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副業から得られるもの

昨日、三井物産の副業解禁ニュースが話題になっていました。


日本では少子高齢化が今後さらに進み、労働力不足になっていく課題があり色々な取り組みがされている中、副業は2018年に厚労省がガイドラインを新設したことをきっかけに解禁する企業が増えました。が、すべての企業がOKを出しているわけではなく、今回の大手商社の副業解禁は他の会社にも影響しそうな大きなニュースだなぁとみていました。(記事はインパクト重視だからか、YouTuberを強調していますが…”本人のキャリア形成に役立つ”というのが条件の一つみたいですね)

そもそも商社勤務の人は現職忙しい中副業は無理でしょ!とか色んな声が聞こえてきそうですし、私自身、今の仕事への力を分散させたくないとか、正直子育てしながら色々できない~思っていました。そもそも小さい子の子育自体が24時間365日営業で睡眠も浅くなる中、それ自体が仕事以外の仕事のようなものだったし。…なので、できる人が、やる必要がある人が、やれたらいいのではくらいに思っていました。

ただ、このような時代で、私自身副業を一度も経験をしていないこと自体が少し気がかりというか、社員をサポートする立場でもあるのに副業の良し悪しみたいなところを自分自身が体感できていないというモヤモヤもあったので、第二子の産休前の有給取得の際、たまたまタイミングよくお話をいただいたので、今しかない!と思い、1か月半弱という限定でとある企業の採用活動に携わらせていただきました。お金ではなく経験がとにかくほしかった。今思えば、産休(厳密には、有給期間内)という、いつ子供がうまれてきもおかしくない、いつ自身の体調が急変してもおかしくない状況でやってほしいと言ってくださった方々、つないでくださった方々には本当に感謝しますし、大丈夫だろう(まだ生まれないだろうし元気だよ!)と思った自分にも驚きます…。

やってみての学びが多々あったので、備忘録がてらいくつか記載しておきます。(人事としての観点が多いかも)

オンボーディングの重要性

副業=今回は業務委託なので、その業務のプロとして求められる以上、中途採用入社とは基本的な契約や求められることはもちろん違うのですが、結局は人対人、その組織で新しい業務をおこなう、ということには変わりないので、自分自身が中途入社をした疑似体験のようなことができました。

副業先はスタートアップでしたが、長く人事を経験されてきた方がいたこともあり、入社直後にやることがNotionにとても細かく書かれており、たくさん質問することもなく最初やるべきことがわかり、不明点がでればそこをみれば解決ができました。当社でも同様のものはありますが、共通でやるべきこと、みるべきことなどはまとめてあるものの、その部署で必要なことや、その人にやってほしいこと、業務のフローなども細かくまとめられていたので、とてもスムーズに入ることができました。効率的な初期設定、業務面でのオンボーディング。

一方で、100%リモートだったこともあり、やりやすい反面、難しさも感じました。特に、信頼関係構築面。会社にはどんな人がいるのか、チームメンバーの得手不得手や人柄など、やはり対面よりも時間がかかるなという印象。

中途入社や業務委託の場合でも最初の数回もし直接会うことができるのであればそのスピードはぐんとあげられそう。リモートがメインの場合はオンラインでの面談を重ねる・ざっくばらんに話す機会を設ける・オンライン懇親会や歓迎会をおこなうなど意図的に業務と、業務以外のことを直接話す機会をつくる。しっかりコミュニケーションをとれば、後述の「強みを活かす」というところができるようになると思います。

強みを活かす

この学びが一番大きかったかも。業務委託の場合も、中途入社の場合も、第二新卒ではない限り、ある程度経験を重ねているのでその人の強み、経験を活かした仕事を任せることがとても大事だなと思いました。

対面で一緒にやっていれば、この人はこういうことが得意なんだなとか、苦手そうだなというのも、比較的すぐに見えてくるけど、特にリモートの場合は見えづらいので、会社側が察知してよというより、自ら強み(必要なら苦手なことも)をしっかり伝えることが大事だなと。

