上演台本「おうちにかえる・オブ・ザ・デッド」

「おうちにかえる・オブ・ザ・デッド」(初演版:2017年6月)

登場人物

キノエ ノボル  ペンションのオーナー
キノエ サキ   ↑の妻
スエタケ カズコ 近隣で商店を営む。食料などを配送。
アオイ ミスズ  宿泊客。登山が趣味。
ハルハラ アイ  宿泊客。↑の元同僚。
ミズカミ ナツミ 宿泊客。寺社仏閣の研究をしている?大学院生。
サガラ ナオト  東京から来たらしい。
サガラ カナ   ↑の妹らしい。


 L字客席。
 舞台は山の麓にあるペンション。そのロビーのようなところ。
 玄関の扉は、手作り感のある装飾がされている。
 そこから入って右奥にダイニング、客室などに続く廊下がある。
 左奥に暖炉があるが、今は使用していないため、中にはオブジェのようなものが置かれている。
 その脇にアコーステックギター。その他、ソファー、机、椅子などがある。
 レトロな山小屋を意識したその空間は、テレビや電話など、現代的なものを極力排除してある。

出はけ口は玄関(扉)と奥(廊下)のふたつ。

 開演。

 キノエ サキ、登場。

サキ  本日は、サムゴーギャットモンテイプ・ソリッド公演「おうちにかえる・オブ・ザ・デッド」へ起こし頂きまして、まことにありがとうございます。上演時間は約80分を予定しております。
当ペンション「Ueber den Bergen」では、多々良木の雄大な大自然を満喫して頂きたく、携帯電話、スマートフォンのご利用は出来るだけご遠慮頂いております。携帯電話や、音の鳴る電子機器は、電源からお切り頂くようにお願い致します。
 
サキの口上?の途中から、キノエ ノボル、登場。
 ノボルがオカリナを演奏し始める。
 ミズカミ ナツミ、少し間を置いてアオイ ミスズ、ハルハラ アイ、登場。
 ノボルの周りに座って、演奏を聴き始める。アイは少し離れたところに居る。

サキ  耳を澄ませば、風の音、虫の鳴き声、川のせせらぎが聞こえてきます。多々良木山に登れば、美しいパノラマ風景が見えることでしょう。川をさかのぼるトレッキングもおすすめです。可愛らしい鹿やウサギ、運がよければムササビがあなたを出迎えてくれます。スリリングな冒険をしたいなら、近くの鍾乳洞探検やラフティングもご用意しております。大自然で思い切り遊んだ後は、どうぞ温泉に立ち寄ってからお帰りください。腕によりをかけたジビエ料理を作って、あなたのお帰りをお待ちしております。山のあなたの空遠く、「幸」住むと人のいう。ようこそペンション「Ueber den Bergen」へ。それでは皆様、ごゆるりと。

