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いつかどこかで見た映画 まとめ

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劇場公開時に見た映画について、そのときどきに書きつづった映画評というよりも「映画をめぐる雑念」集。段落ごとに1行空けるというネットマナー(?)があまり好きではないので、ダラダラと… もっと読む
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2020年5月の記事一覧

いつかどこかで見た映画 その57 『パーマネント野ばら』(2010年・日本)

いつかどこかで見た映画 その57 『パーマネント野ばら』(2010年・日本)

監督:吉田大八 脚本:奥寺佐渡子 原作:西原理恵子 出演:菅野美穂、小池栄子、池脇千鶴、本田博太郎、加藤虎ノ介、山本浩司、ムロツヨシ、霧島れいか、汐見ゆかり、町野あかり、ミヤ蝶美、嶺はるか、岡部幸子、路井恵美子、宇崎竜童、夏木マリ、江口洋介

 最近でこそあまり騒がれなくなったものの、世の良識ある(?)方々から何かと目の敵にされる、インターネットの某巨大掲示板サイトは、数々の流行語やら“新造語”の

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いつかどこかで見た映画 その58 『THE GUILTY/ギルティ』(2018年・デンマーク)

いつかどこかで見た映画 その58 『THE GUILTY/ギルティ』(2018年・デンマーク)

“Den Skyldige”
監督:グスタフ・モーラー 脚本:グスタフ・モーラー、エミール・ナイガード・アルベルトセン 出演:ヤコブ・セーダーグレン、イェシカ・ディナウエ、ヨハン・オルセン、オマール・シャガウィー、ジェイコブ・ウルリク・ローマン、ローラ・ブロ

 映画のことを、かつて日本で「活動写真」と呼んでいたのは周知の通り。昭和のはじめ頃まで、人々は映画を見に行くことを「カツドウを見に行く」と

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いつかどこかで見た映画 その59 『ありがとう、トニ・エルドマン』(2016年・ドイツ)

いつかどこかで見た映画 その59 『ありがとう、トニ・エルドマン』(2016年・ドイツ)

“Toni Erdmann”
監督・脚本:マーレン・アデ 撮影:パトリック・オルト 出演:ペーター・ジモニシェック、ザンドラ・ヒュラー、ミヒャエル・ヴィッテンボルン、トーマス・ロイブル、トリスタン・ピュッター、ハーデウィック・ミニス、ルーシー・ラッセル、イングリッド・ビス、ヴラド・イヴァノフ、ヴィクトリア・コチアシュ

 「カイエ・デュ・シネマ」と「サイト&サウンド」といえば、もはや映画通なら知ら

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いつかどこかで見た映画 その60 『泥棒役者』(2017年・日本)

いつかどこかで見た映画 その60 『泥棒役者』(2017年・日本)

監督・脚本:西田征史 撮影:相馬大輔 出演:丸山隆平、市村正親、石橋杏奈、宮川大輔、片桐仁、高畑充希、峯村リエ、ユースケ・サンタマリア

 コメディ映画のひとつの定石というか“黄金律[セオリー]”とも言うべきものに、ウソつきは泥棒ならぬ「喜劇のはじまり」というものがある(……とは、今ぼくが思いついた「ウソ」です)。ひとつのウソがきっかけとなって、事態が思わぬ方向へと進んでいく。あるいはウソがウソを

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いつかどこかで見た映画 その61 『花と雨』(2019年・日本)

いつかどこかで見た映画 その61 『花と雨』(2019年・日本)

監督・脚本:土屋貴史 脚本:堀江貴大 出演:笠松将、大西礼芳、岡本智礼、中村織央、光根恭平、花沢将人、サンディー海、木村圭作、紗羅マリー、西原誠吾、飯田基祐、つみきみほ、松尾貴史、高岡蒼佑、MAX

 この「ポリティカル・コレクトネス(政治的的な正しさ)」にうるさいご時世にあって、もはや「処女作」という表現もあまり目や耳にすることがなくなったようだ。どのジャンルであれ、昨今では「デビュー作」や「第

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いつかどこかで見た映画 その62 『記者たち 衝撃と畏怖の真実』(2017年・アメリカ)

いつかどこかで見た映画 その62 『記者たち 衝撃と畏怖の真実』(2017年・アメリカ)

“Shock and Awe”

監督:ロブ・ライナー 脚本:ジョーイ・ハートストーン 出演:ウディ・ハレルソン、ジェームズ・マースデン、ジェシカ・ビール、ミラ・ジョヴォヴィッチ、ロブ・ライナー、トミー・リー・ジョーンズ、リチャード・シフ、アル・サピエンザ、テリ・ウィブル、ステファニー・オノレ、エイバ・サンタナ、ウェイン・パー、スティーヴ・クルター、アンソニー・レイノルズ、テレンス・ローズモア、デ

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いつかどこかで見た映画 その63 『僕たちのラストステージ』(2018年・アメリカ=イギリス=カナダ)

いつかどこかで見た映画 その63 『僕たちのラストステージ』(2018年・アメリカ=イギリス=カナダ)

“Stan & Ollie”
監督:ジョン・S・ベアード 脚本:ジェフ・ポープ 出演:スティーヴ・クーガン、ジョン・C・ライリー、ニナ・アリアンダ、シャーリー・ヘンダーソン、ステファニー・ハイアン、ルーファス・ジョーンズ、スージ・ケイン、ダニー・ヒューストン

 ローレル&ハーディと聞いて、いったいどれだけの人がその名をご存知なんだろう。彼らがチャップリンやキートンたちと並び称される人気を誇ってい

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いつかどこかで見た映画 その64 『The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』(2017年・アメリカ)

いつかどこかで見た映画 その64 『The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』(2017年・アメリカ)

“The Beguiled”
監督・脚本:ソフィア・コッポラ 撮影:フィリップ・ル・スール 出演:ニコール・キッドマン、キルスティン・ダンスト、エル・ファニング、コリン・ファレル、アンガーリー・ライス、オオーナ・ローレンス、エマ・ハワード、アディスン・リエッケ

 南北戦争といえば、周知のとおり19世紀アメリカ合“州”国(と、書く方がここではふさわしいだろう)を文字どおり二分した「内戦[シビルウ

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いつかどこかで見た映画 その65  『夏をゆく人々』(2014年・イタリア=スイス=ドイツ)

いつかどこかで見た映画 その65 『夏をゆく人々』(2014年・イタリア=スイス=ドイツ)

“Le Meraviglie”
監督・脚本:アリーチェ・ロルヴァケル 撮影:エレーヌ・ルバル 出演:マリア・アレクサンドラ・ルング、サム・ラウウィック、アルバ・ロルヴァケル、ザビーネ・ティモテオ、マルガレーテ・ティーゼル、アンドレ・ヘンニック、モニカ・ベルッチ

 そういえば、最近「オマージュ」という語があまり使われなくなったように思うのは、単なる気のせいだろうか? ひと頃は映画の評論なんかで、そ

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いつかどこかで見た映画 その66 
            『レジェンド・狂気の美学』(2015年・イギリス)

いつかどこかで見た映画 その66 『レジェンド・狂気の美学』(2015年・イギリス)

“Legend”
監督・脚本:ブライアン・ヘルゲランド 撮影:ディック・ポープ 出演:トム・ハーディ、エミリー・ブラウニング、クリストファー・エクルストン、デヴィッド・シューリス、ポール・アンダーソン、タラ・フィッツジェラルド、チャズ・パルミンテリ、タロン・エガートン

 ……それにしても「ブライアン・ヘルゲランド」という名の御仁と、その監督作品を相手にするのは難しい。今回の『レジェンド 狂気の美

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