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営業電話をかけ続けた新人時代。会社が怖くて死にたくなった頃。

夕方17時位になると事務所や店にかかってくる電話。「株式会社〇〇と申しますが、社長いらっしゃいますか?」と丁寧な人も、いやに馴れ馴れしい人もいる。この営業電話をかけ続ける仕事をしたことがある方いらっしゃいますか?

こんにちは。船橋市場の中で市場カフェを経営しながら、タウン誌やインターネットニュースの編集をする会社を経営しているやまけんです。

僕はサラリーマン時代、上記のような営業電話をかけ続ける営業職を経験してきました。「15時になったら飲食店はアイドルタイムだから暇になる」とか、「17時になると中小企業の社長は営業先から戻ってくる。そのタイミングでかければつながる可能性が高い」「え?社長の名前?そんなん知らなくても社長います?って馴れ馴れしく電話しておけ。社長の友達だと思って間違って繋ぐやつがいるから」とか教育を受けたわけです。

今日はそんな電話営業を中心に営業職という仕事について書かせていただきます。

※アイドルタイム=ランチ営業が終わって、夜の営業までの間の時間。飲食店では比較的打ち合わせや事務作業、仕込みや仕入れなどに時間を使う。

電話営業のパターン

事務職の仕事をしたことがある人だったり、事務所に代表電話が置いてあって電話番をした経験がある人だったら誰しも営業電話を受けたことがあると思います。

いろんなパターンがありますが、受ける側と、かける側の立場を両方経験している身から書かせていただきます。

「プルルルル」

「はい。▲▲商事です」

「私、株式会社〇〇の△△と申します。社長いらっしゃいますか」

「社長は外出中です。どういったご用件でいらっしゃいますか?」

「あー前に、電話するって約束してあったので、例の件でって伝えておいてくれれば大丈夫です」

「社長の▲▲から電話させましょうか」

「じゃ、お願いします。090-×××-××××で株式会社〇〇の吉田でお願いします」

「かしこまりました」

しばらくして…

「先ほど社の方に電話頂いた▲▲と申しますが、株式会社〇〇の△△様でいらっしゃいますか?」

「あー社長、すみません。折り返しもらってしまって。△△です!」

「あの、私、△△様とどこでお会いしたのか忘れてしまって…電話をしてくれとお願いしていたというのに失念してしまって…失礼しました」

「いやー社長とは会ったことないんですが、弊社の▽▽という前任の担当者が▲▲商事さんに以前に一度伺ったことがあるようで、よろしければ担当が変わったご挨拶にお邪魔してくって」

昔、僕がまだ若いころにこんな感じで営業をして半ば強引にテレアポやっていたことがあります。はっきりいって、印象悪いですよね。嘘ついてアポ取って…

こんなひどいやり方でも、実際に会ってみたら相手先の社長さんに気に入ってもらって仕事につながった事も多数あるので、僕の中で当時は成功事例だと考えていました。

ちなみに、いま僕がやられたらイライラするかも知れないです…「嘘ついて電話してきて何なんだよ!」って。

営業をしかける側の理屈

電話営業する場合、まずアポさえ取れればOKと考えているので、あらゆる手段を駆使してアポを取るという目的達成を考えるものです。

多少騙しても良いからアポを取れればいいって考える場合は先ほどの例のようにアポを取る事だけに特化して方法を考えます。

そういう時に使うのは、

社長の友達を装って馴れ馴れしく「社長いる?」というパターンとか、HPで名前と顔が出ている時は、「社長の▲▲さんいらっしゃいますか?」とか。飛び込み営業で訪問しただけの会社なのに「先日お邪魔した〇〇です。先日のご提案の件で▲▲社長をお願いします」って電話したりしていました。

しかし、こういう方法だと先々の人間関係を構築するのには最初のとっかかりの印象が悪すぎますよね。そういう事を経て、「ちゃんと時間を取ってもらうためにどうすればいいのか」を考え始めたんですけどね。その話はまたおりをみて。

会ってもらえさえすれば…という信条の時代

話をアポさえ取れれば…の時代に戻します。

僕は当時、「会ってさえもらえたら何とでもできる」「嫌われるよりも好かれる方が多いはず」と割り切っていました。中小企業の社長の多くが良い人材を欲しがっています。

自分の意思を伝えたら手足のように動いてくれる人材。

そいつに任せておけば仕事が回るという人材。

中小企業のオーナー社長の多くが「そういう人材が自分の会社に入ってきたらあれもできるし、これもできる」と妄想したり…構想したりして会社を大きくしたり自分のビジネスを大きくするのが好きなのです。

会ってさえもらえたらそういう社長に好かれるように…

笑顔でハキハキと明るく、チャコールグレーやネイビーブルーのスーツに白いワイシャツ。ストライプのネクタイを付けて大きなカバンを持って元気に歩く。革靴も靴下も黒で統一して…という一部の隙もない営業スタイル。

