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SE/ITコンサルにとって最もコスパのよい資格は基本情報技術者試験、という話

資格試験と言えば

IT業界の資格試験と言えば、最もメジャーなのはIPAの情報処理技術者試験だろう。入社して最初に取り組んだのがITパスポート、基本情報技術者という人も多いのではないだろうか。
一方で、IPAの試験は「現場で直接役に立たない」「資格手当目当て」なんていうイメージを持っている人も多いと思う。
直接製品の知識がつく、OracleやCiscoの資格の方がコスパがいいんじゃないかと、そんな風に思う人もいると思う。

そもそも資格のコスパとは

「いや、資格にコスパ求めるのはおかしいんじゃない?」という意見もあるだろう。ていうか、資格のコスパって何?って感じだろうとも思う。
一応ここでは「得られる様々な効果が相対的に大きい」のがコスパの良い資格としてみる。
恐らく世間一般的に資格に求める効果とは大体以下のパターンのどれかだろうと思う。

1.就職・転職、プロジェクトアサインの面談などで有利
2.資格手当・資格取得祝金目当て
3.得た知識が直接業務で役に立つ
4.純粋な自己啓発

まあどれも悪くないと思うし、上記の複数を狙ってというケースもあるだろう。
さて、この中で最終的に得られる効果が大きいのはどれだろうかと考えたときに、

3.得た知識が直接業務で役に立つ

が一番だと思っている。これは長期的にじわじわ効果が継続し、結果的に最も大きい「財産」が得られるといった意味合いだ。
そしてベーシックなものであればあるほど、正しい理解が財産になってくると思うのである。
つまりおすすめしたいのは「基本情報技術者」である。(ここでようやくタイトルにたどり着いた)

基本情報にはシステム屋として大切なことが詰まっている

SE/ITコンサルの仕事は幅広い。業務アプリケーションの要件定義をすることもあれば、仕様書に基づいてコーディングすることもある。
サーバ構築もあれば、サイバーセキュリティ対策を考えることもあるだろう。
もちろんその中のどれかに特化していく人もいるのだが、情報システムである以上は様々なレイヤーが連携しあってできているはずで、お互い無縁ではいられない。

そこで大事になってくる概念の1つは、OSI基本参照モデルだったりする。
例えばWebアプリケーションからあるURLにリクエストを投げるが想定通りに返ってこない場合、それはIPレベルで疎通できていないネットワーク層の問題なのか、TCP/IPレベルは疎通しているがリクエスト内容が不正というアプリケーション層の問題なのかは切り分けて考える必要があるだろう。手順としては下位のレイヤーから徐々につぶしていく。この仕組みが分かってないSEがいつまでも自分で問題解決できないということはよくある。

サイバーセキュリティであっても、ファイヤーウォールはTCP/IP(L3,L4)、WAFはアプリケーション層(L7)でそれぞれ不正なアクセスから防御する仕組みだが、これらの違いを理解するのはやはりOSI基本参照モデルがベースとなるだろう。

1回勉強しておくと実際に出会ったときに脳内ピースがはまる

上述したOSI基本参照モデルは一例だが、こういった情報システムの超基本の理論は、最初はピンとこなくても実際のシステムを構築したり運用したりする際に「あ、これは基本情報でやったアレのことか」という風に気づくことがある。
これの繰り返しで脳内でパズルのピースがはまるように、情報システムの地図が完成していく。こうして「システム屋脳」が出来上がっていくのである。
こうなってくるとしめたもので、クライアントのエンドユーザからの質問・相談に即答、またはすぐに分からなくてもいくつかの仮説を提示するといったことが可能になってくる。
「プロっぽい」ふるまいができてるなあという実感も沸いてくる。
そんな風になんとかプロとしてやっていられるのも、新卒入社時に取った「基本情報技術者」の知識がベースになっていることが大きかったんだなと20年経った今振り返って思うわけである。

終わりに

もちろん知識だけではなくて、数々の現場で実戦経験を積んだからこそ血肉になったという事実は否定できないが、その話はまたいずれ。

また最近

3.得た知識が直接業務で役に立つ

このパターンで取得した「Salesforce認定アドミニストレーター」についても別途書いてみたいと思う。

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