掃除はデザインを変える
これは フェンリル デザインとテクノロジー Advent Calendar 2020 22日目の記事です。
こんにちは。フェンリルでデザイナーをしている、やまもとえみです。
特にUI(ユーザーインターフェース)デザインが好きで、どうやったら気分良く色んな人が長く使ってくれるのか?を日々考えています。
さて、アドベントカレンダーはクリスマスに向かってワクワクしていく企画ですが、とても残念なことを言うと25日を過ぎるとあっというまに年末です。6日しか残りません。
皆さんは年末大掃除をされますか?
綺麗好きで計画性のある人は、12月はじめから徐々に色んな箇所を掃除していって、年末休みを有意義に過ごすようです。
私はというと、いつも31日に慌てて掃除を初めて、結局年越し蕎麦を作ったり友人と出かけたりして、正月明けてから仕事が始まるまでグダグダ掃除をしているタイプのずぼらな人間です。
そんなずぼら人間ですが、掃除は結構好きなんです。Netflixを観ているよりも掃除している方が楽しかったりします。
そんな私が掃除とデザインに見出した、関連性についてご紹介したいと思います。他にも掃除とデザイン関連の文章はたくさんありそうなので、散らかすことの意外なメリットなんかも紹介します。
掃除とデザインは似ている
デザインを長く続けている人なら一度くらい、「掃除とデザインは似ている」と感じたことがあるのではないでしょうか。
掃除の基本は整理整頓。デザインの基本も情報の整理整頓です。
整理整頓を基本としてそのあとインテリアに拘ったり、ピカピカ磨いて綺麗にする。掃除はデザインだ、と言っても過言ではないかもしれません。
特にUIデザインに置いて似ているポイントを挙げてみます。
必要のないものは捨てる(画面に表示しない)勇気を持つ。
散らかりすぎた部屋はまず捨てることが大事。同じように、本当に欲しい機能や内容なのか吟味する。容量が無くなればその分すっきりします。 ただし掃除と違うのはUIの機能や内容を簡単に消すのはトラブルのもと。普段使わないものは優先度を下げた場所にまとめておくと操作がすっきりします。
使うものは使う場所の近くに置く
洗濯で使うものは洗濯機の近くに置く、とするとものがあちこちに散らばりません。 UIデザインでも、画像の編集ボタンは画像の近く、プロフィール編集ボタンはプロフィール画面の近くに置くなど、直感的に迷わずに操作できるための基本ですね。
自分ですらどこにしまったかわからなくなるので、ラベリングする。
自分で作った整理のルールですらも、半年も経てば忘れてしまいます。それが何も知らない人であれば尚更わかりません。引き出しの中を開けなくても、わかりやすいラベルがついてると探しやすいですね。
自分の決めたルールに従って、取り出したり片付けたりする。
分類と、位置を決めて、ラベリングしたら、整理整頓は一旦の終了。ですが大事なのはここから。ちゃんと毎日しまうのが結構大変なんですよね。デザインも、自分や誰かの作ったルールを壊さないようにしないと、努力が水の泡です。ポイントは、続けるのが苦にならないくらいに最初にわかりやすく整頓することでしょうか・・。
物の量や内容に変動がおきたら、改めて整理整頓する。
機能や内容が増えてきたら、ずっとそのままでなく、また新しく整理しなおします。将来増える可能性を想定したデザインにしておくと、負担が少なくてすみますね。(そういうのちまちま考えるのが好きだったりする)
やっぱり掃除とデザインはよく似ています。
最初頑張ればあとはずぼらでもなんとかなる
掃除は好きなんですが、私はすごくずぼらでいい加減な人間です。
むしろ、ずぼらだからこそ整理整頓したいんです。
ずぼらだから、ものを探したくない。
ずぼらだから、動作を最低限にしたい。
ずぼらだから、毎日頑張らなくても綺麗に保ちたい。
例えば、洋服は洗濯したあとに畳みたくないから、出来るだけハンガー収納にしているし、靴下は出来るだけ同じものを揃えて、靴下だけが入っている収納ケースに畳まずにポンと入れるだけ。
几帳面な人からしたら信じられないくらいのずぼら度かもしれませんが、自分の中の決められたルールは保たれて、快適に過ごせています。
