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PRの仕事って何してんの?『現場のプロが教える 即戦力をつくる広報PRの教科書』

今回はPRという仕事について書きます。PRについてはいろいろな本を読んできたのだけど、久しぶりに体系的にまとまっている本に出会いました。これ。

多品種小量生産でニッチな分野に顧客が分散している現代社会では、お金を払って出す広告だけではお客様から十分なリアクションを得られません。販売促進のもう一つの柱としてますます重要性が高まる「広報PR」の手法について、「めざましテレビ」や「笑っていいとも」の放送作家から転身しPR業界で成功、累計55万部のベストセラー作家であり、登録者数およそ6万人のビジネスユーチューバーでもある著者がイチから教えます。
現場のプロが教える 即戦力をつくる広報PRの教科書(amazon)

何の仕事してんの?」って聞かれて、「PRの仕事してます!」って言うと、だいたい「なにそれ?」って言われます。「企業の広報さんみたいなもん」って言ったらなんとなくわかってくれる。だけど、広報とPRってちょっと違うよなあと思っていて。面倒なときは「広告系」って言い方をしてしまうけどね。(広告とPRはもっと違うだろ!笑)

てな感じで社会的には何してるかよく分からない仕事なんだろうなあと思います。自分でも体系的に整理したいなと思っていたので、『現場のプロが教える 即戦力をつくる広報PRの教科書』という上岡正明さんが書かれた本をベースにまとめていきます。(個人的には広報とPRは似て非なるものだと思うのですが、一般的には括られることも多く、今回の本もそのようになっているので本noteではまとめてPRと書いちゃいます)

1.そもそも広報PRとは何か?

企業がメディアや消費者との接点を創出し、戦略的に情報を開発(クリエイティブ)していくのが広報PRの仕事です。

本文中でこうやって書いてありました。まさにそうだと思います。今の世の中、モノや情報が溢れかえっています。生活者は、商品の魅力をメディアや口コミを通して知ります。とにかく情報で溢れかえっているから、生活者も自分に合った情報すら見つけられない

だから、自社のサービスを知ってもらうためには、適切な人にこちらから手を差し伸べてあげなければならない。そう、企業が主体的にメディアや生活者との接点を作りこむ必要があるのです。

まず繋がれたとして次に必要なのが、何をどう伝えるか。好意的に受け取ってもらうために、受け取ってもらいやすい情報発信をしないといけないですよね。日常会話でもそうであるように、言い方ひとつで情報の受け取られ方は全然違ってくる。情報を社会文脈に合わせたりして加工し、受け取ってもらえるようにするんです。言い換えれば、ニュースをつくる仕事といえるかもしれませんね。

ちなみに、僕個人的にはPRという仕事は「繋がってもらい続ける仕組みづくり」と定義しています。詳細は下記からどうぞ!

広告とPRって似たものと思われがちだけど、正直全然違うものです。次章以降は広告とPRの比較的なスタンスで書いていくので、詳細に知りたい人は要チェック!

2.広報PRのメリット

①広告や宣伝に比べてネガティブに受け取られにくい!
②メディアが持つ信頼性で受け手の心理的ブロックを回避!
③露出した情報をずっと使える!
④ネット上のバズや双方向のコミュニケーションに繋げやすい!
⑤少ない予算で何度でも挑戦できる!
⑥よい影響を与えられる対象が非常に多い!

