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嫌われて感謝されるのがマネージャー。耳の痛いフィードバックで職場を立て直す技術
こんにちは、しまね地酒マイスターの山﨑です。皆さんGW最終日いかがお過ごしでしょうか。明日から働きたくない気持ちでいっぱいでしょうか。あと30日はGWが続いてほしいものですね。
GWに入る前、本でも読んで過ごそうかと考えていたとき尊敬するコーチであるみやもっちゃん(@hiroki_miyamoto)のこんなツイートが目に入りました。
部下との関わりを学びたい人は
— 宮本 大輝 Hiroki Miyamoto (@hiroki_miyamoto) April 19, 2021
コーチングの前に
フィードバックを学ぶといいと思う
中原先生の
フィードバック入門とかおすすめ
なぜなら、は
部下育成の目的と
上司という立ち位置の強み弱み
を考えてみてほしい
フィードバックから学ぶことが
私は自然やと思う#傾聴力は基礎やけど
ほーん、フィードバックね。コーチングでもフィードバックは重要よね。読んでみるか。ということで楽天ブックスでポチって感想をポチポチとTwitterでつぶやいていたので、つぶやきをまとめつつその補足とアウトプットのために感想をまとめていきます。めっちゃ参考になったし、管理職の方は読んでおいて損はない内容の本だと思います。
フィードバックが重要なのはなんとなくわかるけどフィードバックってなんなん?という方のために、ここで言うフィードバックの定義は著者の中原淳さんの言葉を引用すると「耳の痛いことを部下にしっかり伝えて、彼らの成長を立て直すこと」のことです。
そもそもマネジメントできる人は少ない?
本書の中に、純粋にマネジメントに徹する人は2.7%しかいない、という調査結果が掲載されていました。現代のマネージャーはプレイヤーとしての活躍も求められるので、部下に向き合う時間はなかなか取れないですねぇ。
昔は長期雇用、年功序列、タイトな職場関係のおかげで勝手に人が育ったがそれらが崩れ始め仕事を教わる経験=マネジメント経験がないまま管理職になる。そんで今は管理だけでなくプレーヤーとしての側面も求められる。純粋にマネジメントに徹する人は2.7%という調査も。故に部下に向き合う時間がない。
— 山﨑浩司@島根大好きコーチングおじさん (@Reijirou0103) May 1, 2021
また、部下が育たないのはマネージャーの能力のせいではなく「みんなの問題」と説いています。2000年代に颯爽と現れた「コーチング」を基にした管理職研修では「教えてはいけない、相手に気づかせるべきだ」、「部下の自発性に任せるべきだ」、という傾向があったようです。そんなこんなで教えない上司が増えていったんだとか。
2000年代後半から管理職研修に導入されたのがコーチング。部下育成手法としてコーチングは効果があるが、ティーチングを否定してはならない。教えることは教える。
— 山﨑浩司@島根大好きコーチングおじさん (@Reijirou0103) May 1, 2021
ティーチングとコーチングのバランスが大事ですね。誰だっていきなり補助輪無しで自転車乗れないですからね。フィードバックはティーチングとコーチングの2つの要素から成り立っていて、それぞれ、
ティーチング:現状把握と向き合うことの支援
コーチング:振り返りとアクションプランづくりの支援
こんな感じで定義されておりました。
育成の基本軸は、経験軸とピープル軸
自分の部下に経験軸とピープル軸が足りているか、マネージャーにはこの2つの視点が足りているか?を注視する必要があります。
経験軸は言わずもがな、ですね。新卒研修だけ受けて現場配属されたら即戦力、なんてことはまずないですしね。業務経験が一番重要ですが、背伸びすればこなせる業務(ストレッチゾーン)を上手いこと部下に渡すのが管理職に求められそうです。そのためには部下の力量の見極めも必要ですね。
育成の基本理論、経験軸とピープル軸。業務経験こそが最も大きな成長資源。少し背伸びした仕事を任せる。しかしいきなりパニックゾーンの仕事を渡すと本来の能力が発揮できない。能力より少し高いレベルの仕事、ワクワク感のあるストレッチゾーンの仕事を渡す。