注意するポイントは、似ているものほど気をつけて分類すること。
私はタイツとレギンスを両方たくさん持っているので、雑に分けていた時は間違えてめちゃくちゃストレスでした。
数がそんなになくても、似ているものはしっかり収納ボックスを分けてラベリングすると、ストレスがグッと下がります。
デザインでも、「編集」と「設定」など、誤認識してしまいそうなもほど、整理するときに位置やラベリング、収納する内容に気をつける必要があります。
整理する時は、あれやこれや考えるのは大変ですが、しっかり入れる場所、表示ルールを決めてしまえば、多少中の情報がたくさんあったり前後したりしても、きっと使いやすいものになると思います。(どのページにあるかさえわかれば、アプリケーションには現実世界には無い検索機能なんかもありますからね・・)
日々そんな風に、自分の中でルール付けて整理整頓を続けていると、ルールから外れているものが許せなくなってきます。
ー それはもう、ヒステリックに。
そうなってくると、もうデザインしていて不規則なものを見つけるのなんてお手の物。わざわざあれとあれをグルーピングして・・優先度がこうで・・と考えなくても、ある程度の情報量であればささっと整理できちゃいますよ。きっと。
散らかすことの意外なメリット
さてさて、ここまでは他にも聞いたことがあったり、一度は考えたことがあるようなお話でした。日々掃除をすると、きっとデザインは上手くなります。特に情報整理において。
でもそれじゃあなんだかお利口すぎる文章になるので、散らかす事も推奨したいと思います。
そんなに綺麗な空間が良いのか、整理整頓能力が必要なのか、本当にそうなの?と聞かれれば、答えは「No!」です。なぜなら、天才的なアイデアを出す人で、家の中が汚くて物で溢れかえっている人がたくさんいるからです。
アインシュタイン、ピカソ、スティーブ・ジョブズ・・・そして私の好きな中島らも・・。
私の友人でも、アーティスティックな人や作家性のあるひとほど部屋にものがたくさんある人が多いです。
以前、持たない暮らし派の私が、全く役に立たない綺麗なものを購入しようか迷っている際に、家に何かと物をコレクションしてしまうアーティスティックな友人はこうアドバイスしてくれました。
「何の役にも立たないかもしれないけど、それを見て創作意欲が湧いてくるなら十分に価値がある」と。
なるほど。たくさんの物はアイデアに繋がるのか。
物がたくさんある事、散らかっている事(この2つはイコールではないけれど)は、複雑な何かを思いつくのには必要なことなのかもしれない。
あと、これは私の自論なのですが、手っ取り早くいつも以上のパワーを発揮するには、怒りまたは 恋愛 の感情が必要だと思っています。
皆さんもありませんか、普段は短文のチャットしか打たないのに、イライラしている時ほどやたらと長文のチャットを打ってしまったり、目が冴えたりしてしまうことが。
空間が散らかっていると、大体の人は少しだけストレスを感じ、焦ったりイライラしたりします。
なので、勢いをつけて追い込まないといけない時、独創性の高いデザインをする場合なんかは、散らかっている方が上手くいくかもしれません。
掃除はきっとデザインを変える。
良くも悪くも。
だけどやっぱり綺麗にしようね
最後に、やはり年末なので掃除する事を勧めておきたいと思います。
どんなに天才の部屋が散らかっていようとも、散らかりすぎるとストレスが溜まったり、物がみつけられなかったり、食べ物が腐って虫が湧いたり、誰かに幻滅されたり、デメリットはたくさんあります。
よく聞きますよね、「お金持ちの家は部屋が綺麗」だとか、「マンションで事件が起こる部屋は大体ベランダが汚い」だとか。
それでも部屋が片付きすぎていると逆に集中できない、アイデアややる気が出ない人は、やる気を出すためのもうひとつの感情、恋愛感情 を利用してみてはいかがでしょうか。
職場や取引先で、憧れの人を見つけてみる。
集中して早く仕事を終わらせて、デートに出かける。
頑張って働いたお金で、お洒落したり豪華なプレゼントをする。
そう、もうすぐクリスマスですしね。
メリークリスマス!
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