「ユリガッシーン!」 第3話

〇同
小百合M「ごめんなさい。これが終わったら何としても断らなきゃ!」
千春「行きますわよ!」
小百合「うん!」
CPジヘン「貴様らは!」
小百合「一気に制圧する!」
千春「あなたをぶっ倒す者ですわ!」
CPジヘン「小癪な!」
   小百合と千春、CPジヘンに攻撃を仕掛ける。
千春「何とかしてあのボタンを取り返さないと!」
小百合「それなら私に考えが!」
千春「え?」
小百合「正面突破だ!」
   驚く千春。
千春「ええ?公園の人々を人質に取られてるようなものですわよ?」
小百合「男とか女とか関係ない!私も花澤さんみたいに真正面から向き合っ
 てみる!」
千春「何の事か分かりませんがその心意気や良し!ですわ!」
   CPジヘンにパンチする小百合。
CPジヘン「女の子のパンチ結構痛い!」
   その隙にボタンを奪い取る千春。
千春「これをこうですわ!」
   ボタンを粉々に砕く千春。
   公園にいる人々が元に戻る。
小百合「元に戻った!」
千春「早く逃げて下さいまし!」
   逃げていく人々。
CPジヘン「おのれ!お前ら!」
小百合「こっちはあんたらのせいで情緒がめちゃくちゃなんだ!さっさと倒
 す!」
千春「?そうですわね?こんな奴さっさと倒してしまいましょう!」
小百合M「花澤さん……」
   下を見る小百合。
CPジヘン「名乗らずに攻撃するとは卑怯シピ!」
小百合「悪党に名乗る名は無いわ!」
千春「でも確かに一理ありますわ」
小百合「はい?」
千春「医大を目指して二浪してるお兄様が好きな朝やってる5人組も戦国武
 将も戦う前に名乗ってますわ。そうです!名乗りましょう!これも演劇の
 演出に使えそうですわ!」
小百合「花澤さん、何言ってるの?」
千春「ちょっと待ってくださいまし」
CPジヘン「待ちます」
T3分後
小百合「できたよ」
CPジヘン「待ってたシピ」
小百合「(恥ずかしながら)レ、レッドガッシーン!」
   千春、メガホンとグラサンを付けている。
千春「カット!何恥ずかしがってるの!」
小百合Ⅿ「そういや花澤さん、演劇部で演出家志望だった!厳しい!」
千春「何を恥ずかしがることがあるの!殻をぶち破って!その先には進化し
 たあなたがいますのよ!」
小百合Ⅿ「ええい!どうにでもなれ!」
小百合「(キメポーズを決めながら)レッドガッシーン!」
   千春、拍手をする。グラサンとメガホンを捨てる。
千春「それですわ!わたくしも!」
千春「(キメポーズを決めながら)ブルーガッシーン!」
小百合・千春「我ら!戦う青春乙女!ユリガッシーン!」
千春「私自身の力で物語を切り開く!」
小百合「私の運命は私が決める!」
CPジヘン「(拍手しながら)素晴らしいシピ~!これで戦いに集中できる
 シピ!」
小百合「それってどういう」
CPジヘン「隙あり!」
   触手を伸ばすCPジヘン。
千春「危ない!」
   小百合を庇う千春。CPジヘンの触手に捕まる千春。壁に打ち付けら
   れる。
千春「キャッ!」
   顔を上げる小百合。
小百合「花澤さん!」
   小百合、捕らわれた千春にドキッとする。
千春「くっ!動けない!」
小百合M「何なんだこの気持ち?可愛いと思ってしまった?のか?」
CPジヘン「シピシピ!やってやったシピ!」
小百合「卑怯だぞ!ちょっといいと思ったけど!」
CPジヘン「?何かよくわからないけど怪人に卑怯は付き物シピ」
   巻きつけられた触手を解こうとするが解けない千春。
千春「1人では無理ですわね!」
   苦しむ千春。
小百合「今助けるから!」
小百合M「私だ!私のせいだ!私が余計な事考えるから!でも苦しむ花澤さ
 んも……!馬鹿!また余計な事を!」
CPジヘン「次はお前の番シピ!喰らえ!」
   CPジヘン、触手を小百合に伸ばす。
   小百合、CPジヘンの攻撃を回避し、千春の元に駆け寄る。
小百合「すぐ解くからね。花澤さん」
   小百合、千春の触手を解こうとする。
千春「何してるんですの!私に構わずにあの怪人を早く!わかるでしょ!」
小百合「わっかんないよ!」
   叫ぶ小百合。
千春「はい?」
   戸惑う千春。
小百合「昨日あんな事言われてさ!今日は振らなきゃと思ってここに呼んだ
 のに!こうやって戦ってる間にも花澤さんの存在が大きくなっていって
 さ!キスの感覚も色濃く残ってるしさ!今こうやって解こうとしてるのに
 ちょっともったいないなとか思ってるもん!私、花澤さんのせいでどうに
 かしちゃったんだよ!」
   千春を解く小百合。ポカンとしてる千春。
千春「な、なんだかよく分かりませんが、ありがとうですわ」
千春M「わ、私のせい?」
小百合M「私は一体何言ってるんだ!」
