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伍魚福のビジネスモデル〜その3「多品種少量生産」〜

伍魚福の品揃えは、約400種類もの多岐にわたります。
品切れのないように、すべての商品を神戸と神奈川県綾瀬の物流センターに在庫して、全国の小売業の皆さんや、消費者の皆さんにお届けしています。

品切れをしないように、ということであれば、商品をたくさん作れば良いのですが、作りすぎると、日付が古くなり、出荷できない在庫がロスになってしまいます。

今回は、どうやってこれを両立させているか、というお話です。

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チルド商品の賞味期間は、平均約40日。
ドライ商品の賞味期間は、平均約90日。

これらの商品の生産数量を決めるのが、伍魚福の「生産管理チーム」です。
前月には、各協力工場に翌月の生産指図(発注)を行います。

この数字の予測をいかに正確にするのかが、生産管理チームの腕の見せどころです。前年同月の商品出荷数、前月の商品出荷数、お客様繁盛係(営業)の商談状況の把握などの情報から弾き出すのですが、概ね正しく予測することができます。
なぜ、そんなことができるのか?
その秘密は、4000軒を超える小口分散したお得意先にあります。

大口取引先とのビジネスだと、そこの取り扱い如何で数字が大きく変動します。ところが、小口で分散していると、確率論で数字を読むことができます(保険業界では「大数の法則」というそうです)。

もし、サイコロを1回ふって、何が出るか当てろ、と言われたら、普通当たりません。バクチの世界です。
ところが、サイコロを1000回ふるとしたらどうでしょうか。
まともに作られたサイコロであれば、ほぼ6分の1の確率でそれぞれの目が出てくるはずですね。
これが、伍魚福の商品製造数量の予測の考え方なのです。

さまざまな要因を、表計算ソフトを駆使して分析、生産数を決める。
その仕組みは、「関西IT活用企業百撰 優秀賞」や、経済産業省の「IT経営実践認定企業」などの表彰を受けています。

予測もすべて当たるわけではありませんので、生産管理チームから各協力工場の皆さんに連絡して数量の調整を日々行います。
こちらも協力工場さんの柔軟な対応のおかげで、ロスを最小限に収めることができているのです。

結果として、欠品率は0.4%前後、廃棄ロスは0.1%未満となり、SDGsの考え方とも合致できています。

今から伍魚福のような品揃えを一からやろうとすると、長い時間をかけてロスと戦いながら売場を増やしていかねばなりません。
伍魚福と同じような品揃えの会社が現れないのは、このような事情が参入障壁になっているからなのです。

最後までお読みいただきありがとうございました! 伍魚福の商品を見つけたら、是非手にとってみて下さい。社長のいうとおりになってないやないかーとか、使いづらいわー、とか率直なコメントをいただけるとうれしいです。 https://twitter.com/yamanaka_kan