— 山﨑浩司@島根大好きコーチングおじさん (@Reijirou0103) May 1, 2021
ピープル軸は「点」でなく「面」での部下育成。マネージャーだけでなく、先輩社員や同僚からいろんな気付きを得て成長していく、ということですね。部下を育てるのはマネージャーじゃくて会社、ということでしょうか。
ピープル軸とは、職場の人達から様々な関わりを得られたときに成長するという考え方。人間関係の質が良ければ気づきを得て成長する。業務支援、教えること。内省支援、振り返りを促すこと。精神支援、励ますこと。ダニエル・キムのゴールデン・サークル理論や。
— 山﨑浩司@島根大好きコーチングおじさん (@Reijirou0103) May 1, 2021
業務支援:専門知識やスキルを教えること
内省支援:客観的意見や新たな視点を提供し本人の気付きを促すこと
精神支援:励ましたり褒めたりし自尊心や自己効力感を高めること
バランスよく支援できると良い職場になりそうな気配がします。Twitterにはダニエル・キムのゴールデン・サークル理論って書いたけど本当は「組織の成功循環モデル」でした。謹んでお詫び申し上げます。
パフォーマンスが向上するフィードバックをするためには
よいフィードバックをするためにはどうすればいいか?本書では「事前準備」が大事だと説いています。おいおいフィードバックの仕方じゃないのかよ思われそうですが、フィードバックはフィードバックをする前から始まっているのです。
フィードバックには事前準備が大切。SBI情報を準備する。どんな状況で、どんな行動が、どんな影響をもたらしたのか、を上司の解釈を交えず事実を伝える。しかし、忙しいプレイングマネージャーに部下を観察する暇があるかな。部下側もこまめなチャットや口頭の報連相が必要だな。
— 山﨑浩司@島根大好きコーチングおじさん (@Reijirou0103) May 2, 2021
SBI情報とは、Situation、Behavior、Impact、の頭文字をとったもの。どんな状況で、どんな行動が、どんな結果をもたらしたか?という部下の情報を集めるということですね。とは言えマネージャーも忙しいですから、部下側からもマネージャーに情報共有は必要だなと思います。
あとは、フィードバックの場に心理的安全性があるか、言いたいことが言える関係性か、信頼関係があるか、というのも重要そうです。この人に言っても仕方ないや、って心を閉ざされてたらどんなに的確なフィードバックでも聞き入れられないですよね。また、行動変容を促すときには痛みを伴いますから、フィードバックをくれる相手がそもそも嫌いとか信頼できない相手だったら火に油って感じですよね。「ぜってぇコイツの言うこと聞かねぇ」みたいな。
フィードバックには信頼感の確保が必要。何を言うかでなく誰に言われるが重要。相手の成長を願いリスペクトする態度から始める。フィードバックの目的をストレートに述べ一緒に改善点を探す。フィードバックや行動変容にはどうやっても痛みが伴うので婉曲表現は避ける。
— 山﨑浩司@島根大好きコーチングおじさん (@Reijirou0103) May 2, 2021
フィードバックは「君にはがっかりした」といったような主観を交えず行動の事実を伝え、目標とのギャップを埋める対話が必要。「僕は言ったのに部下は行動してくれなかった」では対話=伝えたことにはならないのだなぁ。
「〜のように見える」と話すと指摘を素直に受け止めてもらえる。ネガポジフィードバック、どっちが良い悪い論争があるが「耳の痛い事実」を伝えることを忘れてはならない。事実と主観を分けて決めつける物言いは避けないとなぁ。
— 山﨑浩司@島根大好きコーチングおじさん (@Reijirou0103) May 2, 2021
耳の痛い事実を伝えたとて、部下には伝わっていないかもしれない。これはschooの伊藤洋一さんの「一分で話せ」の授業でもあったな。新卒研修でも伝えた内容。
— 山﨑浩司@島根大好きコーチングおじさん (@Reijirou0103) May 2, 2021
なので、相互理解が一致するまで対話し、現状が目標とかけ離れていることを認識してもらう必要がある。ギャップを意識してもらう。 pic.twitter.com/RqcIgxTlkr
