Yamako.

小説を書くのが好きです。個人メディア▶https://8mako-writer.wor…

Yamako.

小説を書くのが好きです。個人メディア▶https://8mako-writer.work/

マガジン

  • 短編小説・詩

    ちょっと重めのヒューマンドラマが多めの作品群。

  • エッセイ

    実験が死ぬほど苦手なのに理工系大学に進む羽目になった、かつての私が感じていたことなど、雑多に書いています。

最近の記事

味しらべ。【詩】

チョコレートはジゴロ 甘く溶けて、口の中にじゅん、と広がる おかきは江戸っ子 固すぎて、ちょっといけず でも、噛み砕いてみるといいお味 ミニトマトはお孫さん トマトよりちっちゃくて、かわいくって どうしようもなく特別感 このお味噌汁はママ 昔は当たり前だと思ってたけど 大人になったらじんわり染みる 忘れたくない、あたたかさ

    • 竹馬ん友の頭ん中。【短編小説】

       メロス。君がアホの子であることは承知している。  だが、今回だけは言わせてもらうぞ。  その一。王の暗殺を企てるなら、家の用事は済ませてから来なさい。  その二。勝手に人を身代わり指名するんじゃありません!  幼少期に足が速いというだけで女子にもてはやされ、勘違いして成長したせいで友と呼べる者がいないのは知っているが。  私は今、誰とでも広く親交を持ってきた事をかつてないほど悔やんているぞ。  なぜ、私が君の指名を受けたと思う?  私はこの城下町に暮らしている。石工

      • デリ丸。が今日もかわいい。

        • 蜘蛛の糸の蜘蛛【掌編小説】

           いかにも私は天上に暮らす蜘蛛である。  悟った人・仏陀の遣いであり、あの方が望むならばどんな役目でも果たしたいと思っておる。しかし――。  いくら蜘蛛とて、無限に糸を吐ける訳ではない。  糸を吐く行為自体、それなりに負担がかかるのだ。  「地獄の底に糸を垂らし、大の男ひとりを引っ張り上げろ」とは、何という無理難題!  ……とはいえ、否と言えるはずもなく。  僅かな猶予を使い、氣を集める。  雲の上で不死の山の煙を浴び、蓮の花の蜜を啜り、極上の糸を吐けるよう己を整え

        味しらべ。【詩】

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        • 短編小説・詩
          6本
        • エッセイ
          5本

        記事

          テロメア。【再掲】

           独りぼっちは、寒い。肌がひやりとして、ピリピリと引き攣れるよう。  五十年前。この世界から、「ニンゲン」は消えてしまいました。 「……おはよう、メア」 「なーん」  私は明るい日差しで、いつも目を覚まします。時計は必要ありません。だって、時間はニンゲンが勝手に作った概念なのですから。大勢の人々が混乱なく動くためのそれは、もう役目を終えていました。  ベッドの上に飛び乗ってきた年寄りの猫・メアは、私の呼びかけに気だるげな鳴き声を返します。この子は「七匹目のメア」です。  

          テロメア。【再掲】

          ざまあみろ【詩】

          糸にぶら下がって ゆらゆらしている針が嫌い 子供のころは おっかなびっくり なかなか穴に通せなくて 勤めだしても 全部お母さんに丸投げた だけど 三十過ぎたら 私しかあのちっさな穴が見えなくなって しぶしぶ 糸通しの役目を仰せつかった えらくあっけなく済んじゃって ちょっと呆気にとられるくらい いつの日か 私がおばあちゃんになっても かわりに糸を通してくれる人はいないけれど それなら 毎日Tシャツやジャージを履けばいい フリースもセーターも ボタンがない服なんてたっ

          ざまあみろ【詩】

          吾輩はちぃである!

          吾輩はちぃである!

          6年間チャリ通学したら色々ありすぎたッ!!

