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2022年読んだ本ベスト10冊

毎年恒例のBest10やっていきます。
今まで経営関連の本が多かったですが、今年はインドネシアの会社の経営か
ら離れたこともあり幅広いジャンルの本と接することが出来た年でした。

それではやっていきます! 


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次なる100年

経済学者水野さんの"次なる100年" 
なんとページ数まさかの1000ページ超え。
Kindleでしか普段読書しない僕はそんなことを知る由もなくジャケ買い。

毎年Best10冊を決める上で一つの指標にしているのがKindleで引いたハイライトとメモの数。本書はハイライト278、メモの数89と断トツの1位でした。
良質な問いを自問自答しながら決して鵜呑みすることなく自分なりの反論を加えながら読んだ一冊です。

内容としては、水野さんの代表作 "資本主義の終焉と歴史の危機" で主張する超低金利による利子率革命をベースに同様に低金利だった16世紀ヨーロッパと比較しながらポスト資本主義を書いている本です。

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無名の人生

渡辺京二さんの"無名の人生" 
「生」に執着することなくあっさりと死んでいった江戸と執着するが故にこってりと生き抜く現代人の人生観を描いています。

人間、死ぬから面白い。  こんなことを言うと、お叱りを受けるかもしれません。しかし、人間、死ぬからこそ、その生に味わいが出てくる。

無名の人生

無名のままでいたい  私の理想は、無名のうちに慎ましく生きて、何も声を上げずに死んでしまうことです。ただ、自分としてはこういう死に方がいいという理想はあります。「野垂れ死に」です。

無名の人生

なんとなく 岡本太郎の"自分の中に毒を持て" と同じ匂いがする本です。

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正欲

普段、小説なんて全く読まない僕も完全にドハマリした「多様性とは何か」を書いた小説です。

もう、始まり方がいいんです。
最初の1文が下記です。

たとえば、街を歩くとします。 すると、いろんな情報が視界に飛び込んできます。 空の青さ、人々の足音、見かけない地名の車のナンバー。色、音、文字、なんでもいいです。ただ歩いているだけで、視界はさまざまな情報でいっぱいになります。

正欲

もう面白くないですか?w 

多様性とは、都合よく使える美しい言葉ではない。自分の想像力の限界を突き付けられる言葉のはずだ。時に吐き気を催し、時に目を瞑りたくなるほど、自分にとって都合の悪いものがすぐ傍で呼吸していることを思い知らされる言葉のはず

正欲

自分の考えなんて全く及ばない世界があることを理解するそんな一冊です。

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Almanack of Naval Ravikant

日本語はこちら

Angel Listを創業し今はエンジェル投資として活躍するナヴァル・ラヴィカントの思想をまとめた本。

僕はこの本を読むまで彼の存在を知りませんでした。
お金や幸福をCompound Effect(複利効果)や習慣化の重要性を説きながら書いている本です。
本書では読書や日記、瞑想など僕が長きに渡って大切にしてきた習慣も登場し、とても気持ちが救われました。 

このようなベストセラー本がシリコンバレーから生まれたという事実に時代の変化を感じます。

そういった意味でも本書は令和版ベンジャミン・フランクリンと言った感じでしょうか。

内容的にはAtomic Habitsとレイ・ダリオのPRINCIPLESを足して2で割った感じです。

オーディオブックで読んだのでメモも引用もこちらはなし。

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Who You Are(フーユーアー)

こちら友人が翻訳に関わっているのであまり下手なこと言えないのですが、前作のHard Thingsっぽい感じの自己啓発よりな本かなーと思ったら完全に組織文化の本でむちゃくちゃ良書でした。

"Culture eats strategy for breakfast" という言葉がありますが企業文化ほど模倣困難性が高く企業価値に深くそして長く貢献するアセットはないと改めて感じた一冊です。

組織文化を今ある企業体と比較するだけでなく、ハイチ革命から武士道、チンギス・ハンまで歴史的組織の事例を元に多角的に分析していたのが面白かった。なぜ奴隷制度はあったのか? という問いも興味深いです。

下記のような具体的な問いに組織一人ひとりはどのように答えるのか? 
その答えが組織文化そのものである。と本書では説いています。

■ この電話は、今日折り返したほうがいいほど緊急なものなのか? 明日まで待っても大丈夫か?
■ 人事評価前に昇給を求めてもいいだろうか?
■ この資料は外に出せる品質か? それとももう少し手を入れたほうがいいのか?
■ このミーティングに遅れてもいいのか?
■ 格安ホテルに泊まるべきか? それとも超高級ホテルに泊まってもいいのか?
■ この契約の交渉で、重要なのはどちらだろう? 価格か、それとも両社の提携関係か?
■ 同僚の間違いを指摘すべきか? うまく行っている点を褒めるべきか?
■ 5時に帰宅していいか? それとも8時まで会社にいるべきか?
■ ライバル会社について、どのくらい必死に研究すればいいのだろう?
■ 新製品の色味の話し合いを5分で終えていいのか?  30 時間かけたほうがいいのか?
■ 自分の会社の中で何かとてもまずいことを見つけたら、報告すべきだろうか? 誰に話したらいいのだろう?
■ 勝つことは倫理より大切か? 