   顔を真っ赤にする小百合。
千春「さぁ今から逆転劇ですわ!」
CPジヘンM「な、なんだかすごい尊いシピ。あまりにも尊すぎて手が出せ
 なかったシピ。あれは男が間に入っちゃダメなやつシピ……」
   頭を横に振るCPジヘン。
CPジヘン「ええい!もう一度触手の餌食になってもらうシピ!」
   触手を伸ばすCPジヘン。
千春「二度も同じ手は食いません!」
   攻撃を交わす小百合と千春。
   CPジヘンの触手が再度迫りくる。
小百合・千春「うりゃぁ!」
   CPジヘンの触手を引きちぎる小百合と千春。
CPジヘン「痛いシピ!痛覚あるんだから容赦してほしいシピ!」
小百合「痛覚があるって事は花澤さんの感触もあったって事?」
CPジヘン「いやまあそりゃあ柔らかか……」
小百合「(遮って)絶対許さない!」
CPジヘン「え?」
   CPジヘンを何度も殴る小百合。
   吹き飛ばされるCPジヘン。
CPジヘン「ぐほっ!」
小百合「花澤さんみたいに可愛い子に無断で触るなんて絶対許さない!」
CPジヘン「女の子のパンチやっぱり痛いシピ!というかこいつやばい奴シ
 ピ!愛が重たいシピ!あと殴るのやめて!」
小百合「一気に決めてやる!花澤さん!ジャンプ!」
千春「ちょ!ちょっと!」
   上空へとジャンプする小百合と千春。
小百合「ユリガッシーン!Wキーック!」
千春「え?キ、キーック!」
   上空からCPジヘンにキックを食らわせる小百合と千春。
CPジヘン「ぐわああああああ!」
   着地して、小百合と千春、ハグをする。
CPジヘン「最後に尊い物を見せてもらったシピ。我がジヘン生に一片の悔
 いなしシピ」
   爆発するCPジヘン。
   ハグしたままの小百合と千春。
千春「ちょっと!え?どういう事ですの?分からないとか私が悪いとか?」
   戸惑う千春。
小百合「よかった!無事でいてくれて!私のせいで怪我でもしたらどうしよ
 うかと!」
千春「そ、そんな心配はご無用ですわ。私、これでも丈夫な方ですから」
   ニコッと笑う千春。
   小百合、千春の臭いを嗅ぐ。
小百合M「花澤さん、ちょっと汗臭いな。でもこれもいいかも?なんか落ち
 着くなぁ。汗の匂いっていいかも。良い匂いだ」
   何かに気づく小百合。
小百合「私、花澤さんのせいで変になっちゃった」
千春「え?」
小百合M「も、もしかして!」
   ハグを辞める小百合。
   自分の体臭を嗅ぐ小百合。
小百合「やっぱり臭い!」
千春「は、はい?」
小百合「こっちの話!」
   ×××
   変身解除している小百合と千春。
   少し距離がある小百合と千春。湖を眺めている。
千春「いい景色ですわね。赤く染まる夕空が眩しいですわ」
小百合「そ、そうだね。私たちが守った景色だもんね」
千春「そう言えばどうして私をここに呼んだんですの?」
小百合「え?」
小百合M「今更振るためとは言えないし、振る口実も無くなってしまった
 し……!一体何て言えばいいんだ!恋人?いやでも私みたいなのと花澤さ
 んみたいな人は釣り合わないし……!女同士だし……!でも告白はされてる
 し……!ああ!どうしたら!」
千春「どうしましたの?」
小百合「あの、お友達になってください!」
   頭を下げる小百合。
小百合M「何言ってんだ私~!」
千春「そんなことでしたら!」
小百合「え?」
   距離を詰める小百合と千春。
   握手する小百合と千春。
   頭を上げる小百合。
千春「是非!こちらこそ!」
   顔を真っ赤にする小百合。
千春「お友達になったんですからお名前を知りたいですわ!」
小百合「え?知ってるんじゃ?」
千春「フルネームで是非!」
小百合「あ、ああ!私は小百合!羽田小百合!」
千春「羽田小百合さんですか!素敵な名前ですわね!」
小百合「私の名前知らなかったの?」
   驚く小百合。
千春「ええ、でもいいじゃないですか!今こうして知れたんですから!小百
 合さん!」
小百合M「やっぱりなんで告白されたんだろうか?まぁいいか!」
小百合「私も千春さんって呼んでいい?」
千春「ええ、もちろん!」
   時報を知らせるチャイムが鳴り響く。
千春「あら、もうこんな時間!」
   にこやかに小百合笑いながら
小百合「私の初めて奪った責任、取ってよね!」
千春M「責任?何の事でしょうか?ま、いいですわ」
千春「ええ!もちろん!」
   ニコッと笑う千春。
   それにつられて小百合も笑う。
   肩と肩がひっつきギュッと手を繋ぐ小百合と千春。
タイトル「彼女達の物語は続いていく」
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