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推理小説の歴史(海外編)


推理小説はアメリカでエドガー・アラン・ポーによって生み出されたが、それをいち早く取り入れたのはフランスであった。エミール・ガボリオがシリーズ探偵ルコック氏を創造し、『ルルージュ事件』などの長編を書いている。フランスは全体的に長編志向で、短編推理小説の黄金時代であった1907年に、ガストン・ルルーが長編『黄色い部屋の謎』を書いている。フランスではその後、サスペンス小説が主流になっていく。
イギリスでは、チャールズ・ディケンズが『バーナビー・ラッジ』で推理小説的手法を使い、ポーに先駆けて推理小説を完成する可能性があった。ディケンズは未完の長編『エドウィン・ドルードの謎』でフーダニットに挑戦し、同時代のウィルキー・コリンズは『月長石』を発表した。1887年にシャーロック・ホームズが誕生し、それに追随するかたちで英米では短編推理小説の百花繚乱の時代を迎える。この短編推理小説黄金時代は1910年代まで続く。

推理小説を生んだエドガー・アラン・ポー

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