櫻井将『まず、ちゃんと聴く。』日本能率マネジメントセンター
「聴く」とは何か。自分の解釈を入れないで意識的に耳を傾ける行為であると言う。
無意識で耳に入れることは「聞く」、意識的に耳を傾けても自分の解釈が入るときも「聞く」と定義する。一般的な解釈と少し違う。
「ちゃんと」とはどういう意味か。相手が「肯定的意図」で話していると信じている状態だという。
相手が悪い行動をしたときや、自分と異なる意見や考え方のときでも、うまく聴けるやり方(スキル)だと言う。
聴くのための信念やスキルがあっても、良いコンディションでないと、聴く力は発揮されないと言う。
「まず」を考えると、うまく聴くのではなく、まず、ちゃんと聴く。何でも話してもらう力と、解像度を上げる力があると言う。
「相手の中に答えがある」という考えに寄りすぎるのは危険だと言う。「聴くだけでは解決しない」ときは、解像度を上げる力を高めることが重要と言う。
さらに、「聴く」と「伝える」を両立させると言う。この両立を司るのが観察力であると言う。
「聴く」「伝える」「両立する」の3つの技術を高めるためにどうすればよいかを本書は説く。
最後に、著者は、あの人のことを、まず、ちゃんと聴く前に、あなたが、あなたのことを、まず、ちゃんと聴くことだと言う。
他者理解のための技術が必要な人は、是非、読んでみてもらいたい。