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読書家ラグビー選手が2021年の抱負にしたい一冊に出会った

みなさま

あけましておめでとうございます。
読書家ラガーマンこと山田です。
今年もよろしくお願いします。

2021年も徒然なるままに、自分に嘘をつかずに、自分の書きたいことを、自分の言葉でnoteしていきたいと思います。

ということで、今回は新年っぽいことを書いてみます。

2020年の暮れに、2021年の抱負にしたいと思える一冊に出会いました。
その本が「99%が後悔でも」(JBpress)です。

折茂

著者は、先日、コロナ禍により中止となったBリーグ2019-2020シーズンをもって現役を引退された日本バスケ界のレジェンド、レバンガ北海道の折茂武彦さん(50)で、折茂さんの49歳までの現役生活や、2011年からの選手兼代表取締役生活など異色すぎるキャリアについて著した自伝的、人生論的一冊となっています。

折茂さんのレジェンドぶりは、書いていたらキリがないので割愛しますが本書のプロフィール用にサラッと書かれた以下の文章だけでも、とんでもないキャリアだということがわかりますね。笑

1970 年5 月14 日生まれ。埼玉県出身。B リーグ1 部(B1)に属する、レバンガ北海道代表取締役社長。2019-20 シーズンまで27 年間、選手としても活躍。ポジションはシューティングガード。1993年にトヨタ自動車(現アルバルク東京)でキャリアをスタートさせ、リーグ、天皇杯合わせて4 度の日本一に貢献。2007 年にレラカムイ北海道へ移籍、その後、経営難によりチームが消滅すると、2011 年にレバンガ北海道を創設し、選手兼社長を務める。帰化選手を除く日本人初となる通算10000得点を記録したほか、1994 年に初出場した日本代表においても、2009 年までの長きにわたり中心選手として活躍。Bリーグの理事なども歴任した。190 センチ77キロ。

響いた言葉

”必要とするより、されろ”
自分のキャリアのために〜、自分のパフォーマンスのために〜、プロのアスリートとしてすごく大事なことだと思います。
自分に主眼を置いて環境を選択すること、プロのアスリートとして納得できる考え方です。

でも、折茂さんは「必要とされた」からこそ49歳まで現役を続けられた、と述べています。

2007年に移籍してきた北海道のチームで2011年からは球団代表を務め、一時は私財を投じてまでチームのために動いたのは「必要とされた」からなのだそうです。

きっと初めからそうだったのではなく、チームのため、サポーターのため、北海道のため、そうあり続けようとしたからこそ「必要とされた」のだと思います。

僕も、チームのために、釜石のために何ができるか、ということばかり考えていてはダメだと思いました。
今年は、いかにしてチームに必要とされる選手に、地域に必要とされる人間になるか、という視点も大事にしたいと思います。

”「情熱』と「覚悟」”
49歳まで現役を続けた折茂さんですが、現役を続けようと思って現役生活を送っていたことはなかったそうです。
そこにあったのは情熱です。

バスケットボールに対して「好き」とか「楽しむ」とかいう次元では捉えておらず、ただ「負けたくない」ものであり、「自分にはこれしかない」という情熱が常にあったそうです。

球団経営に関しても、どんな窮地に陥っても、続けるか辞めるかなんて考える必要がなく、「このチームを残す」という情熱があって、ただそれだけでやってこられたそうです。
折茂さんは、今を動かすのが情熱だとすれば、未来に向かうエネルギーが覚悟だと述べているのだと思いました。

「やる、やらない」は覚悟
「続ける、続けない」は情熱

覚悟して決断したことに対して、情熱が燃やし続けられる限りは続くものだ、と。

そういえばNEC時代のある時、まだまだ現役でやれるはずの先輩が引退を決めたことがありました。
次のキャリアを考えて転職のことを考えてしまった、そのような選手はチームにいるべきじゃない、とのことでした。
結局そのタイミングでは転職をされないとのことだったので、当時の僕は「それならとりあえずまだ現役を続ければいいのに」と思ったことを覚えています。
今ならその先輩の気持ちがわかります。

ラグビー選手として若いとは言えない歳になった僕は、引退後のキャリアを考えることもあります。
でも正直まだ、引退後の自分にピントが合わせられません。

本書を読んで、選手としてはそれでいい、と思いました。

家族もいる身なので、行き当たりばったりではダメですが、今ある情熱を燃やし続けることは絶対に忘れちゃいけないな、と思いました。

情熱は、以前あったからといって当たり前にあり続けるものではないです。

NECを辞めて釜石に来る時に覚悟したことを思い返しました。

ラグビー選手が現役中から色々なことに取り組み、デュアルキャリアを形成するのが当たり前のようになってきた昨今ですが、今年は今一度、ラグビーへの情熱を燃やすことにフォーカスしたいと思います。

おわりに

日本バスケ界のレジェンドの本に、僕ごときが納得!とか共感!とかおこがましさに堪えないのですが、本書はすごく感情移入して読んでしまいました。

読みながら色々なことが脳裏に浮かびました。釜石に来て感じた違和とか、サポーターの熱さとか、秩父宮でトップリーグのチームに勝った時に涙を流しながら「釜石に来てくれてありがとう」って言ってくれたおじさんとか。

2021年の抱負という形にまとめようとすると、初心に返ろう的ニュアンスの月並みな感じになってしまいますが【大事にすべきことを大事にする】これでいきます。

それでは。

P.S.
コロナの影響で一旦は白紙になってしまっていた折茂さんの引退試合が6月に開催されることが決まったみたいです。
レジェンドへのリスペクトって素敵ですね。



<山田 龍之介 やまだ りゅうのすけ>
1991.10.12生 釜石シーウェイブスに所属するラグビー選手
東京都立大泉高校でラグビーをはじめる
その後立教大学、NECグリーンロケッツでプレー
2019年釜石シーウェイブスに入団
2020年4月からはプロ選手としてチームに所属
北海道・釧路町出身 岩手県・釜石市在住

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