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伍魚福のビジネスモデル〜その6「リスク分散」〜

以前にも触れたことがありますが、「阪神大震災」の際にも、約1週間後には、出荷を再開することができました。
本日は、これを含めた「リスク分散」についてのお話です。

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全国の協力工場で商品を製造しているということ

全国各地、約200社の工場でものづくりをしていますので、局地的な災害があっても、すべての工場がストップすることはありません。
阪神大震災後も1週間後から商品を出荷することができたのはそこに理由があります。
神戸の物流は麻痺していましたが、当時お世話になっていた日本通運さんの明石の営業所からトラックを出してもらい、出荷を再開できたそうです。

神戸で工場を構えておられた皆さんの中には、工場が燃えてしまい大変なご苦労をされた方がたくさんおられます。
「ファブレス」だったから結果的にリスク分散になっていた、と言えますね。

商品の原材料が特定のものに偏っていない、ということ

伍魚福の商品の原材料は、肉・魚・農産物など多岐にわたります。
このため、牛肉のBSEや口蹄疫、豚肉の豚コレラ(豚熱)、鶏肉の鳥インフルエンザ等いろんな問題が起きても、影響を最小限にとどめることができます。
ただ、最近の海産物の不漁には苦労しています。
イカナゴ、スルメイカ、サケ・・・。
分散しているとはいえ、大きな柱である「くぎ煮」やイカ製品を値上げさせていただくのは大変心苦しいです。
専業メーカーでないだけ、まだありがたい、とは言えますが。

お得意先が全国、小口分散(約4000店)していること

特定の大口取引先に依存しないため、売上の変動がゆるやかです。
そのため成長のスピードはそれほど早くない、とも言えます。

私が入社した1995年の売上も現在とほぼ同じですが、売上の中身は大きく変わりました。お得意先で言えば、90%以上が入れ替わっています。
当時は酒販店への売上が90%以上。
その大半が廃業されたり、業態転換されました。
ただ、1軒1軒が小口だったため、売上減のスピードも緩やかだったため、替わりにスーパーマーケットへの提案を行い、チャネル転換をすることができました。

物流は外注・宅配便中心

災害時に痛感したのですが、とにかく復旧スピードが速いです。
阪神大震災の際の再出荷には触れましたが、東日本大震災のときにも、宅配便の皆さんには大変助けていただきました。

道路の復旧次第、すぐに届けていただけるのです。

ある酒販店チェーンさんでは、通常の物流センター経由の商品供給がストップし、復旧のめどが立たないため、伍魚福から各店舗へ直送する対応をさせていただきました。

福島県のコンビニエンスストアさんでは、本部からの供給が途絶える中、伍魚福の商品だけが宅配便で届き、お店の方やお客様に大変喜ばれたそうです。

ヤマト運輸さん、佐川急便さんなど、宅配便というビジネスができたおかげで、伍魚福のビジネスモデルも成り立っている、とも言えますね。

小さいけど、強い

最初から意図したわけではないのですが、このように、リスク分散できているおかげで、伍魚福は規模は小さくても、つぶれにくい、強いビジネスモデルだということができます。

コロナ禍で、お土産関係の売上がかなり落ち込んでいますが、他の小売業態の皆さんへの提案を強化し、お役に立つことができています。
最終的には、ご利用いただく一人ひとりの消費者の皆さんのおかげです。

今後も「すばらしくおいしいものを造り、お客様に喜ばれる商いをする」(経営理念)を目指して努力を続けます。


最後までお読みいただきありがとうございました! 伍魚福の商品を見つけたら、是非手にとってみて下さい。社長のいうとおりになってないやないかーとか、使いづらいわー、とか率直なコメントをいただけるとうれしいです。 https://twitter.com/yamanaka_kan