①広告や宣伝に比べてネガティブに受け取られにくい!
広告って企業がお金を払って言いたいことを言える枠を買っているので、企業の主観なのだよね。一方のPR(パブリシティ)はメディアが切り取った客観で語られている。それが情報の受け手には大きくて。押しつけって感じがない分、ポジティブに受け入れられやすい。

②メディアが持つ信頼性で受け手の心理的ブロックを回避!
メディアは信頼あるんか?って言う最近の情勢は置いときましょう。でもやっぱり広告よりは受け入れやすいはず。たとえばYouTube広告とか速攻でスキップボタン押すでしょ。いまは好きな動画を見たいの。タイミング悪いよ!って。でも新聞を読んでいる人なら、ニュースを仕入れるために読んでるんでしょ。最近あの企業面白い取り組みしてるらしいよって知ってもらえたら高評価で受け入れてもらえるじゃん。

③露出した情報をずっと使える!
店頭POPとかで\めざましテレビで紹介されました/みたいなのあるやないですか。あれ。やっぱりああゆうのがあると、生活者の受け入れられ方は違うのだよね。いわゆるお墨付きっていうやつですな。WEB記事とかは長いことリンクが残るから、調べたときに出てくるとめっちゃ良い。広告は出稿期間が終わったらもう見られないけど、メディア露出は基本的にずっと残るのであります!

④ネット上のバズや双方向のコミュニケーションに繋げやすい!
みんな大好きバズ。まあそれは置いといて、「双方向」って言うのがキーワードですな。広告ってやっぱり企業から生活者への一方通行なコミュニケーションになりがち。だけど、PRでは「双方向性」がとても大事で。Yahooニュースとか出るとヤフコメに大量にコメントつくじゃん。メディアアカウントがSNSに投稿した記事にもコメントと引用RTでめっちゃコメントつく。あれがめっちゃよくて。良い意見も悪い意見もあるだろうけど、全部が新しいコンテンツとして生まれて二次拡散の種になるのだよね。それで気の利いた口コミがめっちゃバズったり情報の連鎖でニュースそれ自体を見ていない人にもリーチするのがとてもよい

⑤少ない予算で何度でも挑戦できる!
まあねえ。広告と違ってほとんどがヒューマンリソースでできるからね。何回もやれるからPDCA回せるってのはメリットだと思われ!なんなら自社のSNS運用とかもやるようになるとめっちゃオモロイ。お客さまと直接繋がれるから、どこが評価されてどこが評価されていないのか肌感覚でわかるようになる。それが次の企画やリリースのネタになったりして、めっちゃPDCA回せる。

⑥よい影響を与えられる対象が非常に多い!
\王様のブランチで紹介されました/みたいなのはいろんな人に影響を与えるのだよね。ふだんは仕事の内容を知らない社員の家族も「こんな仕事してるんだ」ってのを知れたり。有名番組で出てたら自分のモチベーションアップにも繋がるし。就活生や株主に向けたアピールになることも。クラウドファンディングの実施者の人とかだと、メディアで取り上げてもらっただけですぐに新しい支援者の人が出てきてくれるみたいですよ。

3.広報PRのデメリット

①メディア露出はコントロールできません!
②もしかしたら不利益になる情報露出になる可能性も!
③属人的なノウハウになりやすい
④効果測定が難しい
⑤炎上のリスクがあるかも

①メディア露出はコントロールできません!
これは忘れちゃいけないこと。マーケ担当や広告担当の人はPR担当にワーワー言ってくるかもしれませんが、こればっかりはコントロールできない。いつ、どのように取り上げるかの編集権はメディアが持っているから。広告であれば、出稿日時を決められるので、自社の販促施策とタイミングを合わせて連動させることもできます。だけどPR(パブリシティ)では基本的にはできません。てかそんなにコントロールしたいならお金払って広告やってくれ。

②もしかしたら不利益になる情報露出になる可能性も!
先と同様、編集権はメディア側が持っているので、企業が望んでいないか体で、メディアに自社の情報が掲載されることもあります。でもそれってだいたい誠意のない対応や取り組みをしていたりするからでしょう。(もちろんトップの失言や社員の不祥事の尻ぬぐいから飛び火することもあり。)パブリックリレーションズの定義はあらゆるステークホルダーとの関係づくりなのだから、PR担当がメディアとも良好な関係づくりをできていれば済む話。だからそんなにコントロールしたいならお金払って広告やってくれ。

