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2020年読んだ本ベスト 10冊

本当に今更なのですがw 
今まで毎年ベスト10冊まとめていたので、1年スキップするのもなんだか気持ち悪く、2020年のベスト10冊紹介します! 

ちなみに、2020年に書いた読書術のNoteが今でも結構読まれていて嬉しいです。最近はEvernoteからNotionへ変わったことで読書術もまた一段と進化しているのでどこかのタイミングでまたアップデートしたいと思います。


では一冊目

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破天荒な経営者たち

2020年どれか一冊を選べと言われたら迷わずに選ぶのがこの一冊。

ずばり「優れたCEO(最高経営責任者)とはどのような人たちなのだろうか。」というシンプルかつ奥深い経営者なら誰もが気になるこの問いに明快に答えてくれる本です。

私自身とても影響を受けた何度も読み返したい本です。 

著者らの挑戦的な試みの結果、驚くべき事実がいくつも明らかになった。まず、こうしたアウトサイダー(異端者)のCEOたちの経営には共通点があった。つまり、優れた経営というのは定式化でき、だれにでもまねすることが可能だということだ。

CEOの偉大さを評価するために必要な数字は三つしかない。
在任中の株価の年間リターン率(複利)と、
同じ期間の同業他社のリターン率、そして
幅広いマーケット(通常はS&P五〇〇を参照する)のリターン率である。

CEOとして成功するためには、二つのことをうまく行う必要がある。事業を効率的に運営し、そこで得た現金をうまく使うことである。ほとんどのCEO(および彼らが書いたり読んだりしている経営書)は前者、つまり事業の運営に力を注いでいる。もちろんこれは重要だ。しかし、シングルトンが最も注目したのは後者だった

CEOには、資本の使い方について基本的に五つの選択肢(① 既存の事業への投資、 ② ほかの事業の買収、 ③ 配当、 ④ 負債の返済、 ⑤ 株の買い戻し)があり、資本を調達するためには三つの選択肢(① 社内のキャッシュフロー、 ② 債券の発行、 ③ 株の発行)がある。

CEOが下す最も重要な判断のひとつは時間の使い方で、具体的に言えば事業運営、資本配分、投資家対応という三つの重要分野にどれだけ時間を割くのかということである。

金言ばかりで、今回のNoteには収まりきらないのでこのあたりで止めます。

ちなみにこの本の最後にはアウトサイダー(優れた経営者)のための10項目のチェックリストまで付いています。 


陽明学

"知行合一"で有名な陽明学ですが、吉田松陰や西郷隆盛など幕末の英雄たちに大きな影響を与えた志と実践の学問です。

なぜ陽明学は日本でだけ受け継がれてきたのでしょうか。それはひとつには、実践を重視する「知行合一」の思想が日本人の気質に合っていたという事情もからんでいるかもしれません。

科挙が出世の中心だった中国では知行合一の陽明学は合わず、陽明学は日本人によって広まったとも言われています。日本人の侍文化と儒教(陽明学)思想が融合し行き着いた先が武士道だったのだと個人的には思っています。

論理的な朱子学と実践的な陽明学。陽明学が出来てから約500年が経った今、改めて"志すこと"、そして"行動すること"の大切さが増していると感じています。今まさに陽明学2.0が求められているような気がします。

一、「立志」、志を立てること
二、「勤学」、学問に 勤めること
三、「改過」、過ちを改めること
四、「責善」、善を 責める


世に棲む日日

司馬遼太郎さんの世に棲む日日です。
まさに陽明学を深く学び、誰よりも知行合一を体現した吉田松陰先生とその弟子高杉晋作の作品です。 

吉田松陰や、一番弟子の久坂玄瑞、そして高杉晋作の生き様はとても感銘を受けますが、一番日本人として押さえるべきは"明治維新"と呼ばれる革命を引き起こしたその背景にある当時の”過激思想”です。
それが陽明学による知行合一を通して昇華された"儒教的武士道"なのです。

こんな一文があります、

「それが必要だとなれば、武士たる者は断乎おこなうべきです。それが成功するかどうかということを、論ずべきですらないのではないでしょうか」
成功不成功は論ずべきでないというのは、この時代に普及した儒教的武士道であった

成功とか不成功とかは論点ではなく、やるかやらないか。なのです。それが仮に彼らにとって死を招いたとしてもそれが生きるということだったのです。
当時の日本にはこんな価値観と空気感があったようです。

