大学生が山梨の美術館・文学館の発信をする所

美術館や文学館を大学生ならどう楽しむか。そんな視点から、山梨県立美術館と山梨県立文学館と山梨県立芸術の森を応援させていただいています。山梨県立大学の学生が編集メンバーです。気軽に「おいでよ」と言える状況ではありませんが、大学生ならではの楽しみを見つけていきます。

大学生が山梨の美術館・文学館の発信をする所

美術館や文学館を大学生ならどう楽しむか。そんな視点から、山梨県立美術館と山梨県立文学館と山梨県立芸術の森を応援させていただいています。山梨県立大学の学生が編集メンバーです。気軽に「おいでよ」と言える状況ではありませんが、大学生ならではの楽しみを見つけていきます。

最近の記事

『近代にタイムスリップ~山梨ゆかりの逸材たちが残したものとは~』

みなさん、こんにちは。 秋が深まってきました。秋と言えば、食欲の秋、読書の秋、スポーツの秋などがありますが、みなさんは何を思い浮かべますか? 今回は、山梨県立美術館で開催されている特別展『山梨モダン 1912~1945 大正・昭和前期に華ひらいた山梨美術』を訪れ、“芸術の秋”を堪能してきました。 今回の展示は、大正期~昭和前期の山梨の美術を概観できるものとなっています。山梨にゆかりのある芸術家が手掛けた絵画や写真等を鑑賞し、芸術的雰囲気を堪能できます。 4つの章で構成

    • 初めての文学館で、「源氏物語」の楽しみ方を知る

      山梨県立文学館で開催されていた特別展「それぞれの源氏物語」を取材させていただきました(特別に許可を得て、写真撮影をしています)。 「源氏物語」は、世界最古の長編小説と言われるそうです。その時代を超えて人々を惹きつける魅力を存分に楽しめる展覧会です。取材させていただいたのは、山梨県立大学国際政策学部国際コミュニケーション学科の1年生です。 では、取材の感想をご紹介します。

      • 今に受け継がれる「源氏物語」

        山梨県立文学館で開催されていた特別展「それぞれの源氏物語」を取材させていただきました(特別に許可を得て、写真撮影をしています)。 私が最も興味を持ったのが、文豪たちのそれぞれの源氏物語の現代語訳です。源氏物語は高校生の頃に学んでいて、展示されていた「桐壺」の翻訳が文豪それぞれの訳し方で興味深かったです。 私が高校時代に学んだ現代語訳は窪田空穂さんのものに似ていました。 他の訳し方で興味を持ったのが谷崎潤一郎さんのものです。谷崎潤一郎さんの現代語訳は、敬語を使っていてなお

        • 「源氏物語」の知られざる魅力との出会い

          山梨県立文学館で開催されていた特設展「それぞれの源氏物語」を取材させていただきました(特別に許可を得て、写真撮影をしています)。 私は、古典文学に対する知識がほとんどないので、はじめは文学館で開催されていた特設展に対して面白さを感じることができるのか不安な気持ちもありました。しかし、実際に行って説明を読んだり展示物を見たりしていると思っていたよりも興味の惹かれる部分が多くあったり新たな発見があったりして、高校の授業でこんなこと教わったな、などと考えながら楽しむことができまし

          「有用とも美しいとも思えないものを家のなかに置いてはいけない」

          山梨県立美術館で開催されている特別展『アーツ・アンド・クラフツとデザインーウィリアム・モリスからフランク・ロイドまで』を取材させていただきました。山梨県立文学館を訪れたとき、この特別展のチラシを見つけて、かわいらしい模様に惹かれました。 展覧会の挨拶の文章に「機械が人間の労働から創造性を奪う」という言葉があり、現在のAIに職を奪われる危機に瀕している状況と似ているものがあると感じました。 作品を見て、全体的に人間の手によって生み出される繊細さがとてもきれいで印象に残りまし

          「有用とも美しいとも思えないものを家のなかに置いてはいけない」

          トキメキ、デザイン、色の鮮やかさ、手仕事の細かさ

          私たち、山梨県立大学国際政策学部の1年生10名は、山梨県立美術館で開催されている特別展『アーツ・アンド・クラフツとデザインーウィリアム・モリスからフランク・ロイド・ライトまで』を取材させていただきました。 まず、アーツ・アンド・クラフツをご紹介します。 では、早速、特別展の感想をご紹介します。 『アーツ・アンド・クラフツとデザインーウィリアム・モリスからフランク・ロイド・ライトまで』を見て、特に好きだったものをご紹介します。 ・タイル:艶感、青のグラデーション ・グラ

          トキメキ、デザイン、色の鮮やかさ、手仕事の細かさ

          じっくり味わう楽しさ。誰かと一緒の楽しさ

          2023年7月1日(土)に、山梨県立美術館の特別展示会である『ミレーと4人の現代作家たち-種にはじまる世界のかたち-開館45周年記念』を見学しました。わずか2時間程の見学でしたが、様々な体験をすることができました。 ジャン=フランソワ・ミレー(1814〜1875)は、産業革命以降、近代化が急速に進展する19世紀のフランスで、自然と共に生きる農民の営みを描いた画家です。山梨県立美術館では、ミレーの代表作である『種をまく人』を収蔵してからも、ミレー作品の収集と展示を続けています