 サキ、はけ。

 演奏が終わる。
 盛り上がる?人たち。
 かすかに雨音がしている。

ノボル ありがとうございました
アイ  ひゅーひゅー
ミスズ うわあ、、
ノボル いやあ、照れるな。お恥ずかしい
アイ  やだー、ノリノリだったじゃないですかオーナーさん!
ミスズ ああ、よかったんじゃないかな、、
アイ  先輩もそう思いますか!
ミスズ なんて言うか、牧歌的で
アイ  そうですよねえ!
ミスズ 一生懸命練習したんだなっていうか、
アイ  ああ
ミスズ いい意味で地方の寂れた遊園地(のアトラクション)みたいっていうか、、
アイ  ふむふむ
ミスズ わびさびがお有りになる。わびさびが
アイ  オカリナ最高ですね!
ノボル いやあ、緊張したなぁ。常連さん以外に聴いてもらうの
ナツミ 素敵でしたよ、いつも通り
ノボル いやいやいや、そんなそんな
ナツミ こうして(目を閉じて)聴くと、満点の星空が見えるようで、、
ノボル えー?
ミスズ (同時に)えー?
ナツミ もっと聴きたいな
ノボル いやあ、、お上手だな、ミズカミさんは、、
アイ  やだ照れてるー(笑)
ノボル すみません。褒めて頂いて嬉しくて。うちの妻はもう、全然オカリナに興味がないもので
アイ  えー?
ミスズ そうでしょうね
ノボル え?
ミスズ あ、いい意味で。ね?
アイ  ですねー。もう長いんですか?
ノボル もう5年になりますかね。私とこいつが出会ったのは
アイ  え、そうなんですか?
ノボル そうですね。私、昔はサラリーマンをやっていたんですよ。IT関係の。仕事は別に楽しくはありませんでしたけれど、どういうわけか順調でした。きっと向いてはいたんでしょうね。順調すぎるほど順調で、、異例のスピードで出世しました。でもずっとこれでいいのかって悩んで、苦しんで、、そんなときでしたね、妻が言ってくれたんです。「あなたの、本当に好きな物は何?」って
アイ  あー
ミスズ それでオカリナを?
ノボル はい
アイ  あ、違います違います、
ノボル え?
アイ  このペンション。このペンション、長いんですか?
ノボル え、ああ、そっち。そっちですか
アイ  ですです
ノボル わあ、恥ずかしい

 ノボル、一瞬オカリナを吹く。(例えば♪チャンチャンのメロディで)

ミスズ え!?
ノボル ここは2年くらい、かな?
アイ  あ、やっぱそうですよね。知らなかったもん、ここ
ミスズ あ、そうなんだ
ノボル いいところですよ、ここは。おふたりは登山へ?
ミスズ あ、はい。前からちょっと気になってて、ここの山
アイ  私は俄然ジビエです!
ノボル ははは。今妻が準備してますから。楽しみにしていてください
アイ  はーい!
ノボル 山もいいですよ。そうだな、、今の季節だと、こんな感じかな、、

 ノボル、おもむろにオカリナを吹こうとするが、

アイ  えー!私、ギター聴きたーい
ノボル 、、はい(?)
ミスズ 何言ってんの
アイ  だって
ミスズ あんたオカリナ最高って言ってたでしょ!
アイ  あれはそういうノリだったんですよ
ミスズ はあ?
ノボル ははは。山の天気と女性の心は、移ろいやすいものですからね
アイ  じゃ、ギター弾いてくれるんですか?
ノボル 、、えー、それは
ナツミ オカリナでいいんじゃないですか?
アイ  えー?
ナツミ いいじゃないですか。オカリナ。私、オカリナの方が好きだな
アイ  そうですかー?
ナツミ ええ。オカリナの方が優しくて
アイ  でもギターの方が盛り上がりますよ。私スピッツとかゆずとか歌えるし
ナツミ オカリナでも歌えるじゃないですか
アイ  え、オカリナでですか?(笑)
ミスズ ちょっと、、!
ナツミ それに、おふたりは温泉に行かれるんですよね?
ミスズ あ、はい。これから。ね?
アイ  はい
ナツミ 早く行かないと、食事の時間に遅れちゃいますよ
ミスズ あ、そうですね。そうですよね
ナツミ はい
ミスズ ほら、邪魔しちゃ悪いからさ
アイ  でも私今歌いたいんだもん!
ミスズ わがまま言わないの!
ナツミ 酔ってらっしゃるんですか?
アイ  素面です!こういう性格なの!
ナツミ ああ、それは大変ですね
アイ  イーー!(怒っている)
ミスズ こらこら

 険悪な空気になったそのとき、

ノボル ピッ!(オカリナ)

 ノボルを見る一同。

ノボル ピッ!ピッ!ピー!ピッ!(オカリナ)