ギャップを意識してもらったら、部下に自身の過去と現在の状況を言語化してもらい、なにがおこったか、それはなぜなのか、これからどうするか、を聴いていくのがよさそうです。言語化することで自分を客観的に見てもらえるようになるし、声に出すことでより理解が深まりそうです。オートクライン効果みたいだな。
ギャップを意識してもらったら次は振り返り支援。振り返りのポイントは部下自身に自分の過去と現状を言語化すること。振り返りのプロセスは何が起こったか、それはなぜなのか、これからどうするか、3つのwhatで聴いていく。
— 山﨑浩司@島根大好きコーチングおじさん (@Reijirou0103) May 3, 2021
フィードバックの心構えとコツ
ここまでフィードバックの知識を書いてきましが、言うは易く行うは難し。やすしきよしなわけです。本書にはフィードバックをする際の心構えとコツまでしっかりと記載がありました。心構えは色々記載がありましたが、相手に向き合う、これが一番重要ではないでしょうか。マネージャーも逃げずにしっかり伝える、という覚悟が必要なんですね。覚悟とは暗闇の荒野に進むべき道を切り開くことだ、ってジョルノ・ジョバーナが言っていました。
フィードバックの心構え、あなたは、
— 山﨑浩司@島根大好きコーチングおじさん (@Reijirou0103) May 3, 2021
・相手としっかり向き合っているか
・ロジカルに事実を通知できているか
・相手の反応を見ることができているか
・部下の立て直しをサポートできているか
・再発予防策を立てているか
コツも様々な記載がありましたが、「嫌われるのも仕方がないという覚悟」、これが一番マネージャーに必要かなぁと思いました。タイトルの「嫌われて、感謝される」これが良きマネージャーのようです。わー僕めっちゃ苦手だわー嫌われたくないわー。誰も傷つけたくないし傷つきたくねぇわー。神聖モテモテ王国でファーザーも言ってたよ。痛みから逃げるな~。
フィードバックのコツ
— 山﨑浩司@島根大好きコーチングおじさん (@Reijirou0103) May 4, 2021
・脳内予行演習
・内容の記録
・無駄に褒めない
・即時、移行期に行う
・沈黙されたら場所を変える
・ストレスとうまく向き合う
・嫌われる覚悟を持つ
・変わらない相手がいることを認める
フィードバック力をつけるためには
心構えとコツはわかった。では、オーラ力ならぬフィードバック力をつけるためにはどうすればよいのでしょうか。これは身も蓋もないですが場数を踏むこと、フィードバックを受けること、厳しいフィードバックをくれる人を探すこと。フィードバックをしたことがない人はフィードバックできないし、フィードバックを受けたことがない人にもフィードバックはできないですよね。
フィードバック力をつけるためには場数が必要。模擬フィードバックや自らフィードバックを受ける環境に行く。アシミレーションも有効。社外に出て後腐れない他者からフィードバックを受けよう。バランスは大事だが安心感あるぬるま湯の環境から飛び出し、厳しいフィードバックをくれる人を探す。
— 山﨑浩司@島根大好きコーチングおじさん (@Reijirou0103) May 4, 2021
フィードバックは個人だけでなく組織で取り組む姿勢が必要
と、ここまで色々書いてきましたが、フィードバック力向上のためにはマネージャー個人が頑張るんでなく、組織として取り組む姿勢が必要なんだろうなと思いました。いい会社を作るためにはフィードバック力をマネージャーが身につけ、その後押しを組織が行う。GW明けから何に取り組むかを考えていた中で、本書はいろいろなヒントをくれました。
あとがきより。フィードバックは個人の問題であり組織の問題。上司と部下の間のフィードバックを高めていくには組織が本気で取り組まねばならないのだ!
— 山﨑浩司@島根大好きコーチングおじさん (@Reijirou0103) May 4, 2021
他にも「タイプ別フィードバックのコツ」も書いてありましたが長いので割愛します!気になる方はぜひ本書を読んでみてください。
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