温泉チャンス!その24【東蓮田温泉】(2024.12.12)
スキマ時間を使ってサッと入ってサッと出るをポリシーとしてやっている私の温泉活動。略して温活(今初めて言った)。
今回時間の隙間を縫って入浴してきたのが、別府浜脇にある「東蓮田温泉」。
「高PH&低ORPでアンチエイジング効果期待できる」らしい。そしてすごく熱い事でも有名なこの温泉。期待は高まる一方だ。
目指す「東蓮田温泉」は、とても道が細い住宅街の中にあるので、私はスーパーと提携しているコインパーキングに車を停めて歩いた。帰りに何か日用品でも購入すれば駐車場代がかからないと思ったのだ。
寒風吹きすさぶ昼下がり。道を往く人は少ない。背中を丸めて川沿いを歩く。
「人が歩いてないなぁ」とつくづく思いながら歩く。でも平日の変な時間なので、それはそうだろう。寒いし。でもだからこそ熱い温泉に入ると気持ちが良いだろうなとも思う。
ナビを頼りに歩くと、住宅街の中にポツンと真新しい看板を見つけた。
辺りはひっそりとしていた。人がいる気配がなかった。「多分誰も入浴してないだろうな」と私は思った。そして、そのとおりだった。
無人の受付で200円を料金箱に入れて私は男湯の暖簾をくぐった。広い浴室。ジモ泉らしく、脱衣所と洗い場が地続きだ。だだっぴろい空間を独り占めできる贅沢。浴槽はなみなみとお湯で満たされている。
かけ湯してから温泉にいざ入る。あれ?あんまり熱くない。ちょうど良い感じ。じんわり体に沁みて来る。体の輪郭が溶けてお湯の中に流れ出していくみたいだ。
開け放たれた窓、風の音。女湯も誰も入っていないのだろう、声は一切聞こえない。お湯は優しく、柔らかい。ささくれだった頭の中がほぐされていく。人にもっと優しくなれそう。
しみじみと良い。いつまでも入っていられると思う。でも時間は有限で、私はお湯から出なければならない。名残惜しい。
私は体を拭いて服を着て、「東蓮田温泉」を後にした。川の向こうに悠然と佇む高崎山が、冬眠している熊みたいに見えた。