やまゆ

オランダで2024年夏から包丁研ぎのサービス提供開始にむけ、大阪の包丁屋で修行中。 慶…

やまゆ

オランダで2024年夏から包丁研ぎのサービス提供開始にむけ、大阪の包丁屋で修行中。 慶應大学→フライブルグ大学院卒(ドイツ) メタルやジャズ、ポップスが好きなミュージシャンで料理人。 50カ国ほど旅し、独米英、南ア、イスラエルに住んだ経験から様々な考察を投稿します。

最近の記事

なぜオランダで包丁研ぎビジネスをはじめるのか(その二)

今回は前回の記事に引き続き、なぜ私がオランダで包丁研ぎビジネスをはじめるのかについて、また少し異なる角度から書いていきたい。今回はオランダの要素はあまり入れず、「包丁研ぎビジネス」という点に照準を合わせる。 解のある世界私が今まで学んできた人文社会学には、絶対的な解がない。人文社会学は大まかにいうと、世界はどうあるべきかを人間の視点から考えそれに至る方法を提供するものだと私は思っている。しかし、哲学、社会学、政治学、経済学、法学など、どれをとっても絶対は解を提供することはな

    • 「海外では〜」って言うの、いい加減やめにしよう

      日本では、世界は日本とアメリカまたは欧米、そしてその他に分けられるという欧米中心主義的理解が蔓延している。そもそも日本と「その他」に分けられるという考え自体が自意識過剰だ。日本はそこまで特殊な国ではなく、200程度ある国のうちの一つでしかない。 「海外」や「外国人」という言葉がアメリカの白人を指すと思ってしまう人は、いまだに多いのではないだろうか。当然ながらこの言葉には韓国も中国も、イランもボリビアもスーダンもガーナも含まれる。「海外では〜だ」という頻出フレーズは、多くの場合

      • なぜオランダで包丁研ぎビジネスをはじめるのか

        私は最近ドイツの大学院でグローバルスタディーズの勉強を終えて、2024年上旬にオランダで包丁研ぎのビジネスを始める準備をしている。具体的には、市場調査、聞き取り、Webサイトの作成や下調べ、製品やサービスの構想を練るなどのことをしている。 今回は題名の通り、なぜビジネス経験もなく包丁研ぎ職人というわけでもない私がオランダで包丁研ぎビジネスを始めたいのかを記す。 美しいものを通して、人の心と生活を豊かにしたい私は美しいものが好きだ。見た目だけの話でなく、料理や音楽、人々との

        • カタカナ語の氾濫問題

          日本語のWebページを見ていて、カタカナ語が氾濫していることを問題に感じる。個人の書いた文章だけでなく、メディアや企業の文章でもこれは頻繁にみられ危機感を覚える。 英語が多少なりともできる人間として、また日本人が日本語で話す意義を理解するものとして、なぜカタカナ語の氾濫が問題か書いていきたい。 未だ存在する欧米への劣等感そもそもなぜカタカナ語を使いたい人が多いのか。考えるられるのは以下だろう。 カタカナ語を使っているとかっこいい(と周りが思うと考えている) 周りが言って

        なぜオランダで包丁研ぎビジネスをはじめるのか(その二)

          考えたくない人々

          環境テロ、極端なビーガン、陰謀論、ひろゆき人気… これらの共通点はなんだろう。 全体を無視した一面的かつ極端な論理により、中間のいない善対悪の対立構造を作り出し、人々の不安や怒りを利用している点だ。そしてこのようなものに熱中する人々は世界や事象の複雑性の中で自分の頭を使って様々な側面から考えることができない、またはそれを放棄しているのだと思う。 「〜すれば問題が解決する。」 「悪いのは〜なので、そいつをやっつければ全てがうまくいく。」 上記に挙げた流行においてこの単純化は

          考えたくない人々

          知らずに嫌がられてるかも?特に欧米圏で気をつけた方がいいマナー

          これまで50カ国近く訪れ、欧米圏数国で住んで勉強や仕事をしてきた。旅行客の日本人を見ていて、また日本である程度許容されている習慣を見て、よく気になることがあるので書いてみる。 当然地域によって風習は異なるためどの程度一般化できるかはわからないが、どれも日本の外ではやるのはやめておいた方が無難だと思う。欧米圏の多くの国では当てはまるであろうが、もしかしたらこれをやっても問題ない地域もあるかもしれない。 鼻をすする 身体的特徴をいじる 過剰な相槌 体を接触させる 麺をす

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          【批判的思考】どうすればフェイクニュースに惑わされないのか−ある意味情報はほとんど間違っている?

          私の母は陰謀論にハマってしまった。来たる核戦争を生き残るため、せっせと準備をしている。もちろん2019年のアメリカ大統領選挙は実はトランプが勝っていたし、トランプは悪の組織ディープステートから人類を守る正義のヒーローだ。ワクチンにはマイクロチップが埋め込まれ2年後に人類の多くが死ぬ(もう2年とっくに経ったが)。飛行機雲は謎の有害物質で、洗濯物を外に干すことはやめた。YouTubeの陰謀論関連動画を一日中見ることを勉強だと思っている。 陰謀論にハマった原因は様々あるが、メディ

          【批判的思考】どうすればフェイクニュースに惑わされないのか−ある意味情報はほとんど間違っている?

          ブログ、やっぱりやろう

          これまで、様々な国でのたくさんの経験をしてきたので、そこで人生や文化、世界、日本について考えたことを書こうと思ったことは何度もあった。しかし書かなかったのは、思考を固定化したくなかったからだ。 私たちの考えや理解は常にいい方にも悪い方に変わりゆく。永遠に残る文章に、その一時的かもしれない考えを落とし込むと、それに引っ張られていい方への考えの変化が妨げられるかもしれない。そして、わざわざ記録せずとも、忘れる程度の知識や考えなら忘れていもいいし、文章にする意味はあまりない。そう思

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