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「強み」を因数分解してみると、伸ばしどころが明確に。

本日は「強み」についてあらためて整理したいと思います。
私は、「強み」=「知識 × 技術 × 才能」であると定義しています。
こうやって考えると、自分の強みをどのように伸ばすかを具体的にイメージできるので便利です。

まずは「知識」
知識には2種類あって、「情報としての知識」と「経験としての知識」です。
「情報としての知識」に関しては、シンプルですね。ビジネスの世界であれば、「会計」「財務」「マーケティング理論」などです。ここを高めるためには、シンプルにインプット作業をしまくるしか有りません。

一方「経験としての知識」に関しては、少しややこしいです。「勘」というものもここに分類されると考えています。「勘」はこれまでの無数の経験から紡ぎだされた答えで、その人の持つ「経験としての知識」そのものであると思います。
つまり、ここの領域は「自らが経験」しなければ身につかない部分です。この部分を伸ばすのは少なからず時間が必要になります。


次に、「技術」
ここに関しては私が非常に好きな考え方があるので紹介します。
ビリギャルで有名な坪田先生が書籍の中で紹介されていた内容です。

「柔道」を事例に話します。

柔道の「技」というと一本背負い、内また、背負い投げなど様々な技があります。
受け身の練習から行い、技を掛け合う練習をして、技を磨いていきます。

ここで「早く成長する人」と「ゆっくり成長する人」に分かれていきます。
#皆さん早く成長する人になりたいですよね !?

実はその違いがこの「技」と「術」の違いだそうです。

「早く成長する人」というのは「術」の習得が非常に早い、というのです。
一本背負い、背負い投げなどが「技」としたときに、「術」とは一体何なのか。

柔道でいう「術」は “相手が崩れた瞬間に技をかける”という「崩し」だそうです。

力づくで投げ飛ばそうと思っても、そう簡単にはできません。
しかし相手が押してきた力を利用したり、自分の体重を左から右に移動させたりすると、相手のバランスが崩れる瞬間があります。その瞬間で「技」をかけると、あっさり決まる、というのです。

少し、話を戻し、整理します。
自分の強みを伸ばしてくための2つ目の方法が「技術のレベルを上げること」です。それには2つの視点があり、「技」と「術」です。

接客販売という仕事に転用すると
「技」は「販売トーク」「デモンストレーションの仕方」といったものがあり、よく「成功トーク」「キラートーク」などで共有されています。
それでも、なかなか成果が出ない、という人も多いと思います。

そういった人は「術」とは何か、ということを考えてみると良いかもしれません。同じメンバーの中に、高い販売技術を持っている人がいるとすれば、
その人は何かしらの「術」を身に着けています。そこを注意深く観察して、自分のものにすることが出来れば、自らの「技術」が向上すると思います。
実演販売士の方々なんて「術」をかけまくっているんじゃないかと思います。笑

最後に、「才能」とは「無意識に繰り返される思考・感情・行動のパターン」です。

「才能」の定義は、
「繰り返し現れる思考、感情および行動パターンであり、何かを生み出す力を持つ資質」です。これまでお話ししてきた「知識」と「技術」はどの分野であれ、「誰にとっても共通する要素」である一方、「才能」というのは、その人固有で、唯一無二の個性とも表せるものです。

つまり、一人ひとりが違うのです。

さて、「自分の『才能』をどのように見つけるか?」
まずはこれを考えなくてはなりません。

これを考えるにあたって、まずは大きく3つにパターン分けしたいと思います。
「自分の好きな行動」をイメージし、3つの視点で整理をすると分かりやすいので紹介します。(元USJ CMOの森岡毅さんの書籍「苦しかったときの話をしようか」に詳しく記載されています。)

才能は一人ひとり独自のものですが、パターン分類すると下記3つのタイプになります。

一つ目が、「Communication」=「Cタイプ」
好きな行動は、「友達が増やすこと、人と会うこと、話すこと、話を聴くこと、SNSで多くの友達とつながること、人が集まるところに参加すること、人に人を紹介すること、オシャレを楽しむこと、など」

2つ目が、「Thinking」=「Tタイプ」
好きな行動は、「考えること、問題を解くこと、人と議論すること、勝つための作戦を考えること、計算すること、勉強すること、研究すること、分析すること、知ること、予想を当てること、など」