 イエローカードを渡すノボル。

ノボル イエローカード!ここでは皆さん、仲良くしましょう
ミスズ ほら-、怒られた
アイ  むー、、(納得していない様子)
ノボル あ、イエローカードは鍾乳洞の割引券になっておりますので、、
ミスズ あ、ほんとだ
ノボル お気を悪くなさらず
ミスズ すみません
ノボル いえいえいえ、いいんですよ。楽しんで頂ければ私は
ミスズ ほんとすみません
ノボル いえいえ。ほら、せっかく来て頂いたのに、こんな天気でしょう?
アイ  あー
ノボル しばらく降らないと思ったんですけどねえ
アイ  ねー、残念ですよね。せっかくミスズ先輩来てくれたのに
ミスズ まあ今日は観光したし。いっぱい見れたじゃん、仏像
アイ  えー、そうですけど
ミスズ あんなに解説してあげたのに
アイ  そうですけど、、
ノボル お好きなんですか?
ミスズ え?
ノボル あ、お好きなんですか、仏像?
ミスズ あ、ええ、はい。最近彫り始めて
ノボル 彫りはじめた!
ミスズ あ、ええ、、
アイ  マニアックすぎますよ
ノボル (ナツミに)ですってよ
ナツミ ああ、ええ、、
ミスズ え、もしかして(あなたも)、、
ナツミ ええ、まあ、
ノボル そうなんですよ
ミスズ へえ、、
ナツミ そうですね、、
ミスズ そうなんですか、、
ノボル ふふふふ
アイ  あーあ、山登りたかったなー
ノボル 山に雨はつきものですから。夜中にはやむんじゃないかな
アイ  ほんとですか?
ノボル ええ。たぶん。お二人とも、多々良木は初めてで、、?
ミスズ あ、はい。私は東京から
ノボル へえ、東京から
ミスズ はい
ナツミ 今大変らしいですね
ミスズ え?そうなんですか?
ナツミ 知らないんですか?あの、デモの
ミスズ ああ、あれ、
ナツミ 結構負傷者が出てるとか、、
アイ  へー!
ノボル 物騒ですねえ、近頃は
ミスズ 私、そのときあっち居なくて
ノボル ああ、そうなんですか。(アイに)大丈夫でした?
アイ  あ、私、こっちの人間なので、、
ノボル ああ、そうなんですか
アイ  元職場の先輩、と後輩で
ノボル へえ!それでわざわざ
アイ  私に会いたかったんですよねー?
ミスズ 山と仏像があるからだよ
アイ  えー

 サキ、登場。

サキ  あー、よかった。まだいらっしゃって
ノボル どうしたの
サキ  ああ、割引券。温泉行かれるんですよね?
アイ  あ、はーい!
サキ  すみません、お渡しするの忘れてて

 サキ、ミスズとアイに割引券を渡す。

サキ  何、まーたオカリナ吹いてたの?すみませんね、すぐにオカリナ聴かせようとするから
ミスズ ああ、いえいえ
サキ  ダメでしょ、お客さんの邪魔しちゃ
ミスズ ああいえ、私たちが勝手に聴いてただけなので
サキ  ほんと困っちゃって。私にも吹けっていうんですよ、ほら(オカリナを取り出す)
ノボル いいオカリナですよ、あれは。選びに選びましたから
サキ  誕生日にねー
ノボル なー
アイ  ギターは弾かないんですか?
サキ  弾けないんですよ
アイ  えー
サキ  練習はしたんですけどね。結局弾けなくてインテリアに
ミスズ ああ、中学生にありがちなやつだ
サキ  ほんと、しょうがないでしょう?
ノボル いいじゃん、それを言わないでよ。おかげでこいつと出会ったんだから
サキ  ふふふ。じゃあ、お食事を用意してお待ちしてますから、お気を付けて
ミスズ あ、はい。ありがとうございます
アイ  ジビエー!
サキ  今日は美味しい鹿のお肉ですよ
アイ  楽しみですね、先輩
ミスズ ねー
ノボル 私が捕ってきましたから
アイ  えー
ノボル こう、狙いを定めて、、、バーン!って
アイ  えー!かわいそう、、
サキ  ふふふ。美味しいですよ。お楽しみに
アイ  はーい

