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世界の心の交差点で

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コミュニケーションと誤解の背景について、コーチング現場での実際の会話をもとに考えます。
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アメリカの中の「異文化」の歪みが顕在化した大統領選挙とは

アメリカの中の「異文化」の歪みが顕在化した大統領選挙とは

「よくbusiness is business という言葉があるように、欧米には、ビジネスとプライベートな感情をわけて対人関係を維持する文化がありますよね。例えば、仕事上では激しく意見を戦わせても、それは個人と個人との関係には影響を与えないというように。つまり、ビジネスとなれば、相手の立場への配慮や相手との人間関係とは別の次元で対応するんだというけど、それは本当でしょうか」

「その問いに答える前

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アメリカで、話題についていけず、会話から取り残されたらどうしよう!?

アメリカで、話題についていけず、会話から取り残されたらどうしよう!?

「アメリカに出張することが多いんですが、いつも向こうの人と食事をしたりするとき、話ができなくて困るんです」

「会話についていけないってことですか?」

「例えば、向こうの人が数名いて、僕が一人のときなんか、最悪なんです。彼らが自分たちだけの話題に没頭すると、まったく取り残されてしまうんですよ」

「何の話題って尋ねてみればいいじゃないですか」

「そんなことできませんよ。だって、彼らはとても早い

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日本人の「おもてなしの精神」って本当に海外に売り込めるのですか?

日本人の「おもてなしの精神」って本当に海外に売り込めるのですか?

東京オリンピックが近づくにつれ、日本をどのようにPRするかと、多くの団体が取り組んでいます。

ただ、このところ、とても気になることがあります。

それは、オリンピック招致の頃から、やたら日本人の「おもてなし文化」や、伝統工芸での「匠の心」などといった事柄が、大げさにアピールされていることです。

最近地下鉄で、「東京はミュージアム」と題して、東京という都市自体が日本人の「人を気遣う心」の生きたミ

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リオの五輪にみえた日本のお詫び文化を考える

リオの五輪にみえた日本のお詫び文化を考える

「リオの五輪で期待に応えられずメダルを逃したり、金が取れずに2位や3位に甘んじたりした日本の選手が、インタビューで申し訳ありませんと謝っていますね。あれは不思議なメンタリティですよね。」

外国人記者クラブでのランチのときに、そんな質問を受けたことがありました。

「あなたは日本に長いから、日本人が何か不本意なことがおきたらまず謝る癖があることを知っているでしょ。それなのになぜ今さらそんなことを質

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