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トレイルランニングとウェルネス⑤
初めましての方もそうでない方もこんにちは。
やま施術院代表の山本と申します。
トレイルランニングとウェルネスとの関係を書き始めたnoteも5回目。
今回は本業でもある「筋肉」をメインに書いていきます。これまでに判明している解剖生理学ベースの内容なので僕のオリジナルの考えではなく、事実をまとめたようなものです。
腸腰筋の解剖学
カラダには多くの筋肉があり、それぞれもちろん重要なわけですから存在しています。その中でも最重要と言われるのが「腸腰筋(ちょうようきん)」
![画像1](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/31586124/picture_pc_3337220e842de8dff6ec6dee4d933f9b.jpg?width=800)
腸腰筋=大腰筋(だいようきん)+腸骨筋(ちょうこつきん)
上半身と下半身を繋ぐように存在している筋肉です。
「大腰筋を鍛えて痩せる!」
「腸腰筋で走力アップ!」
など鍛えることでポジティブな影響を与えるイメージがありますね。
まさにその通りなので鍛えれば良いのですが、その鍛え方が色々とあります。
構造上、お腹側から見ると腹筋→腸や血管、腎臓などがありその後方に位置していますね。
![画像2](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/31586573/picture_pc_2aa7e2339bb199e821826c4a6ba342dd.png?width=800)
![画像3](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/31586579/picture_pc_9488f60a0716b32990cb554b0e5c9592.jpg?width=800)
背骨(脊柱)に付着している筋肉なので身体の深部にあります。
普通に考えてこの筋肉を意識して動かすことはできません。
「腸腰筋を意識して!」とスポーツトレーナーさんの掛け声がありますが、あれはあくまでイメージ。本来は下記に述べる運動をすることで腸腰筋が動員されて自然と伸び縮みする、方が適切です。
意識も大切ですが、それと同様に正しく収縮させる運動内容を選ぶことが大切。
意識して動かす=△
動かした結果自然の伸び縮みする=◯
解剖生理学的に正しい刺激を入れる
よく、〇〇エクササイズで腸腰筋を刺激!みたいな動画が上がっていますが、実際刺激が入っているかどうかは疑問です。股関節屈曲にフォーカスしたものが多いですが、股関節屈曲に関わる筋は他にも強力な筋群が存在しているのでその筋群も含めて刺激が入っていると考えられます。
例えば、股関節屈曲動作のトレーニングで全身に〈100〉の刺激が入るトレーニングをします。その内、本当に腸腰筋への刺激(筋肉の収縮や筋出力など)として変換されているのが〈10〉ということもあります。腸腰筋のトレーニングには間違いないけど効果は怪しいですね。
腸腰筋単体に刺激を入れるエクササイズはない
筋肉や筋膜の性質や解剖学的位置(長くなるので割愛)=解剖生理学から考えていくと以下を満たしたトレーニング・運動が腸腰筋含め大きな筋群を刺激するのに効果的だと言えます。
腸腰筋を刺激する運動
⑴筋肉の収縮が大きくなるよう起始停止の伸長・短縮が行われる
⑵腸腰筋による筋出力が動員されるよう大きな負荷がかかる
⑶筋膜の伸長性獲得のためにリズミカルな動きである
⑷横隔膜の動きが伴う
と、書いてみましたがよくわからないですよね。なので頑張って説明してみます。
⑴はどこの筋肉も言えることですが、骨格筋には『起始と停止』という骨にくっついている部分があります。その付着している部分が離れれば筋肉は伸ばされますし、近づけば緩みます。
![画像5](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/31588035/picture_pc_1501ca1c8804a75bfe149ac0a2403921.jpg)
力こぶの筋肉(上腕二頭筋)でイメージしてもらうとわかりやすいかと思います。
手にダンベルなどを持つと起始停止が近づきますが筋肉は緩むのではなく「収縮」しながらヒジが曲がりますね。この起始停止の距離が近くなる・離れるの繰り返し+適度な負荷が筋肉の成長に必要です。これはどこの筋肉も同じです。
⑵のように腸腰筋など大きな筋群を動員するにはそれ相応の負荷が必要です。
ちょっとした負荷なら小さな筋肉で事足りてしまうからです。人間含め動物は基本的にエネルギー消費を抑えようとする生き物です。(自然では消費を抑えた方が生き延びる率が高くなるため)
しかし、大きな負荷をかけないと腸腰筋は動いてくれない。そんなもどかしい仕組みを抱えているんです、私たち人間は。
⑶に関してですが、全身を包む筋膜の伸長性や機能向上には『リズム運動』が効果的だと言われています。リズム、といってもダンスのようなものではなく、繰り返し行われる筋肉の伸び縮みのことです。
⑷ですが、結構重要です。直接お会いする方にはよくお話ししますが、腸腰筋のうちの一つ、大腰筋と横隔膜は接合しています。
![画像4](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/31587639/picture_pc_7b8e381ef3fa84df2b80c54be363c3d6.jpg)
![画像6](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/31588916/picture_pc_63fc72ac1e7720bc1b1ae6f3edb2243c.jpg?width=800)
大腰筋の最上部と横隔膜の中心付近とは筋膜で付着しています。
ということは横隔膜が動けば大腰筋も動く、と考えられます。(だって筋膜でくっついているから)横隔膜はご存知のように呼吸に関連する筋肉。肺の膨らみに関係しますね。なので呼吸をしっかりと行うことが大腰筋の収縮に繋がると言えます。
呼吸を正しく行うこと=大腰筋の運動
⑴〜⑷を簡単にまとめると
腸腰筋を使うためには・・・
負荷がそこそこある。身体を大きくリズミカルに動かして、適度に息が上がる運動
が求められます。
結論、とりあえず山に行け
あーだこーだ書いてみましたが、結局トレイルランニングをすれば良い、といういつもの結論に落ち着きます。
舗装路のランニングと比べて負荷が圧倒的に高いのもそうですが、同一動作の繰り返しに近いものの路面状況により適度に身体運動の変化があるので局所的な負荷が減るといった継続しやすい要素があります。
また、今回の話とは別ですが精神的にリフレッシュ(以前の投稿に書いています。)するなどメリットが多いためトレイルランニングの方が健康に寄与する度合いが大きいと感じます。
今回は解剖生理学的な面からトレイルランニングは健康に良いよ、というお話をさせていただきました。
しかし、アウトドアのフィールドに入ることは危険も伴うのも事実。
しっかりとしたご準備の上各々の自己責任のもとお楽しみください。
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やま施術院 山本将也
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