③属人的なノウハウになりやすい
情報のクリエイティブ力とかはそれなりの職人芸になるのでしょうがないかなあとは思いつつ。担当者が転職とか異動とかすると引継ぎが難しく結構大変なことになる。もしかしたらPR会社などのプロに外注して安定させるというのはあるかもですね。とはいえできるだけ社内のことを熟知した人で完結させたいところ。

④効果測定が難しい
これは実際そうです。何とも言えん。広告換算値とかいう同じ枠を広告として買ったらいくらになるかという怪しい指標があるのだけど、もうこれはPR業界の怠慢だなと思ってしまっている。広告でも同様に本当に生活者の行動変容に繋がったの?という議論はあるけど、あっちは結構大きな予算を投じていたりするから売上あがったり効果が見えやすいんだよな。デジタル広告はコンバージョン追いやすいし。PR(パブリシティ)はPVとかメディア側の話だから自社で見れないというのもきつい。テレビで露出して10分とか長尺で取れるとそこそこ効果は見えやすいのだけどね…。

⑤炎上のリスクがあるかも
これSNS運用するときも言うけど、よほど不誠実な対応をしない限り炎上しないだろうって感じ。さっきも少し出たけどトップの失言とか社員の不祥事の尻拭いをしないといけないことはあるけども。やらせや嘘は絶対禁止とはいえあらゆるリスクを想定しておくのが一流のPRパーソンな気がするので…。大事なのは「他者への想像力」に尽きると思うな。いま、世の中ほんとうにいろんな人がいるから。とにかく世の中のことを知り尽くして、誰よりもいろんな人の頭の中を理解しておく。想定外のことは起きないようにあらゆる準備を徹底しておかないとね。

4.広報PR27種の具体的な業務内容

ここはもう長くなるので27個を羅列させてもらってしまいますね。ここの詳細教えてほしい等あればコメントでおしらせくださいませ。僕のnoteは下書きから公開&随時更新&みんなでつくるを売りにしたいのでぜひぜひ。

(1)市場調査/リサーチ
(2)競合調査
(3)情報発信戦略の策定
(4)情報開発(情報クリエイティブ)
(5)コミュニケーション・キーワードの策定
(6)プレスリリース作成
(7)プレスリリース配信
(8)メディアキャラバン
(9)記者発表会/記者会見の企画・運営
(10)記者懇談会の企画・運営
(11)記者クラブの活用
(12)企画記事、企画番組の獲得
(13)メディアヒアリング
(14)リスクマネジメントと危機対応
(15)自社マネジメント層へのメディアトレーニング
(16)想定Q&Aシートの作成
(17)PRイベントの企画・運営
(18)リーク
(19)テレビPR
(20)デジタルPR
(21)動画PR
(22)広報制作物のプランニング
(23)メディアクリッピング
(24)メディア対応
(25)タレントのキャスティング
(26)アテンド(つき添い)
(27)広報PR部門の育成

長いっ!なんなら広報やPRを知っている人向けではなく、まったく知らない人に向けて全部の項目について別のnote立てて紹介したいくらいだけど!(まあもしかしたらいつかやるかもです)

広報PR担当者には、社会がいまどういうことに関心を持っているのか常に把握しようとする情報収集力や、アンテナの感度が求められます。
また、情報は発信するからこそ、周囲や社会に知ってもらえます。

基本姿勢は「自社が情報を発信することで興味を持ってもらう」というスタンス。膨大な情報の中から、手を差し伸べてあげるというイメージでしょうか。広告と違って、ほとんどヒューマンリソースのみで運用できるため、少ない予算で実施できます。特に個人店舗のオーナーやスタートアップ企業の経営者にとっては大きな武器になるんじゃないですかね。世の中に知ってもらうためには、莫大な予算が必要になる広告だけじゃないんですよってことを多くの人に知ってもらいたいですね。


(初回投稿日:2021/04/23)
(最終更新日:2021/04/23)

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