          じっくり味わう楽しさ。誰かと一緒の楽しさ

          遠くに感じていた作家や作品が身近に

          2023年7月1日(土)、山梨県立美術館開館45周年を記念して開催された特別展「ミレーと4人の現代作家たち-種にはじまる世界のかたち-」を観覧してきました。山梨県立美術館では、開館時にミレーの代表作《種をまく人》を収蔵して以来、自然豊かな県を象徴するコレクションとしてミレーの作品を収集しており、それらと現代作家の作品がどのように一つの展示を作り上げているのか、観る人それぞれがいろんな感じ方ができるものであると感じました。 作品は現代作家1名ずつの4部屋、各章にわたって展示さ

          遠くに感じていた作家や作品が身近に

          いろいろな形のアート

          みなさん、こんにちは。 2023年7月6日、山梨県立美術館で開催されている開館45周年記念の特別展「ミレーと4人の現代作家たち-種にはじまる世界のかたち-」を訪れました。この展示会では、プロローグの落ち穂拾いから始まり、4つの章が展開されています。 第1章 移動、創造 / 山縣良和 これは私のお気に入りの写真です。 額縁に納められた厳格な絵画に挟まれているのに堂々としていて、尚かつくたっとなっているクマちゃんがとても可愛いのです。これがギャップ萌えなのか? こちらは、

          「 生命力 」

          みなさん、こんにちは。 暑い日が続く毎日ですが 、みなさんいかがお過ごしでしょうか。 今回、私は、山梨県立美術館で 7月1日(土)から開かれている開館45周年記念の特別展「ミレーと4人の現代作家たち ―種にはじまる世界のかたちー 」に行ってきました。 山梨県立美術館 の代名詞ともいえるミレーの作品が、この45年間の歴史を個性的に表現されていました。ここでは、この展示会の魅力や私が感じたことを紹介させていただきます(多くの写真は撮影できますが、今回は許可もいただいています)

          ミレーと現代作家が教えてくれる、自然と人間の動作の美しさ

          今回、私は山梨県立美術館の開館45周年の特別展「ミレーと4人の現代作家たち -種に始まる世界のかたち-」に行ってきました。 この特別展の特徴は、ジャン=フランソワ・ミレーの作品を、今を生きる現代美術作家による作品とともに味わうことができるところです。 ミレーは、自然の中で営み、生活する農民の姿を数多くの作品に残しています。ミレーの描く素朴な風景には繊細な美が詰め込まれていますが、現代を生きる私たちにとっては、19世紀に描かれたミレーの絵と感性を共にすることは難しいと感じが

          ミレーと現代作家が教えてくれる、自然と人間の動作の美しさ

          「自由に、感じる」

          2023年7月6日『開館45周年記念 ミレーと4人の現代作家たち』の取材と同時にリリースされた『SPACY』の試用で県立美術館を訪れました。 この特別展は、「これまでとは別の形でミレーと出会ってほしい」という想いのもとに企画されたそうです。 最初に聞いたときは、別の形とはどのようなものだろう?という疑問が浮かびましたが、とても楽しく鑑賞できる展示になっていたので、私が印象に残ったポイントを中心にいくつかご紹介したいと思います。 この特別展は、4章構成となっていました。

          個性×多様な解釈=無限の可能性

          みなさん、こんにちは。 2023年7月6日、山梨県立大学で開催されている開館45周年記念の特別展『 ミレーと4人の現代作家たちー種にはじまる世界のかたちー』の取材に訪れました(本展示会は一部の作品の撮影が可能です)。 この展示会は、『ミレーの作品と共に、私たちと同じ時代を生きる4人の現代作家の作品を展観することで、多様な解釈を開くこと』を試みています。(山梨県立美術館WEBサイトより)。 今回の記事では、私が率直に好きだなと思った作品をご紹介していこうと思います。 まず

          椅子が紡ぎ出す「繋がり」

          みなさん、こんにちは。厳しい暑さが続いていますね。 私は2023年7月6日、山梨県立美術館で開催されている開館45周年記念の特別展『ミレーと4人の現代作家たち-種にはじまる世界のかたち-』の取材に行きました。今回、一部の作品を除き、誰でも写真を撮影することが可能です。 この展示は4人の作家の作品が完全に分かれていて、それぞれの世界観を心ゆくまで楽しむことができました。バラバラな彼らの作品を繋いでいるのがミレーの作品です。自分の作品のど真ん中にミレーの作品がある人もいれば、作

          想像ふくらむ美術館の旅

          熱中症警戒アラートがやけに耳につくようになった今日この頃。2か月ぶりに、山梨県立美術館に行ってきました。 先に言っておきますが、私がこれから紹介するものは展示物ではありません。しかし、全て美術館にあるものです。 前回訪れたときとテーマが変わっているということで、わくわくしながら足を踏み入れました。 美術館の旅を初めて早々、私が最初に出会ったのは、こちら。 縦20センチ、横30センチくらいの鍵付きの小さな扉です。 これを見た瞬間、私は確信しました。 絶対、中に小人がいる

          作者と私のREMIX

          山梨県立美術館で開催中(2023年6月11日まで)の特別展『山梨県立美術館コレクションREMIX』に行ってきました。どのような展覧会なのか、美術館のWEBサイトには以下のように書いてありました。 滞在した約1時間に、私が感じたことを言葉にしたいと思います(特別に許可を得て撮影をしています)。 山梨県笛吹市出身の洋画家、桑原福保の《画室の朝》は、自宅のアトリエで作者の妻がぶどうを手に取る様子が描かれています。 手前にあるキセルが時代の流れを感じさせ、いい味を出している気が