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「新市場創造型商品」づくりを目指して①〜新市場創造型商品(MIP)とは〜

昨日のnoteで「新商品開発コンセプトシート」の話をしました。

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シートには、次のような項目を記載します。
「未充足の強い生活ニーズ」
「メインターゲット」
「アイデアの核」
「アイデアの記述(ラフ)」
こういうことを考えるようになったのは、株式会社マーケティングコンセプトハウスさんの梅澤伸嘉メソッドを学んだからです。

ーーーーーーーーーーーーー以下引用ですーーーーーーーーーーーーーーー
「長期シェアNO.1商品を開発するために」
消費者の「生活上の問題」を解決することによって、新市場を創造し、生活変化をもたらした商品を「新市場創造型商品(MIP :Market Initiating Product)」と呼びます。
このMIP商品は長期間(10年以上)シェアNO.1を保てる商品で、我々マーケティングコンセプトハウスは、調査研究から次のような理論を導き出すことができました。

1.「新市場を創造した商品は、後発商品の100倍の確率で成功する。」
発売される商品数で、どのくらいの確率で成功するかを比べると、MIPはその2つに1つ(53.8%)が10年以上シェアNO.1を保つのに対し、MIPが創造した市場に後発参入した商品がシェアNO.1になれる確率は200に1つ(0.5%)である。
2.新市場の創造は、消費者の「生活上の問題」を解決することで実現できる。」
世の中に登場する新商品のほとんどは「商品上の問題解決」に終わっています。つまり、生活をヒントにするより、商品をヒントにした新商品開発がほとんどです。一方、消費者の「生活上の問題」に着目し、従来の商品やサービスでは満たすことのできなかった「未充足の強いニーズ」に応えれば、現市場の外に市場を作るMIPを意図的に開発できるのです。
新市場創造理論にしたがってMIP開発を行うことで、企業は数々の経営メリットを享受することができます。
・長期間シェアNO.1の商品を持つ企業になれる
・成功率が100倍も高い
・シェア食い合いのロスから脱却できる
・長期にわたり、売上と利益が安定的に累積される
・成功商品の好循環をもたらす(1)追われる開発からの解放
・成功商品の好循環をもたらす(2)優良少子化戦略
・既存品の健全育成をもたらす
・創業の成功率が高い
・少ない広告費で多大な効果が得られる−パブリシティー効果が高い
・無名のメーカーでも小売業が積極的に扱ってくれる
・世界初のMIPは世界の市場でシェアNO.1になれる
・新技術開発で先行できる
・強力なブランドがもてる−ブランドとはカテゴリーの代表である
・地球資源のロスが軽減できる−企業にできる最大の環境貢献は失敗商品を作らないこと
・MIP開発コストは安くつく
・MIP販売コストは安くつく
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梅澤伸嘉さんのプロフィール

株式会社マーケティングコンセプトハウス 創業者
サンスター㈱研究所、ジョンソン㈱にて、新商品企画グループリーダーとして各種商品の開発、導入のかたわら、キーニーズ法、アッハゲーム、行動分析法、C/Pテスト、グループインタビュー法等を開発・改良。1984年に独立。数々の企業のコンサルテーションに従事する。現在、商品企画エンジン㈱代表取締役会長、一般社団法人日本市場創造研究会の代表理事、日本能率協会マネジメントスクール専任講師として企業コンサルテーション(新商品開発、独創性開発、市場調査)に従事する。

■主要著書
『消費者ニーズ・ハンドブック』同文舘出版、2013年
『「アイデア」を「お金」に変える思考ノート』かんき出版、2013年
『消費者心理のしくみ』同文舘出版、2010年
『ヒット商品開発〈第2版〉』同文舘出版、2009年
『ヒット商品打率』同文舘出版、2008年
その他多数
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梅澤さんが開発した商品、ストーリーはこちらです。

サンスターに勤務されていたときのトニックシャンプーの開発ストーリーがとてもおもしろいです。
女性は「髪」を洗い、男性は「頭」を洗うということに気付かれ、メントール配合のスカッとする男性用シャンプーを開発し、「新市場」を創造されたのです。

伍魚福では、マーケティングコンセプトハウスの京都研究所所長、小山由朗さん(株式会社連由)のコンサルティングを受けてこの理論を導入しました。

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我々が便利に利用している「ヒット商品」は、「新市場創造型商品」に当てはまるものがほとんどです。

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新しい市場を創造した商品は、そのカテゴリーの代表格、代名詞となります。
上記スライドはその典型的な事例を示しています。

これらの商品が開発され、発売されるまではその市場は存在しませんでした。しかし、発売された途端、こんな商品が欲しかったのだ、ということで消費者に圧倒的に支持され、その市場の代名詞となったのです。

私が中学2年生だったときにソニーの「ウォークマン」が発売されました。
ものすごく欲しくて、自転車で三宮の電気店に行きましたが、品切れ。
そこから家に向かいながら電気屋さんを巡りましたが、全て品切れ。
たまたま須磨区板宿のソニーショップに寄ったら在庫があり、入手することができました。
買って帰って、付属のデモテープをヘッドフォンで聴いた時の感動は今でも忘れられません。
その後、松下電器や東芝など家電メーカーが追随しましたが、全てウォークマンみたいなやつ、とくくられていました。
アップルのiPod、その後スマホが普及しても、まだ「ウォークマン」が存在できるのも「新市場開発」したことによる、ブランドイメージが強いからだと思うのです。

カップヌードルも、宅急便も、シャチハタも全てそうです。
セロテープやバンドエイドなんかもそうですね。

ロングセラーになっている商品には、この要素が必ずあります。

伍魚福でいうと「チルド珍味」がその要素を持っています。
もともと酒販店という市場で「酒の肴」を販売するというビジネスをしていた。
その中で差別化を考え、「すばらしくおいしいもの」を追究する中でドライ珍味よりも柔らかくて美味しい「チルド珍味」を開発。
それまで海産物中心だった品揃えに加え、ビールには肉製品、ワインにはチーズ、という風に商品の幅が広がり、現在のチルド珍味の品揃えにつながったのです。

20200316 阪神梅田本店 チルド売場全体

2000年(平成12年)からスーパーマーケット市場に展開したのですが、そこで評価されたのが、スーパーの部門の枠を超えた品揃えです。
それから20年、スーパーで「チルド珍味」の売場が少しずつ増え、最近ではコンビニエンスストア等でも販売いただけるようになりました。

こだわりの珍味を個食タイプで開発した「一杯の珍極シリーズ」。

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個食タイプで200円〜300円、プレミアムタイプで500円とちょっと高い商品ではありますが、味を評価いただき、コンビニや交通売店、百貨店でご利用いただいています。

それぞれ類似品も登場することがありますが、同じような品揃えができるところまではなかなかたどりつけないようです。

ソニーがかつて「モルモット」と言われたことがあります。
新しい商品にチャレンジして市場を開発するものの、他社が真似をして、もっと安い商品で市場を侵食する。
揶揄された、悪口ともいうべき「モルモット」という言葉をソニー自身が受け入れ、「モルモット上等」という気概がありました。

我々も、酒の肴業界でのソニー(かつての?)でありたい。
常に新市場開発に挑戦し続ける企業でありたい。
そう考えています。

続きはまた明日のnoteで。



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