 サキ、はけ。

ミスズ あ、あの、行かないんですか、温泉、、?
ナツミ ああ、いえ、私は、、
ミスズ あ、そうですか、、
ナツミ はい、、
ミスズ じゃ、帰ったら、お話しましょうね
ナツミ え?
ミスズ ほら、(小声で)仏像の、、
ナツミ え?
ミスズ (小声で)仏像の、、
ナツミ え、ああ、、はあ、、
ミスズ はーい。いこ
アイ  はーい!久しぶりだなー!温泉!
ミスズ 楽しみだねー

 ドアを開ける2人。はけていく。
 大きな雨音。
 2人の「ぎゃー!」「あめー!」という声が聞こえる。

ナツミ やっと行った
ノボル 、、うん
ナツミ 雨、強くなってる、、
ノボル 、、うん
ナツミ 2人きりだね
ノボル 、、、うん
ナツミ プレゼント、したんだね。奥さんには、、
ノボル 、、、(何かを言いかける)
ナツミ 私、自分で買ったよ

 ナツミ、オカリナを取り出す。

ノボル 、、、!
ナツミ これをね、ノボルさんだと思ってるの。会えないとき、、
ノボル 、、、
ナツミ ベランダに出て、空を眺めて、これを吹くの。きっとノボルさんも、同じ空の下でオカリナを吹いてるんだなって思いながら、、
ノボル ミズカミさん、、
ナツミ だめ!
ノボル 、、!
ナツミ 、、今は、、ナツミって、呼んでよ
ノボル 、、ナツミ
ナツミ ノボルさん、、
ノボル 今はまずいから、、
ナツミ ノボルさん、、

 ノボル、ナツミのオカリナを隠そうとする(鞄に戻す?)

ノボル 今はまずいから、、
ナツミ なんで?
ノボル キッチンに居るから
ナツミ なんで?
ノボル 見られちゃうから、、!
ナツミ 私は、、私は、オカリナすら見せちゃいけないの、、?
ノボル 、、ごめん
ナツミ ねえ、今度はいつ2人きりになれる、、?
ノボル 、、それは
ナツミ ねえ、いつ、、?
ノボル 分からないよ、、
ナツミ トレッキングツアー、申し込んでもダメ、、?
ノボル トレッキングは、この前も行っただろ、、疑われちゃうよ、、
ナツミ じゃあどうすればいいの、、?

 ナツミ、泣く。

ノボル 山菜採り、、
ナツミ え?
ノボル 山菜採りツアーなら、、あるいは、、
ナツミ 、、行く
ノボル お金かかっちゃうけど、、
ナツミ 行く、、
ノボル いい?
ナツミ 行くもん、、!

 ノボルに抱きつくナツミ。

ノボル 5千円になります
ナツミ 嬉しい!一緒に、一緒に山菜採ろうね、、!
ノボル うん。うん、、泣かないで。ほら、落ち着いて、、
ナツミ うん、、うん、、
ノボル ほら、オカリナ吹いて、、
ナツミ うん、、うん、、

 ノボル、ナツミにオカリナを吹かせる。

ノボル ほーら。ほーら落ち着く
ナツミ (オカリナを吹いている)
ノボル 吸って-。吹いてー
ナツミ (オカリナを吹いている)

 そんなことをしてる間に、
 スエタケ カズコ、登場。

カズコ おじゃましまーす
ノボル !!
カズコ 、、何してんの?
ノボル あ、いや、オカリナ、、!オカリナ教室、、?
カズコ ええ、そんなのも始めたの?サキちゃんは?
ノボル ああ、キッチンにいるけど、、
カズコ サキちゃーん、サキちゃーん!
ナツミ 、、失礼します(はけようとする)
サキ(声) はーい?
ノボル え、何々?もう今日の配達終わったんじゃ、、
カズコ いや、それがさあ、、あれ?

