本当に今更なのですがw
今まで毎年ベスト10冊まとめていたので、1年スキップするのもなんだか気持ち悪く、2020年のベスト10冊紹介します!
ちなみに、2020年に書いた読書術のNoteが今でも結構読まれていて嬉しいです。最近はEvernoteからNotionへ変わったことで読書術もまた一段と進化しているのでどこかのタイミングでまたアップデートしたいと思います。
では一冊目
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破天荒な経営者たち
2020年どれか一冊を選べと言われたら迷わずに選ぶのがこの一冊。
ずばり「優れたCEO(最高経営責任者)とはどのような人たちなのだろうか。」というシンプルかつ奥深い経営者なら誰もが気になるこの問いに明快に答えてくれる本です。
私自身とても影響を受けた何度も読み返したい本です。
金言ばかりで、今回のNoteには収まりきらないのでこのあたりで止めます。
ちなみにこの本の最後にはアウトサイダー(優れた経営者)のための10項目のチェックリストまで付いています。
陽明学
"知行合一"で有名な陽明学ですが、吉田松陰や西郷隆盛など幕末の英雄たちに大きな影響を与えた志と実践の学問です。
科挙が出世の中心だった中国では知行合一の陽明学は合わず、陽明学は日本人によって広まったとも言われています。日本人の侍文化と儒教(陽明学)思想が融合し行き着いた先が武士道だったのだと個人的には思っています。
論理的な朱子学と実践的な陽明学。陽明学が出来てから約500年が経った今、改めて"志すこと"、そして"行動すること"の大切さが増していると感じています。今まさに陽明学2.0が求められているような気がします。
世に棲む日日
司馬遼太郎さんの世に棲む日日です。
まさに陽明学を深く学び、誰よりも知行合一を体現した吉田松陰先生とその弟子高杉晋作の作品です。
吉田松陰や、一番弟子の久坂玄瑞、そして高杉晋作の生き様はとても感銘を受けますが、一番日本人として押さえるべきは"明治維新"と呼ばれる革命を引き起こしたその背景にある当時の”過激思想”です。
それが陽明学による知行合一を通して昇華された"儒教的武士道"なのです。
こんな一文があります、
成功とか不成功とかは論点ではなく、やるかやらないか。なのです。それが仮に彼らにとって死を招いたとしてもそれが生きるということだったのです。
当時の日本にはこんな価値観と空気感があったようです。
事実、明治維新は"武士による武士の終焉"という結末を生みました。
最後は廃藩置県により、全国の武士は職を失い、まさに成功とか不成功とかは論点でなく自ら切腹した形で武士道を体現することになりました。
フランス革命の引き金がルソーによる人権論という価値観であったなら、明治維新は陽明学による過激儒教が生み出した武士道という価値観だったのかと思います。
Execution
UNIQLOの柳井社長の1番のブレーンとも言われている元ハーバード大学教授のラム・チャランが書いた"Execution"
日本語だと"経営は「実行」"というタイトルです。
※ 柳井社長とラム・チャラン氏との関係はこちらの記事に記載されています
私はこの日本語の「経営は実行」というタイトルが物凄く好きです。言い得て妙、経営の本質をズバリと表現しているなと感じます。
では実行とは何なのか?
実行とは何かをしたり、しなかったりという単純な意味ではなく
実行とは規律(Discipline)であると。
そして今日、自社と競合を差別するのはビジョンでも、戦略でも、サービスでもなく、このExecutionそのものである。とも言っています。
その理由が下記です。
ここもずばり。Execution paces everything. Executionが全てを左右しますと。
また、Executionとは現実を直視し、それに基づいて行動するシステムである。ほとんどの会社は現実を直視していない。それがExecution出来ない基本的な理由であると。
とにかくこの本にはExecutionと同等もしくはそれ以上にDisciplineという言葉が数多く使われています。経営者が競合優位性を生み出す唯一のExecutionそしてDisciplineが学べるおすすめの本です。
THE RIDE OF A LIFETIME
邦訳タイトルは"ディズニーCEOが実践する10の原則"
ウォルト・ディズニー・カンパニー会長兼CEOのロバート・アイガーの半生と経営哲学が綴られた本です。真のリーダーになるための心に刺さる金言が散りばめられた素晴らしいリーダーシップ本でありながら、個人的にはディズニーの知られざるM&A戦記でもあると思っています。
本書を通じて、ディズニーはM&Aを繰り返し事業拡大していることが非常に良くわかり特に彼のCEO任期期間中はSteve JobsのPixar, Marvel Entertainment そしてLucasfilmを次々に買収しています。また当時実はTwitterの買収も進めていたことがわかります。
また、Robert Igerと今は亡きSteve jobsとの信頼関係もこれまた素敵です。
歴史の大局を見渡す
ピューリッツァー賞受賞の歴史学者夫婦2人が贈る、5000年の歴史をおさめた珠玉のエッセイ集。
100ページ程のとても読みやすい本です。
哲学と宗教全史
私の大好きな出口さんが書いた約600ページにも及び哲学と宗教全史。
人工知能やAIが叫ばれる昨今、自らの頭で考えることがより一層重要になってくると筆者は考え、人間の根源的な問いを問う哲学と宗教に関して3000年近く遡り分かりやすい図表と共に説明しています。
走れば脳は強くなる
走ることはなぜいいのか?
このシンプルな問いに対して科学的根拠を元に答えてくれる本です。
「体」に良いのは勿論のこと、走ることは「体」だけでなく「脳」にも良いようで、前頭葉、海馬を鍛え、またセロトニンが放出されることでストレス解消にも役立ちます。
私はコロナを機に2020年6月から毎日走ることを日課にしていますが、効果を理解することで日々のランニングがより一層楽しみになりました。
起業家の勇気 USEN宇野康秀とベンチャーの興亡
スタートアップ経営者やビジネスマンの中でも宇野さんファンは多いのではないでしょうか。
今ではあまりメディアへの露出はありませんが、堀江貴文、藤田晋ら“ヒルズ族の兄貴分”と呼ばれた男、スーパーボス宇野さん。
この本はそんな経営者宇野さんのジェットコースターのような経営者人生が綴られた本です。
個人的なこの本の面白さは、勿論宇野さんの積み重なる挫折と試練の経営者人生もそうですが、父親であり現USEN(当時大阪有線放送社)の創業者宇野元忠さんの存在です。この本は犬猿の仲だった、父と子、経営者と経営者の物語でもあるのです。
皇帝ナポレオン
19世紀世界史は全体的に面白いですが、特にこの時代のフランスはカオス極まりなく格別に面白いです。
フランスはフランス革命から約25年で、
国王ギロチン
↓
やっとの思いで王政廃止
↓
天才ナポレオン登場 共和制
↓
ナポレオンまさかの皇帝に! (あれ独裁政治じゃね?)
↓
からのまさかの王政復古 ルイ18世復位
というたったの25年で輪廻転生してしまうw という
何とも世界史の中でも人間味溢れる25年間だと個人的には思っています。
この人間味溢れるというのが、まさにフランスそしてルソーが求めていた本当の意味での革命だったのかもしれません。
過去のベスト10冊は以下