          《ごく小規模の交通事故の描写を含みます。苦手な方はご注意ください》  田舎での自転車通学は楽しい。中高生のころは、台風がきた日も片道30分の道のりを爆走していた。カッパを着たまま立ち乗りで坂を上がったときの高揚感たるやハンパない。「向かい風に立ち向かう俺強い! カッコいい!」――大人になった今なら言える。素直に電車で行け。可能ならパッパに送ってもらえ。いのちだいじに。  まぁ、こんな風にキマってなくても、季節の移り変わりを感じられるし、毎日体を動かすから健康維持にも役立つ

          6年間チャリ通学したら色々ありすぎたッ!!

          理系の白衣はふつくしくない。

           医療ドラマに出てくるドクターは顔がいい。それを一層ひきたてるフェチズムなアイテム――それが白衣だ(ここで言う白衣は羽織るタイプである。整体師の方がよく着ているケーシーは含まない)。  Vネックのスクラブ上下だけでも鎖骨が見えてセクシーだし、プロフェッショナル感が半端ない。その上から更に白衣を着られたらイチコロ待ったなし。  なお、私の推し医師はコウノドリの四宮先生(しのりん・ハルやん共に)・TOKYO MERの音羽統括官(あのジャケットには白衣とは別の趣きがある)です。以

          理系の白衣はふつくしくない。

          大学二年(後期)の生物学科生が慄いた「マウスの解剖」

          ※この記事のテーマは「マウスの解剖」となります。小動物の死や内臓、血に関する描写を含みますので、苦手な方は閲覧をお避けください。 はじめに 先日公開した記事のとおり、私は科学の実験がものすごく苦手だ。  だからこそ、バチバチに理系な5歳年上の兄が地方国立大の工学部に合格した時は「数学も物理もできるアニキかっけー!」と尊敬の眼差しを注いだ。実家を離れた彼が楽しいキャンパスライフを送るだろうと疑わなかった。  そんな優秀な兄が大学レベルの化学で落ちこぼれ、精神的に疲れて休学し

          大学二年(後期)の生物学科生が慄いた「マウスの解剖」

          実験嫌いの女子、ガスバーナーに泣かされる。

           私事だが、科学の実験が嫌いだ。生理的に無理なレベルで。 コミュ障 不器用 ビビリ  この3つの欠点のせいで、生まれてはじめてフツーの光学顕微鏡を見たときは体がすくみあがった。小学校の中~高学年だったはずだが、おっかなくて指一本触れずに終わった。  どうしてかって?  オーケー、今からありのままを白状するから笑うなよ。絶対笑うなよ!  「何かしでかして、この高そうなの壊したら終わりだ」って思ってた\(^o^)/。  具体的には「手を滑らせて落とすかも」とか「ネジ

          実験嫌いの女子、ガスバーナーに泣かされる。

          ゲーム音痴が「ポケモン緑」でやらかしたことwww

           人生初のゲームがゲームボーイ板の「ポケットモンスター緑」だったんですが、私はセンスがなくてやらかしまくりました。  前置きは不要。一気に晒していくぜ! 1:主人公の家から出られない。 初代ポケモンて、マサラタウンにある主人公の家の二階で始まるじゃないですか。テレビゲームとパソコンがあったはず。  で、一階には降りれるんですよ。明らかに階段が見えるから。  だけど、外に繋がるドアは見えないんですよね。玄関マットがおいてあるだけで。  15分近く、ほとんど何もない家を調べ

          ゲーム音痴が「ポケモン緑」でやらかしたことwww

          サラダには向かない。【詩】

          買ったばかりのレタスの葉に茶色の筋がありまして それが生きていた頃にこの子が貯めた栄養素なのも知っていますが 私は一枚剝いで捨ててしまう だって見栄えが悪いんだもの 「せっかくがんばったのに」なんて怒ったら嫌 残りは全部きれいに食べるわ 君の命に毎回手を合わせて 「いただきます」って言ったあと ぺろりと私の一部にしてしまうから

          サラダには向かない。【詩】