方をしていたので、AさんにもBさんにも嫌な当たり方はしたことがないし、なんとかうまくやっていたつもりだった。でも、先輩から言われることは私は気が進まないことが多かった。

私は気付いた。前よりも高いレベルの会社には来たが、高いレベルのことをやらなくてはならない分だけ多くのエネルギーが必要になり、もともと大してやる気が持てなかった自分にはさらなる苦難になってしまったことを。

そもそも「非情だ」と言われそうなので「この業界や仕事に興味がないです」とは誰にも言えなかった。これまで同業他社の人と何人も会ってきたが「仕事は好きだけど会社や役員が嫌い」という人は多いものの、「仕事内容が嫌い」だという人はいなかった。話しぶりを見ているとみんな仕事自体は好きなのだろうと感じて、私はそれも負い目に感じていた。

「この仕事内容自体、あまりやりたいことではない」と言うことは、例えば「子どもが苦手なのに保育士をやっている」と言っているようなものであり、もっと言えば「人を助けることに興味がない」と医師が言うようなものだった。でも、それを言っちゃおしまいだ。「言いにくい」なんてレベルのものではなかった。

嫌いなわけではないけど苦手だったというか。「大丈夫、苦手でもやる気があればそのうち上手くできるようになるし楽しくなるよ」と言われるかもしれないけど、本当にそうだろうかと思う。「嫌いではない=頑張ればうまくいく」ではないような気がする。今は心が弱っているからそう思うだけかも。

そしてもう一つ、これまで「頑張らなくては」とがんじがらめになっていたのは、ブラックでもない、ノルマもない今の「スーパーホワイトな会社ですらやっていけない」自分が情けなかった。

またひとつできないことが増えてしまった。「いらない」って言われたくないから、会社でも認められるために頑張ってきた。でも「それすらできなくなった私」になるとしたら、他に得意なことも生きる術もない自分は自己肯定感をどこで養えばいいのかわからなくて、怖かった。「社会から認められる」というとてもちっぽけな材料でしか自己肯定感を高められなくて、私は今まである程度会社で成功することを目標にしていた。

休職して、やっとその事実が見えてきた。

思い切って「やめます」と言うかどうか正直迷っているし、かと言って、続けていく自信がない。自分がずっとここに居座り続けたいのかわからない。なぜ転職してしまったのか、わからなくなった。


私は、適応障害と言われるかと思ったけど心療内科では軽い鬱と言われた。

医師には「無理しなくていいから、自分に合った仕事をするのが一番。あなたにとって大事なものは会社での地位や名誉じゃないよ」と言われた。

私に合う仕事って何だろう。また次に別のことに挑戦できたとしても、また失敗するのが怖い。今度も失敗するのではないだろうか。そしたらみんなにまた心配される。また社会不適合者だと思われる。お金もなくなる。「そうなるよりはまだ、頑張って会社に頭を下げて戻ったほうがいいのではないか」と思うことがある。

追い詰められている。


こんなことを考えていても仕方がないので、少しだけ散歩してみる。

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