理系の白衣はふつくしくない。
医療ドラマに出てくるドクターは顔がいい。それを一層ひきたてるフェチズムなアイテム――それが白衣だ(ここで言う白衣は羽織るタイプである。整体師の方がよく着ているケーシーは含まない)。
Vネックのスクラブ上下だけでも鎖骨が見えてセクシーだし、プロフェッショナル感が半端ない。その上から更に白衣を着られたらイチコロ待ったなし。
なお、私の推し医師はコウノドリの四宮先生(しのりん・ハルやん共に)とTOKYO MERの音羽統括官(あのジャケットには白衣とは別の趣きがある)です。以後、お見知りおきを。
というか、リアル医師が外来にいて白衣を着てるときは何となく清潔感が増してかっこいい事が多い気がするのだ。
だが、理系大学に行ったら白衣は「ただの汚れよけ」に成り下がりやがった!!
この記事では、打ち砕かれた私の萌え魂を弔うために、色々ぶちまけさせていただきます。
卒論まではほぼ週一しかいらない
大学二・三年だと、毎週月曜日だけ午後ぶち抜きで実験だった
必修の生理学実験が二年前期から始まる。白衣がないと参加できないため、別学部の知り合いがいない私は、絶対に忘れないよう気をつけていた。というか、前週の実験レポートを後回しにした挙げ句、日曜の夜に死ぬ気で終わらせる生活をしていたので忘れようとしても忘れられなかった。
DNAを抽出するときくらいしか、危険な薬品を使った記憶はない。ただ、試薬や培地の原料でも、普段着のTシャツに付着すれば気になる。変色や穴あきなど、帰りの電車で人目が気になる有様にはなりたかない。羽織れば気合も入るし、「こんなのいらないじゃん」とは思わなかった。
一年での物理学実験では「不要」と言いきられる。
話は変わるが、中高時代に座学なのに毎回白衣姿で来る先生はいなかっただろうか?
私の高校にはいつも白衣を着て登場する生物教諭がいた。ロングヘアでネガネを装着した若い女性だったから、それはそれでぴりっとして素敵だったけれど――おっと!
結論から言うと、彼らが白衣を着ていたのは”カッコつけ”か”毎日服を選ぶのがめんどくさかった”からだろう。
なぜなら、大学一年の教養科目の一つだった物理学実験では受講一回目のガイダンスで「白衣はいりません(≒力学とか波の実験では薬品を使いません)」と言い切られたから。
(※実際、暗室で器具を少しずつずらして屈折した光の進路を実測したり、ラストのお楽しみではんだ付けしたりだったので、白衣を着てたら邪魔なだけだったと思う)
同じく教養科目だった化学実験では白衣は必須だった。
でも、白衣は結構通気性悪いので、夏にエアコンないと蒸れるはず。30℃超えでも頑張ってスタイルを貫いている先生がいたら応援してあげてほしい。
卒論に入った途端酷使され始める白衣
私は就活がぜんぜん終わらなかった組だったため、卒論オンリー組と比べると研究室に通う頻度は低かった。というか、研究のセンスがなさすぎてあえて就活を入れまくってできるだけ通学を避けた。マヂ地獄でしかなかった……。 それでも白衣めっちゃ着たって実感した。一生分着たレベルで。
院生では白衣のままトイレ&購買に突撃する人までいた。
私「〇〇さんてどんな人?」
同研メンバー「いつも白衣着てるからひと目でわかるでー。声でかい男の人や」
(↑ほぼ原文ママ。なお、本当に即「この人だな(確信)!」ってなった。)
ただ、先に書いたとおり理系における白衣は汚れよけだから、基本はみんな研究室を出る時は脱いでいた。
逆に言うと、研究室だと基本着っぱなし。でも、これまでは週一しか着てないから一着しか持ってない。結構お値段するし、卒業したら着ないケースがほとんどだから洗い替えを買うのも悔しい。
就活が終わった後だと、研究室に来る頻度が高いからだいたいが白衣を持って帰らなくなる。
当然、汚れもシミもそのまま蓄積される。急に危ない薬品も使い始めたけど構いやしない。どうせ卒業したら捨てるんだから!
医者の白衣にはあるが、理系にはないもの――それは清潔感といふもの
要約すると、医者の白衣は「自らの立場を示す」意図が強いのに対し、理系の白衣は「汚れよけ(防護服)」としての役割が主なのだ。
どっちが正解というわけでもない。ただし、医療ドラマのイメージで理系に進むのはやめたほうがいい。
私達の白衣には、清潔感が足りなすぎたから。
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