撮影マナーを守るのは自分のためという考え方をしてみよう
こんにちは。山写です。
登山と写真で仕事をしている人。の中の人です。
最近はSNSで写真のマナーに関することがよく話題に上がります。
先月北海道で旅行している時にも沢山のマナー違反の形跡を発見しました。柵を超えて写真を撮る人、野生動物に餌をやり写真を撮る人…。
基本的には迷惑をかけてはいけないということに尽きるのですが、性善説を信用していない私としては「バレなければやってもいい」と考える人は減らないと思っています。
残念なことに「みんなに迷惑がかかるんだよ」という言葉は抑止力になっていません。
そこで写真撮影でマナーを守らないと自分にどのようなことが降り掛かってくるのかという視点でお話してみようと思います。
こうなりたくないならマナーは守ろうというお話です。
SNSで晒される
まず誰でも思いつくことがTwitterやFacebookなどのSNSで悪事が拡散されてしまうことですね。
あまり良いことだとは思いませんが「悪いことをしている人は全力で叩いてもいいという」風潮があります。「いけないんだー!先生に言ってやろー!」というやつです。
撮影マナーが悪い人を撮影して晒される分には本人特定されることは稀でしょうが、SNSでアップした写真が立ち入り禁止の場所から撮ったものであった場合、その本人はどんどん追い詰められていきます。
そこからアカウント削除に繋がってしまった人も沢山いますよね。
立ち入り禁止の場所から撮影した写真は必ずバレる
風景写真ならちょっと立入禁止の場所に入ってもバレいだろうと軽い気持ちでマナー違反してしまう人もいると思います。そういった写真は必ずバレます。
私も長野県の観光地に住んでいて地元の風景を撮ることも多いので、立ち入り禁止の場所から撮影したものはすぐに分かります。なぜなら私もホントはそこから撮りたいから。
マナーを守らなければいけないという自制心が強い人ほど、「ここから撮ればすごい写真が撮れるのに」と思っているものです。よってすぐバレます。
私が知っている限りでもSNSで有名な方で立ち入り禁止の場所から撮影したとわかるものをアップしています。私に悪意があればその人を晒し上げることもできるわけです。
そしてこれは時限爆弾のようなもので、いつ誰に晒されるかわからないことも意味します。
プロとアマチュアではマナーに対する考え方が違う
写真を撮ることで生計を立てている私達のような立場はマナーを遵守しなければ職を失います。
例えば写真を納品してそれが雑誌などに掲載されたりします。それが立入禁止の場所に入り込んで撮影したものだと発覚した瞬間にその写真の価値は0になるどころかマイナスになり損害賠償に発展します。
さらに今まで撮影した写真すべてが疑われます。発注側はそんなカメラマンに仕事を発注するのはリスクが高すぎるため二度と撮影依頼することはありません。
そこでプロカメラマンとしてのキャリアは終わります。
そんなリスクを犯してまで撮影するのは割に合わないのでプロの立場の人は強い自制心が働きます。
対して趣味の方は楽しく撮ることが最優先になりますので、軽い気持ちでやってはいけないことをしてしまうのではないかと思います。
風景写真の立入禁止の場所から撮影したものはわかりやすので合成したり、動物を餌付けしたり、駐車禁止の場所に車を置いたり、周辺の住民に迷惑をかけるような撮影手法だったりは、上手くやればバレずにすむかもしれません。
このアマチュアの人がちょっとズルをして実績を積み上げていくのが最近のマナー違反で大炎上する1つの要因ないのかと思っています。
プロとアマチュアの間で揺れ動く人はマナー違反を犯しやすい
最近はSNSで有名になった人がピックアップされて写真のお仕事をする流れがあります。1つのサクセスストーリーですね。
素晴らしい写真ですね!ぜひ一緒にお仕事をしましょうと言われて嫌な気分になる人はいないと思います。
この流れ自体は好ましいことだと思っていて、若い人がチャンスを手にするいい機会です。けれども急に身の丈に合わない大きい仕事をすると色々と歪みが出てきます。
これはどちらかというと業界のお作法も問題かもしれません。本来ならば取り上げた組織や企業がはじめての写真の仕事としてマネジメントしてあげるべきなのですがそういったことはないと見聞きします。
そこでどのような問題が発生するかというと、大きく分けて2パターン。
・知らずにやってはいけないことをしてしまう
・追い詰められてやってはいけないことをしてしまう
身についた習慣は無意識にやってしまうもので、自分がお賃金をもらったり、何かのプロモーションに携わるプロの領域で仕事をしていることを忘れてクライアントの不利益につながることをしてしまうことがあります。
今まではそれがバレることもなくSNSのコミュニティの中では肯定されていた考えや価値観が、大きい発信力で多くの人にリーチすることで否定されることもあります。
合成や過度なレタッチなどが典型例で写真としては何も問題なくてもユーザーに誤解を与えてしまうものなど、撮影時のマナーだけではなくその写真自体のモラルも問われます。
結果クライアントの不利益につながるならBtoBではマナー違反に属します。そのマネジメントの脇が甘いなと思うことがよくあります。
そしてもう1つがカメラマンが追い詰められて悪事に手を染めてしまうパターン。
ズルっこしてビジュアルがキレイな写真を撮り実績を積み始めると、自身のストックの中から写真を提供することはできますが、撮り下ろしの撮影案件で大苦戦します。
本人もやってはいけないこと、リスクが高いことだと知りながらもプロとして扱われる期待値の高さやプレッシャーに負けていつものズルをしないといけなくなります。
1度嘘をつくとそれを守るために嘘をつき続けなければならないのと同じですね。
1回のマナー違反ですべてを失う
写真撮影において承認欲求は避けて通れません。
もっといい写真を撮りたい、たくさんの人に見て欲しい、もっと認められたい。そういった気持ちが成長に繋がります。
けれどもそんな気持ちが大きくなりすぎて自分の撮影技術ではないところで頑張り始めると写真がどんどん歪な形になっていきます。
写真はビジュアル面が重視され「写真で語れ」という言葉をよく見聞きしますが、それは信用があることが大前提の話なのです。
どれだけ素晴らしい写真であっても、それが世に認められていない撮影手法で撮られたものであるなら価値はなくなります。
それがバレるまではみんながすごいすごいと褒めてくれるものでも、手のひらを返されて過去の写真すべてにチェックを入れられるかもしれません。
すべてが疑惑の目で見られ、ちゃんと撮影した写真ですら価値がなくなってしまいます。
当然写真撮影の仕事を受けることは難しくなります。企業からすればそんなリスクの高いことはできませんし、その人を採用した時点で企業モラルも問われます。
そのきっかけになるのが旅行先で軽い気持ちで立ち入り禁止の場所から撮影した1枚の写真かもしれません。
そしてその可能性は写真活動を頑張り露出が増えれば増えるほど高まっていきます。
もうどこにその時限爆弾が設置されているのかもわからなくなっている人もいるかもしれません。そうなってしまったらもう取り返しがつきません。
「ちょっとくらいなら大丈夫だろう」そんなことが頭をよぎったら、こんな未来が待っているよということを考えてみて下さい。
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