漫画を描き始めたのは、社会人になってから。SNS で大人気の生きもの4コマを描く一日一種さんインタビュー
生きものイラストレーター・漫画家の一日一種さんが、SNSで発表している生きもの4コマ漫画『わいるどらいふっ!』は一見可愛らしくコミカルな漫画ではありますが、その作品には身近な自然・生きものの魅力や学びが詰まっており、Twitterではフォロワー数5万人を超えるなどSNSを中心に人気を博しています。
今回は『わいるどらいふっ!』3巻の刊行を記念して、一日一種さんの生きものや自然の知識に関する豊富な知識はどのようにして学んできたのか、『わいるどらいふっ!』はなぜ誕生したのかなど、さまざまなことを聞いてみました。
はじめは生きものの写真を一日一種、SNSに投稿していた
——『わいるどらいふっ!』は、一日一種さんが元々SNSで描いていた漫画を書籍化したものですが、どのような経緯で描き始めたのでしょうか。
もともと仕事の中で、自然や生きものの解説など、インタープリテーションのようなことをやっていてそれが結構好きだったのですが、東京から地方に転勤してからはそういう機会がなくなり……。そのため、ネットで毎日一枚、生きものの写真を撮ってSNSにアップするというのを始めました。職場の前に咲いていた「ホトケノザ」とか。その時のアカウント名が「一日一種」で、今でもその名前を使っています。
でも写真をあげていても、あんまり見てもらえないなと思って。そこで絵を描いてみたら写真より全然反応が良かった。さらに漫画を描いてみたら明らかにSNSで反応が上がっていったので、それがきっかけでずっと描き続けているみたいな感じです。
——イラストは昔から描かれていたのでしょうか。
いえ、小学生くらいの時に絵は描いていましたけど、特別すごく描いていたわけでもなく、ちょっと絵が好きな子供くらいな感じでした。だからイラストを本格的に描き始めたのは社会人になってからです。その時には、昔と違ってPCで絵を描くツールとかソフトとかが色々あって、さらにSNSなどイラストや漫画を投稿すると見てもらえる場というのも増えていたので、それもきっかけになりました。
大学から本格的に生きものに興味を持ち始める
——『わいるどらいふっ!』には哺乳類、鳥、昆虫など、さまざまな生きものの話が載っていますが、そういったことにはいつ詳しくなったのでしょうか。
大学がやっぱり大きいですね。子供の頃は裏山でサワガニ獲ってたくらいはしていたんですけど、めちゃくちゃ生きもの大好きというわけでもなかったです。ただ、生き物に興味はあったので、大学は生物系の学校に入学しました。
大学の野生動物のサークルでバードウォッチングなどを始め、大学の授業や研究室で野生動物やビオトープ系のことを学び、(自然や生きものの世界に)ずぶずぶと……。
大学4年の頃に環境コンサルタントの会社で生きものの調査のバイトを始めると、コンサルに興味が出てきて就職したいと思ったので、大学院に進学してもう少し生物の勉強をしました。コンサルでは鳥チームにいて、猛禽など鳥類の調査を主にやっていました。
漫画やイラストのアイデアは、ひたすら机に向かって考えている
——『わいるどらいふっ!』は現在200以上の漫画がSNSにアップされていますが、そういったものはどういう時に思いついたりするのでしょうか。やはり自然の話なので、野外に行って思いつたりするのでしょうか……。
それもありますけど、基本は作っています。個人的には、アイデアは作り上げるものだと思っていて、たとえば『わいるどらいふっ!』の場合「梅雨の時期にはカタツムリのネタを描こう」ととりあえず決めて、あとはどういうのが面白いと思ってもらえるのか、笑ってもらえるか、どういうキャラクターを描いたら楽しいか考え、自分も生きものについて勉強したりして……あとはアイデアをたくさん作っては捨てて作っては捨ててを繰り返しています。基本はやっぱり机に向かってひたすらやっています。煮詰まったりもしますけど、めちゃくちゃ考えた後にお風呂に入ったり運動したりすると、新しい発想が生まれたりとかもあります。
今後も漫画を描き続けて、多くの人に楽しんでもらいたい
——最後に、今後の夢や目標はありますか。
やっぱり漫画を描いていきたいなと思っています。漫画は親しみやすさがあって喜んでもらえる気がして、生きものを知ってもらう入り口としてすごくいいなあと。イラストだけとか、文章だけとかよりも、漫画という媒体で楽しんでもらいたいなという気持ちがありますし、ちゃんと物語があるものを作りたいと思っています。
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