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事業計画と決算の両軸で経営の改善を図る

そもそも決算とは何なのか

▼決算書とは...?
  決算書を見ることで、会社の経営状況を把握することができます。皆さんが日々働かれるなかで、会社にとって大切なのことは何でしょうか。「利益に貢献しているか」が1つの指標であるかもしれません。しかしそれだけでは不十分で、どんなに優秀な営業マンでも健康状態や金銭面等、プライベートでも問題がなく良好な状態でなければ会社として長期で雇用をしてくのは難しいでしょう。
  会社の決算も同様です。貸借対照表(B/S)で健康状態を把握し、損益計算書(P/L)で1年間の成績を把握することができます。
 ▼決算の目的
  決算を行う目的は2つです。1つは株主や社会に対する説明責任を果たすこと、もう1つが会社の戦略を立案するための指標であることです。
 ▼決算により見えてくるもの
  上記の目的を達成するために決算を行うのですが、そこからわかることは「なにが悪くてなにがよかったのか」といった過去のことに加え、これから何を行っていかなければならないのかといった未来のことが含まれています。
  つまり、ただ過去のデータを見つめるのではなく、「経営の実態を正しく表し、事前事後の段階でスピーディーに分析し、問題提起を行い改善にむけて働きかけていく」管理会計的な要素が非常に重要になってきます。
 ▼決算だけでは足りない!?
  前述した「なにが悪くてなにがよいか、これから何を行うか」といったことは目標や基準がなければなにを行えばよいのかわかりません。そこで基準となってくるのが「事業計画」です。

事業別運営の重要性

 ▼B/SとP/Lに責任を持つ
  私は「社内売上制度」を敷いている企業での勤務経験があります。通常決算として外部に公表する決算は1つです。社内取引により発生した事業部別ごとの売上等は相殺され、連結企業体として1つの決算を公表します。しかしそれではどこの事業部が好調で、どこが不採算なのかを判別することが難しく、不採算事業に従事している当の本人たちもその意識が希薄になってしまいます。この問題点を改善するために、各事業部で事業計画の策定並びにB/S、P/Lを個別で作成することで、「自分たちの事業に責任を持つ」事業部別運営が確立されています。

 ▼事業別での事業計画を策定するメリット
  例えば、「販売部門」「製造部門」「企画部門」「資材部門」で事業計画を策定するとします。その場合には、販売部門は販売計画を策定し、製造部門は生産能力を吟味し増産投資などの計画を策定します。企画部門であれば、新製品・ポートフォリオ・転地等の戦略策定が必要になるでしょうし、資材部門は購入部材の単価や物流の流れ等を策定する必要があります。
  そしてこれらの計画をもとに経理部門が財務諸表の作成並びに各部門との整合性の確認を行います。
  このサイクルを何回もこなしていくことで、各部門の社員1人ずつが経営意識をもって仕事を行うことができるようになるというのが最大のメリットかもしれません。


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