鬼滅の刃はDRAGON BALL、ONE PIECEになりうるか

今や飛ぶ鳥を落とす勢いの鬼滅の刃。往年のジャンプの名作で育ったきた私は、色々な作品のエッセンスを感じます。
るろうに剣心だったり、ジョジョの奇妙な冒険だったり、BLEACHやNARUTOだったりと人によって想起するタイトルも様々ではないでしょうか。往年のジャンプファンにとっては、こういった部分も魅力の一つだと思います。

往年のジャンプと言えば、現在も連載中で相変わらずの人気を誇るONE PIECE、かたや連載終了後もアニメに、映画に、ゲームにと新作が出続けるDRAGON BALLの2作品は必ず挙がるでしょう。

結論を先に言うとこの2作品はそれぞれ強みが違うし、鬼滅もまた違うというのが、今の私の見解です。
※ちなみに、この記事の執筆時点で鬼滅の刃は19巻まで発売されており、最新のジャンプでは、主人公である竈門炭治郎の旅のきっかけでもある鬼舞辻無惨との最終対決が行われています。

では、解説していきます。

鬼滅の刃の物語やキャラクターたちには週刊少年ジャンプのこれまでのノウハウがぎゅっと詰め込まれていることはおそらく間違いないでしょう。
(その上で今の時代にマッチするようにストーリー展開が早く調整されています)

では、アニメ化や映画化としてのIP(知的財産)展開はどうでしょうか?
まず、人気爆発の起爆剤となったアニメは2クール(26話)で一度終了しています。アニメとしての高いクオリティーを担保するという目的も当然あると思いますが、こうすることで原作通りにストーリーが展開させることが出来る点が大きいでしょう。

週刊誌での原作連載中にアニメが始まると、どうしてもアニメのほうがストーリーが進むペースが早いのですぐに追いついてしまいます。
そうすると、アニメオリジナルのストーリーが挟まったり、妙な引き伸ばしが発生します。DRAGON BALLやONE PIECEはアニメ開始以降ずっと休みになるタイミングがなかったので、ずっとこのような手法でなんとか連載に追いつかないように工夫がされていました。

しかし、理想は原作通りに進むこと。では、連載が終了してから、アニメをスタートすればいいかと言えば、そうでもありません。やはり連載で人気がある内にアニメ化した方が双方にメリットも大きいのです。

では、なぜ鬼滅の刃ではこの思い切った挑戦が出来たのでしょうか。
おそらくそれは、動画サービスの普及が大きな要因だと思われます。通常テレビの場合、放送が終了した瞬間に一気に終わった感じが出てしまい、過去の作品と言った印象になりますが、動画サービスの場合、人によって見るタイミンが異なるので、終わった感はかなり緩やかです。

DRAGON BALLとONE PIECEにもそれぞれ特徴があります。

DRAGON BALLはアニメや映画のオリジナルキャラクターでも人気があるという点。これはかなりDRAGON BALLの特徴であり、強みです。ONE PIECEは原作の尾田先生が監修したもの以外はファンに公式と受け入れられづらいのです。

鳥山先生の場合、世界観を踏襲すれば新たな設定やキャラクターが作れる一方で、尾田先生は脳内にONE PIECEの世界が出来上がっている(集英社の編集の方がそうおっしゃってました)ので、第三者が簡単に入り込むことが難しいのです。

ちなみにこれはどちらの方が優れたモデルという話ではありません。事実、それぞれの特徴を生かして「ドラゴンボール超 ブロリー」も「ONE PIECE STAMPEDE」どちらも大ヒットしています。

さて今年は「鬼滅の刃」無限列車編が公開されます。ストーリーは原作に沿った内容でアニメの最終話の続きです。上記の理論で原作通りの物語が楽しめます。
もちろん私も鬼滅ファンなので心待ちにしているのですが、やはりDRAGON BALLで育った世代としては、映画はオリジナルストーリーを観たいなという思いもあります…笑

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