事実、明治維新は"武士による武士の終焉"という結末を生みました。
最後は廃藩置県により、全国の武士は職を失い、まさに成功とか不成功とかは論点でなく自ら切腹した形で武士道を体現することになりました。

フランス革命の引き金がルソーによる人権論という価値観であったなら、明治維新は陽明学による過激儒教が生み出した武士道という価値観だったのかと思います。


Execution

UNIQLOの柳井社長の1番のブレーンとも言われている元ハーバード大学教授のラム・チャランが書いた"Execution"   
日本語だと"経営は「実行」"というタイトルです。
※ 柳井社長とラム・チャラン氏との関係はこちらの記事に記載されています

私はこの日本語の「経営は実行」というタイトルが物凄く好きです。言い得て妙、経営の本質をズバリと表現しているなと感じます。 
では実行とは何なのか? 

So we see a great need for this book. Execution is not just something that does or doesn’t get done. Execution is a specific set of behaviors and techniques that companies need to master in order to have competitive advantage. It is a discipline of its own. In big companies and small ones, it is the critical discipline for success now.

実行とは何かをしたり、しなかったりという単純な意味ではなく
実行とは規律(Discipline)であると。

Most often today the difference between a company and its competitor is the ability to execute.

そして今日、自社と競合を差別するのはビジョンでも、戦略でも、サービスでもなく、このExecutionそのものである。とも言っています。

その理由が下記です。

Execution paces everything. It enables you to see what’s going on in your industry. It’s the best means for change and transition—better than culture, better than philosophy. Execution-oriented companies change faster than others because they’re closer to the situation.

ここもずばり。Execution paces everything. Executionが全てを左右しますと。

In its most fundamental sense, execution is a systematic way of exposing reality and acting on it. Most companies don’t face reality very well. As we shall see, that’s the basic reason they can’t execute. The heart of execution lies in the three core processes: the people process, the strategy process, and the operations process.

また、Executionとは現実を直視し、それに基づいて行動するシステムである。ほとんどの会社は現実を直視していない。それがExecution出来ない基本的な理由であると。

とにかくこの本にはExecutionと同等もしくはそれ以上にDisciplineという言葉が数多く使われています。経営者が競合優位性を生み出す唯一のExecutionそしてDisciplineが学べるおすすめの本です。


THE RIDE OF A LIFETIME

邦訳タイトルは"ディズニーCEOが実践する10の原則

ウォルト・ディズニー・カンパニー会長兼CEOのロバート・アイガーの半生と経営哲学が綴られた本です。真のリーダーになるための心に刺さる金言が散りばめられた素晴らしいリーダーシップ本でありながら、個人的にはディズニーの知られざるM&A戦記でもあると思っています。

本書を通じて、ディズニーはM&Aを繰り返し事業拡大していることが非常に良くわかり特に彼のCEO任期期間中はSteve JobsのPixar, Marvel Entertainment そしてLucasfilmを次々に買収しています。また当時実はTwitterの買収も進めていたことがわかります。

また、Robert Igerと今は亡きSteve jobsとの信頼関係もこれまた素敵です。

After the funeral, Laurene came up to me and said, “I’ve never told my side of that story.” She described Steve coming home that night. “We had dinner, and then the kids left the dinner table, and I said to Steve, ‘So, did you tell him?’ ‘I told him.’ And I said, ‘Can we trust him?’ ” We were standing there with Steve’s grave behind us, and Laurene, who’d just buried her husband, gave me a gift that I’ve thought about nearly every day since. I’ve certainly thought of Steve every day. “I asked him if we could trust you,” Laurene said. “And Steve said, ‘I love that guy.’ ” The feeling was mutual.


