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強い力と弱い力 はじめに 2



幻冬舎新書の「強い力と弱い力」を読みながらノートをとったり、まとめたり感想を書き留めたりしています。


まずは「弱い力」から。弱い力にはヒッグス粒子が関与するようですが、どんなふうに関与するかはここでは述べられていません。まだ「はじめに」の項を読んでいるところなので、本編に入ればもっと具体的なことが述べられるんですね、きっと。


「はじめに」では、弱い力が私たちの生活にどんなふうに影響を及ぼしているかについて、いくつか例をあげて示されています。

弱い力は、放射線、地震、そして太陽の燃え方などに関わっているそうです。

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まずは東日本大震災の際に大きく報道されたセシウム137について。

セシウム137の原子核は陽子が55個、中性子が82個からできています。ちなみに原子核っていうのは原子の中心にある部分ですね。原子核の周りを電子が回って(もやもやと存在して?)原子を構成しています。

陽子が55個で中性子が82個。。合計するすると137。ということはセシウム137という名前の「137」は原子と中性子の数を足した数字なんでしょうか。

それはさておき、原子核の中で、陽子と中性子の数が違うと原子は不安定なんだそうです。不安定な時原子は、中性子を陽子に変えることで安定しようとする性質があります。

ここで登場するのが「弱い力」です。

「弱い力」が働くと中性子が陽子に変わるのです。

ここで本書では、こう書かれています。


 力が働いて粒子の種類が変わるとは、奇妙なことだと思われるかもしれません。
 学校の理科の時間に勉強する「力」とは、物体の運動の様子を変化させるものです…(中略)… しかし、力の働きは、物体の形や運動の形や運動の仕方を変えるだけではありません。


ここで面白いなあと思ったのは、著者が「言葉の力」や「芸術の力」に言及しているところです。これらの力は物体の運動を直接買える力はないけれど、その言葉を読んだり聞いたり、また芸術作品を見た時などに人の心が動かされ、考え方なども変わることがあると述べています。


物理学の力の説明に、言葉や芸術の力を例にするのはどうかなーとは思ったんですが。。。

例が適切かどうかは別として、「言葉の力」や「芸術の力」って改めて考えてみると面白いなーって思いました。

心温まる物語を読んだときなど、自分も優しい気持ちになって、他の人にも優しく接したり、辛い境遇にいる人の少しでも助けになればと寄付したり。その物語を読むと前と後では行動の仕方が変わることってありますよね。その物語から直接エネルギーが出ているわけでもないのに、読んだ人の行動を変えてしまうって、不思議なことですね。。。


ああ、本書と関係のないほうに思考が飛んでしまいました。

不安定なセシウム137原子を安定させるために、弱い力が作用して、中性子が陽子に変わるんでした。セシウム137の陽子と中性子のバランスが整うと、安定したバリウムになります。

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このセシウム137からバリウムに変わる時にベータ線と呼ばれる電子と、ガンマ線と呼ばれる電磁波が放出されます。このベータ線とガンマ線こそが癌の原因なのです。というのも、ベータ線やガンマ線の運動エネルギーはDNAの中で原子が結合しているエネルギーの、なんと10万倍もあるのです。

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これがDNAのらせんを2本とも断ち切ってしまうと、もう修復できなくて間違った情報をもったDNAのまま大量の悪性細胞を作り出してしまい癌になるのだそうです。

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