営業マンの資質として、お客さんの質問に全てこたえられる商品知識は当たり前。

その前段階で…飛び込みセールスにしても、電話でのアポ営業にしても最初に会ったときに一瞬でも嫌悪感を持たれてしまったらもったいないと考えていました。万が一にも嫌われないように個性を一切なくして理想の営業マンを演じていました。

営業職の成果を出す方法は確率論で説明できます。

飛び込みやテレアポでせっかくつかんだ貴重な見込み客を服装や外見が理由で失いたくなかったんです。

電話営業のコツ

普通に電話をかけてアポを取ろうとおもうと、最初は100件かけて1~2件くらいとれるかどうかでしたかね。上達してきたら10件かけると6件~7件くらいはとれるようになってきました。つまり、100件掛けたら60~70件くらいのアポが取れる計算です。

最初はリストをもらって機械的にひたすらかけるだけ。この手のタイプの電話営業は4月~5月に特に多くなります。新卒採用で入った社員が研修を終えて営業電話の猛攻をかけてくるからなのでしょうね。(今回の自粛期間中も電話営業多かったですね…)

この段階で大抵の人が、仕事嫌いになって退職を考えます。「俺も昔、営業経験したんだけど…営業って大変な仕事だよね。嫌われる役だよね」って言われるパターンです。

ただ、数を機械的にこなすだけの営業職は本当につらいと思います。

この段階から抜け出すために電話でアポが取れる確率を上げる方法を考えていきました。

電話をかける時間帯、社名や店名から業種を想像して求人広告が必要そうな会社に検討をつけて連絡する。会社名が分かったらHPを探して、事業内容とか、求人ページを確認して連絡する。大抵他社の求人広告からひぱってきたリストを渡されていたので、かける前に他社で出している求人情報をみて、脈がありそうなものをチェックしてから電話するようにしました。

例えば、電話営業かけてきても、僕の会社の事業内容の事も全く知らなくってアポをくれって言われても「無駄だなぁ」としか思えないですもんね。どうせアポを取って会うのであれば意味のある時間にしてくれる人としか会いたくないですからね。

飛び込み営業のコツ

飛び込み営業をした時に、未経験でも100件飛び込むと2~3件程度の見込み客があります。電話営業よりも感覚としてマシでした。もちろん、どんな商品を扱うかにもよりますが、僕のやっていた求人広告ではあの時代、企業や商店に飛び込みするとそんな感じでした。

この効率を上げていくために、業種や企業規模などを検討付けて訪問するようにしたり、時間帯を考えたりしと試行錯誤していきました。

例えば…

飲食店に営業時間中に訪問しても相手にされないし迷惑になる。14時くらいになってランチのお客さんが店を出てから訪問してみよう

とか

昼の時間終わり位にあえてご飯を食べて、会計するタイミングで聞きたい事だけヒアリングしてみたり…

父ちゃん・母ちゃんでやっているような仕事にはアルバイトのニーズがなさそうなので飛び込みしても無駄になる可能性が高いぞ

とか判断してみたり

不動産業や歯科医院などはキーマンに会える可能性が低いから資料だけ受付に預けよう。必要な時に電話が来る仕組みを作ろう

とか。

わざと雨の降る日にびしょ濡れになりながら飛び込み訪問して傘を借りて、その受付の人が当番の日に傘を返しに行ったり

とか。

大雪の日にあえて目を付けていた会社に飛び込み訪問して、社長くらいしか出勤していない事務所でそのまま商談させてもらって感心してくれた社長からその場で受注をもらった経験もあります。

ビルに飛び込み営業かけるときには、最上階まで階段で登っていき、上から順番に飛び込み営業かけるのはセオリーでした。この方法だと途中で飛び込みが嫌になっても、帰りがけに全部の会社に訪問していけますからね。

ちなみにこの方法で会談で会った人にあいさつしていたら、たまたまビルの中にある会社の社長さんとすれ違っていて「おぉさっきの元気のいい若者か!」ってその場で受注くれたこともありました。

こんな感じで準備やタイミングを計る事に全てをかけて受注に至る確率の向上を図り続けていったんトップセールスになりました。

そこからさらに磨きをかけて受注効率を高くするためにたどり着いたのが、「紹介」というスタイルだったんですけどね。その話はまたの機会で。

死にたくなるほど思い詰めた経験

ちなみに、僕は営業マンをやっていた時に遠くから走ってくる中央線を見ていたら会社に帰るのが怖くって飛び込み自殺をしそうになったことがあります。本当に思い詰めていたんでしょうね…子ども2人抱えて初めての飛び込み営業で結果が出なかった時代の懐かしい思い出です。

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