3つ目が、「Leadership」=「Lタイプ」
好きな行動は「何かを達成すること、目的を定めて挑戦すること、仕切ること、変化を起こすこと、自分で決めること、人を引っ張っていくこと、責任のある役割を担うこと、人の世話をやくこと、など」

「自分の好きな行動」をポストイットか何かに沢山書き出して(50個~100個)、
上の3つに分類してみてください。
一番多くのポストイットが分類されたところがあなたの才能タイプです。
そうすることで、自分の才能が大まかに把握できます。


ここまで「知識」「技術」「才能」というものを明確にしてきました。
では、それらを掛け合わせた「強み」とはどのように作られ、活かされているのでしょうか。

過去の私の部下の事例(接客・販売業の事例)で考えてみたいと思います。。
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ある販売スタッフからこんな相談が有りました。

「Aさんはすごく顧客づくりが上手」
「Bさんもタイプは違うけど、なぜかめちゃお客さまが戻ってくる」
「あの2人を見ていると自分の強みは接客に向いていないのではないか・・・」

私が、「Aさん、Bさんはなぜ顧客づくりが上手だと思う?」と質問をすると、

「Aさんは、、、」
「美容知識が半端ない」
「デモンストレーション技術が非常に高い」
「どんなお客さまでも、自分のパターンに誘導している感じ」
「最後はお客さまがAさんのことを先生のように慕っている」
「お客さまが納得しきっているのが分かる」

「Bさんは、、、」
「なんかわからないけどお客さまとめちゃくちゃ仲良くなっている」
「なんでかわからないけど。。。」
「お客さまに何か価値を提供しているというか、逆にお客さまに応援してもらっている感じ」

という感じで、彼女は自分の見えているAさん、Bさんについて話してくれました。
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ここからは私の分析です。

【ThinkingのAさん】
あくまで私個人の考えですが、
AさんはTタイプの才能を活用し、接客における自分の強みを生み出していると思います。
Aさんの強みは「独自の顧客育成システム」を持っていることです。

「学ぶことが好き、知ることが好き」という才能を使い、これまで美容の深い専門知識を習得していきた(情報としての知識)
・自身が学ぶ経験を多くすることで、理解するためにはタイミングが重要だと知る(経験としての知識)
 つまり「小学生に高校生の授業をしても伝わらない」「中学生までの教育をした上でなければ、高校の内容は伝わらない」ということを知る
・「分析好き」という才能を使い、これまでの接客経験を体系化し、お客さまをレベルに合わせてパターン化
・お客さまのパターンに合わせて、お客さまに喜んで継続してもらうための方法(作戦)を考えた結果、自分の中に「独自の顧客育成システム」が誕生し、実践(技術)
というような感じなのでは、と分析しています。

おそらく自分では当たり前にやっていることだと思いますが、
誰もが真似することはできないことをやっているのだと思います。


【CommunicationのBさん】
一方、Bさんは全く違う才能を使い、多くの顧客づくりをしてくれています。
Bさんは「お客さまと本当に楽しそうに会話する」ということが非常に印象的です。
お客さまと一緒にめちゃくちゃ笑っているんです。
実はBさんの接客は、正直僕にもなかなか言語化できません。。。笑

なぜかお客さまはBさんのファンになって帰っていく。そんな接客をしてくれます。おそらくめちゃくちゃな努力をしているのは間違いないですが、
外から接客を見ると、天才的で僕にはできる気がしません。

Communicationの才能を使い、自身の知識と技術と掛け合わせることで、
Bさんは顧客づくりにおいて「Bさんに会いたくて来店する」という大きな強みを発揮してくれています。


ちなみにもし、私が強みを活かした接客をしようとすると、おそらくAさんの真似をすると思います。なぜなら私がTタイプだからです。


ここで、ここまで話をまとめ、整理します。
「強み=知識×技術×才能」である。

「才能」は一人ひとり違い、個別のものであるが、大きく3つのタイプに分類することが出来る。それは「Communication」「Thinking」「Leadership」の3つである。
そして、「自分の好きな行動」を見つめることが、自分の才能タイプを見つけるヒントであり、その才能を使い、強みを生み出し、活かすことで高い成果を残すことが出来る

ということです。

少し長々と「強み」について書いてきました。
何か気づきになれば嬉しく思います。

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