私自身、1か月ちょっとの期間限定ということで、最初は新卒みたいに「なんでもやります!」的なスタンスで入ってしまいました。その結果、人が足りていない採用管理業務において候補者やエージェントとのやりとりなどからやってほしい、ということで開始。そして採用マニュアル検証タイミングと重なり、「採用マニュアル通りにやってください」というオーダー。

よくよく考えてみると、ここ何年かは採用管理業務は採用アシスタント(しかも仕事が速く抜け漏れがないスーパーアシスタント)にお任せし、私自身は役員や現場と連携しながら採用戦略を考えたり、新しい採用手法を取り入れたり、面接や内定した方との直接のやりとりをしたりと、全く違うことをやっていたので、採用管理自体は理解をしているしできなくはないけど、全く”強み”ではありませんでした。むしろ、私自身はマニュアルを作る側で、やり方は効果的なものがみつかればすぐに変更する、やりながら常に変えていく、というスタンスで仕事をしていたので、もはや強みどころか、マニュアル通りにやるというのは苦手でした。

「なぜマニュアル通りにやってないのですか」という指摘が入り、ようやく気付き(遅)、これではだめだなと思い、途中で上長の人事へ相談。採用管理ではなく、採用戦略を一緒に考えるところや、採用広報というところを任せていただき、少し軌道に乗ってきたタイミングで終了。ようやく会社や社員の理解も深まったタイミングだったので少しやり残した感はあり申し訳ないなという気持ちもありますが、改めてこの経験を通して、強みを活かした仕事をすること、そのために自分自身がこれまでの経験やそれによる強みをしっかり話し任せられる領域を議論することの重要性を改めて感じました。採用側としては「強みを活かした仕事を任せること」と、特にリモートの場合は「コミュニケーションを都度とって状況確認をする」こと(自分から言ってくれる人なら良いですが新しい環境で我慢しているケースも出てきそう)。文字に書くと当たりじゃんという感じなのですが、実際に体験したことにより、この不一致って発生するものなのだなと実感したため。

新しいツールとの出会い

普段自社では使っていないコミュニケーションツールや採用ツールなど、いくつか触れることができました。自社のツールの見直すタイミングにも役立てることができそう。副業ならでは!
一方で、100%リモートの場合は特に、情報セキュリティ対策面も大手になればなるほどしっかりやらないと足元すくわれる危険性があるなと感じました。共通ツールのパスワード変更の運用など(この会社ではしっかりやられていました)細かいことですが大事だなと。

改めて自社の良さや課題が見える

他社で働くと、改めて自社の良さがたくさん見えます。もちろん普段の仕事における課題も。隣の芝生は青く見えるときもあるけれど、結局はそれは他を本当に知らないから。入り込んだからこそ、自社の良さや課題が見えるので、また新たな気持ちで自社をみることができますし、よりよくしていくヒントも多々もらえます。

改めて自分の課題もみえる

自分自身も慣れた環境が長いと、考えるべきことを考えられていないことがあったり。自分自身の課題もたくさん感じることができました。


…そんなこんなで最初にご迷惑をおかけしつつも、非常に短期間ではありましたが受け入れてくださった方々に本当に感謝いたします。最後はお花までいただいて…涙。

ありがとうございました


副業で得られたことはここに書いたこと以外にも多々ありますし、間違いなく自己成長にはつながりました。

副業は、社員にとっては今の仕事を辞めなくても新しいことに挑戦できたり、趣味の領域を別の場所で活かしたり、家業を手伝うことができたり、第二の収入源になったり。必要な人には認める、いうのは良いなと。

ただ、その分責任も増えるので、物理的に仕事に向き合う時間も増え、すべてを頑張りすぎて体調不良になってしまったりすると元も子もないし、情報セキュリティ面など、諸々リスクもあるから難しいところもたくさんある。得られるものも多いけど、気を付けなきゃいけないことも多い。

人事としては、その社員を応援しつつも、今まで以上に現職での成果面・体調面などの変化を注意して見ていかないといけないなとも改めて感じました。

副業関連で読んだ本

本業・副業というよりも、複業、パラレルキャリアという様々な肩書があるような働き方。今のキャリアに加えて一歩踏み出してみること、視野を広く新しいことにチャレンジしてレベルアップしていくことの大事さ、そのための仕事術について書かれていました。

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