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林郁&DG25周年プロジェクトチーム『デジタルガレージ 未来が生まれ始まるところ』講談社

デジタルガレージ社は、日本で初めて個人ホームページ「富ヶ谷」を開設したところから始まったインターネット関連事業を行う会社である。価格.comや、食べログを運営するカカクコムなどをグループ会社として持つ。

1995年創業から、25周年の会社の歴史を記述した本である。それは、日本のインターネットの歴史を記述することとなる。

Yahoo!に対抗する検索サービスinfoseekの日本語サービスを立ち上げ、インターネット広告の実証実験をおこなうなどをしたこと。日本で最初のオンラインDCショップを誕生させたこと。インターネット黎明期の状況を知ることができる。

デジタルガレージ社は、現社長の林郁氏と、伊藤穰一氏のふたりで立ち上げた会社ではあったが、infoseekのディズニー社による買収で、インフォシーク事業を手放すとともに、伊藤氏はディズニーの完全子会社の会長となり、別々の道を歩むこととなる。

インフォシーク事業の件で、別々に行動していた林氏と伊藤氏ではあったが、2010年、日本の若者の次の産業を生み出す事業を支援するため、オンラボをスタートさせた。一般的なVCでは投資しないようなスタートアップを採択し、投資している。人事労務ソフトのスマートHRはオンラボの卒業企業である。

2016年、DC Labを設立。オープンイノベーション型組織で、ブロックチェーン、バイオヘルスなどの分野に取り組んでいる。また、2018年には、ひとつのQRコードで、複数の決済手段が利用できる「クラウドペイ」を開発し、d払い、auPAYなどと接続し、日本のキャッシュレス化に貢献している。

国連がSDGsの目標を掲げ、また、ESG投資を進むと、企業はCO2をどれだけ削減したかを数値で示すことが求められてくる。そのためには、人力での計算では無理であり、DX化による仕組みづくりが必須とされている。このことを考える上でも参考となるところがあると思う。



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