歴史の大局を見渡す

ピューリッツァー賞受賞の歴史学者夫婦2人が贈る、5000年の歴史をおさめた珠玉のエッセイ集。
100ページ程のとても読みやすい本です。 

歴史から得られる生物学的教訓は、まず、人生は競争だということである。歴史から学べる第二の生物学的教訓は、人生は淘汰だということである。
第三の生物学的教訓は、生き物は子孫を増やさなければならないということである。

社会主義と資本主義との闘いは、富の集中と分散を繰り返す歴史の一部である。

歴史とは、遺産の創造とその記録と言える。

哲学と宗教全史

私の大好きな出口さんが書いた約600ページにも及び哲学と宗教全史。
人工知能やAIが叫ばれる昨今、自らの頭で考えることがより一層重要になってくると筆者は考え、人間の根源的な問いを問う哲学と宗教に関して3000年近く遡り分かりやすい図表と共に説明しています。 

走れば脳は強くなる


走ることはなぜいいのか? 
このシンプルな問いに対して科学的根拠を元に答えてくれる本です。
「体」に良いのは勿論のこと、走ることは「体」だけでなく「脳」にも良いようで、前頭葉、海馬を鍛え、またセロトニンが放出されることでストレス解消にも役立ちます。

私はコロナを機に2020年6月から毎日走ることを日課にしていますが、効果を理解することで日々のランニングがより一層楽しみになりました。

体を動かすことで脳が刺激され脳機能がアップし、仕事効率もよくなる。さらにドーパミンやセロトニンが放出されるため、気持ちが前向きになる。

脳を効果的に鍛えるためには、この運動強度を意識することが非常に重要です。具体的には、【運動強度 60 ~ 80%のランニングを1日 20 ~ 30 分×週3回×3ヶ月】という基準で行うのが最も効果的

イライラや疲れを感じたとき、ネガティブな気持ちが晴れないときには、とにかく走ってみることをお勧めします。俗に言う幸せホルモン「セロトニン」が分泌されて安心感が高まるとともに、こわばっていた体がほぐれ、コルチゾールの滞留を防いでくれるでしょう


起業家の勇気 USEN宇野康秀とベンチャーの興亡

スタートアップ経営者やビジネスマンの中でも宇野さんファンは多いのではないでしょうか。
今ではあまりメディアへの露出はありませんが、堀江貴文、藤田晋ら“ヒルズ族の兄貴分”と呼ばれた男、スーパーボス宇野さん。

この本はそんな経営者宇野さんのジェットコースターのような経営者人生が綴られた本です。 

個人的なこの本の面白さは、勿論宇野さんの積み重なる挫折と試練の経営者人生もそうですが、父親であり現USEN(当時大阪有線放送社)の創業者宇野元忠さんの存在です。この本は犬猿の仲だった、父と子、経営者と経営者の物語でもあるのです。

「あんた社長なんやろ? 社長のあんたが休みの日もなんで、働かにゃあかんの? 社員に任せたらえんやん?」  元忠は、あのぎょろっとした目を妻に向けて言うのだった。 「何をアホなこと言うとるんや。ワシより働くもんがおったらそいつが社長や

すでに書いた通り、毎月二十六日の全国所長会議で、従業員の給与が営業所の所長に手渡される。それを元忠は、自らの手で行った。すでに従業員数は一千人に迫ろうとしており、給与の計算、袋詰めだけで、本社の経理を担当する者が三日がかりの作業を強いられる。

秋になれば、元忠は決まって五百キロもの松茸を自腹で買い、社員や得意先に配って歩いた。また年に何回かは、中華風の肉団子を社員総出で作った。本社八階の大広間はそのために作られたようなものだった。元忠の妻も手伝って朝から肉団子が数千個作られ、それもすべて社員、得意先に配られた。もちろん、すべての費用は元忠個人が払った。 「ワシは事業しか興味がない」

生前の元忠へのインタビューを元にしてまとめた根岸康雄の「有線の鬼」(小学館『頭を下げなかった男たち』所収) によれば、依月に惚れたのは元忠からだったという。元忠のプロポーズに対し、華僑で、散髪屋を経営していた父親は反対した。父には逆らえない、と依月は元忠の結婚の申し出を断わった。すると、元忠はこう叫んだという。 「お前と結婚できないなら、俺は死ぬ─

皇帝ナポレオン

19世紀世界史は全体的に面白いですが、特にこの時代のフランスはカオス極まりなく格別に面白いです。

フランスはフランス革命から約25年で、
国王ギロチン

やっとの思いで王政廃止

天才ナポレオン登場 共和制

ナポレオンまさかの皇帝に! (あれ独裁政治じゃね?)

からのまさかの王政復古 ルイ18世復位
というたったの25年で輪廻転生してしまうw という
何とも世界史の中でも人間味溢れる25年間だと個人的には思っています。
この人間味溢れるというのが、まさにフランスそしてルソーが求めていた本当の意味での革命だったのかもしれません。

過去のベスト10冊は以下



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