 サキ、登場。

サキ  あれー?カズコさんどうしたの?忘れ物?
カズコ いや実はさあ、

 雷。どこか近くに落ちた模様。
 びっくりする一同。
 暗転。(停電)
 びっくりする一同。

カズコ 何これ停電?
ノボル ブレーカーかな?
サキ  えー、大丈夫かなー?懐中電灯取ってこようか?
ナツミ やだ、誰か触った?
カズコ ちょっとーノボルさーん
サキ  はあ?
ノボル いや、ちがっ

 などと言ってるうちに、明転。

カズコ あ、ついた

 いつの間にかサガラ ナオト、カナが居る。
 びっくりする一同。悲鳴。
 ナオトは濡れており、カナの腕には包帯が巻かれている。

ナオト あ、あ、あ、、
ナツミ ぎゃー!
サキ  きゃー!
カズコ ちょっとー!驚かせないでよ!
サキ  え、誰!?誰!?
ナツミ え、あ、、触った?触った?
ナオト あ、いえ、あ、、(近づく)
ナツミ さっき私のおしり触ったでしょ!
ナオト あ、いえ、いや、、
ノボル 動くな!こっちには銃があるんだぞ!
サキ  何言ってんの!
ノボル 毎日毎日鹿撃ってんだ!
ナツミ ひどい、ひどい、、
カズコ ああ、この子たち、
ノボル バーン!
ナツミ ふぁ!(びっくりする)
ノボル あ、ごめん
ナオト あ、あ、
ナツミ もうやだー!

 ナツミ、はけ。

ノボル ああ、ミズカミさーん!

 ノボル、ナツミを追ってはけ。

サキ  ちょっと、あなたー?
ナオト あ、ああ、、
カズコ もう、何やってんの!
ナオト す、すみません、、入ったら中真っ暗で、、
カズコ もうちょっとで撃たれてたよ!
ナオト え、あ、そうなんですか
カズコ あいつハンターだから
ナオト ハンター、、
カズコ 腕っこきだよ!
ナオト 腕っこき、、
サキ  あのーカズコさん、この人達は、、?
カズコ ああ、さっき道で拾ってさあ。上の山小屋の納品の帰りで
サキ  ええ?
カズコ 車脱輪しちゃってて
サキ  マジか
カズコ つっかれたわー

 カズコ、座る。

ナオト す、すみません。全然動かなくて、車、、
サキ  えー、大丈夫でした?雨すごかったでしょう?
ナオト あ、もう、前、全然見えなくて、、
サキ  ちょっとタオル持ってきますから。そちらは、、?
ナオト あ、か、い、妹、です
サキ  ああ、妹さん
ナオト あ、はい。
サキ  大変だったねえ

 サキ、カナの包帯に気付く。

サキ  怪我しちゃったの?
ナオト あ、違います、
サキ  え?
ナオト これは、今朝、、
サキ  ああ(?)、、タオル、取ってきますね
カズコ あ、サキちゃん、ケータイ充電させてよ
サキ  うん。いいよ
カズコ ついでにレッカー呼んどくから
ナオト あ、あ、はい
カズコ ちょっと休んでな
ナオト 、、ありがとうございます

 サキ、カズコ、はけ。 

ナオト 、、座れば?

 カナ、座る。

ナオト 手、、(震えてる、、)
カナ  、、、
ナオト 、、痛い?
カナ  、、、
ナオト ここに泊めてもらおうか。今晩。疲れただろ。
カナ  、、、
ナオト 何も知らないのかな、ここの人たち
カナ  、、、
ナオト 知ってても関係ないか。これだけ離れてたら

 沈黙。

カナ  ねえ、
ナオト うん?
カナ  死んだのかな
ナオト え?
カナ  お母さん
ナオト 、、動いてはいるよ
カナ  、、、
ナオト ごめん
カナ  ううん、、私、


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