Who You Are


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名画で学ぶ経済の世界史

去年は約1ヶ月ヨーロッパに滞在していたこともあり美術館巡りの事前学習として選んだ一冊。 
全体を通して今年も一番読んだ本のジャンルは歴史でした。

著者田中靖浩さんの本はどの本も面白く本書も大変な良書で、自問自答しながら読みメモの数は83でした。

イタリア旅行中に滞在したフィレンツェやローマは受胎告知などの宗教画が多いですが、そういった理由も書かれています。
そもそも16世紀くらいのヨーロッパの識字率は10%未満と言われており、言葉がわからない人々に宗教を布教したり教育することを考えると、a) 教会で、b) 偶像崇拝で、c) 巨大な絵画でとなるのはある意味必然です。
キリスト教がカトリックから始まったのも頷けます。

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ブッダの瞑想法

去年は10日間の瞑想合宿に参加したこともあり、瞑想や仏教に関する本もいくつか読みました。その中でも特に本書は学びが多く仏教や瞑想について深く理解することが出来ました。

瞑想とは客観視すること。ということもこちらの本で学びました。
ブッダの最大の功績は仏教ではなく恐らく2500年も前にこの瞑想を活用し悟りを開いたことだと思います。 

「ヴィパッサナー(vipassanā)」という言葉は、「詳しく観察する」「さまざまなモードでよく観る」という意味のパーリ語です。「さまざまなモードで」とは、仏教の眼目である 三法印(無常・苦・無我) の角度から存在の本質を観察するということです。

ブッダの瞑想法

今年こそは瞑想に取り組みたい! と思っている方などにおすすめの一冊です。

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愛するということ

誰もが知るエーリッヒ・フロムの名著ですが、何気なくAmazonで調べてみたらKindle版が出ていたので一気に読みました。

ずばり、一言。最高の一冊でした。
これぞ時の洗礼を受け続けた時代が生んだ名著です。

冒頭最初の1文がこちらです。

真に人を愛せる人を、あなたは何人知っていますか? 

愛するということ

何も知らない者は何も愛せない。何もできない者は何も理解できない。何も理解できない者は生きている価値がない。だが、理解できる者は愛し、気づき、見る。

愛するということ

愛は技術だろうか。もし技術だとしたら、知力と努力が必要だ。

愛するということ

著者は愛するとを能力であると定義しているところがまず目から鱗で、その上で能力であれば知力と努力が必要であると説いています。

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「うつ」の効用

タイトルが好きで買いました。効用って素敵ですよね。
うつ病は現代病だと思っている人も多いと思いますが、実は紀元前からの長い歴史を持つ病です。

うつとは現在vs未来、現在vs過去の対立であり、心と頭の対立です。

「頭」「心」「身体」の関係性を用いてうつの構造を説明しており、
うつを切り口に「頭」「心」、「過去」と「未来」などの概念も含めて整理出来る本です。

全ての人におすすめです。

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ランニングする前に読む本

今までいろんなランニング本を読んできましたが、網羅的かつデータを元に科学的に分析されている本で大変勉強になりました。

乳酸、血糖値、脂肪、体重などのデータを使った分析や、今まで曖昧だったピッチ走法やスライド走法、グリコーゲンと脂肪の関係等々、網羅的に書かれています。

ただ、いろんな人がいろんなことを言うので笑
全てを鵜呑みにせずに自分でトライし微調整していくのが良いかと思います。

専門的なトレーニングに関してはダニエルズのランニング・フォーミュラが有名です。

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(おまけ)最後に。


生き方

2022年8月24日に経営の神様と言われた稲盛和夫さんがこの世を去りました。
私がビジネスの世界に興味を持った最初のきっかけは高校生の時に読んだ稲盛さんの「生き方」です。

下記の文章を読んで大いに感銘を受けました。

ただし願望を成就につなげるためには、並みに思ったのではダメです。「すさまじく思う」ことが大切。漠然と「そうできればいいな」と思う生半可なレベルではなく、強烈な願望として、寝ても覚めても四六時中そのことを思いつづけ、考え抜く。頭のてっぺんからつま先まで全身をその思いでいっぱいにして、切れば血の代わりに「思い」が流れる。それほどまでひたむきに、強く一筋に思うこと。そのことが、物事を成就させる原動力となるのです。

生き方

下記も稲盛さんらしい大好きな1文です。

ラテン語に、「仕事の完成よりも、仕事をする人の完成」という言葉があるそうですが、その人格の完成もまた仕事を通じてなされるものです。いわば、哲学は懸命の汗から生じ、心は日々の労働の中で錬磨されるのです。

生き方

何度読んでも背筋がシャンとする原点に戻れる本です。

合唱🙏

過去のベスト10冊は以下


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