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秋の野を赤く染める花「ヒガンバナ」にちょっぴり詳しくなる。

台風が過ぎて、急に肌寒くなったこの頃。季節はすっかり秋になりました。
今の時期、外を歩くと、空き地や道端、河川敷でヒガンバナに出会います。
真っ赤な美しい花姿は知らない人はいないはず。
今回は、そんなヒガンバナのお話です。

曼珠沙華とも呼ばれる ヒガンバナ

真っ赤な絨毯のように広がる

ヒガンバナは、気が付くといきなり花が咲いている。
と、思われがちだが、ちゃんと長い準備期間があって、花を咲かせる。

ヒガンバナの球根(鱗茎)には毒がある。
花火のような赤い花が美しい


ヒガンバナの蕾は、直径0.8cm、長さ50cmにもなる大型の蕾だ。
はじめは緑色の細いネギ坊主のような形だが、二つに割れて赤い蕾が見えてくる。
そしていきなり爆発するように、大きな花を咲かせるのだ。

赤と緑のグラデーションが美しい蕾。

ヒガンバナの蕾を見てみよう。
手と手を合わせて合掌している間から蕾が見えているようだ。とても不思議な形である。

まだ葉は出ていない。葉は花が終わってから、いきなりにょきにょきと幅1.5cm、長さ50cm程度の長い葉が出てくる。

葉が生える頃には花は無い

蕾から葉の出現まで、ヒガンバナの観察はまだひと月は楽しめる。

(文・写真=髙橋 修)




『散歩道の図鑑 あした出会える雑草の花100』では、春夏秋冬の100種の身近な雑草の花を掲載。誰かに話したくなるようなお話がたくさん詰まっています。
雑草の花の名前がわかると、近所のお散歩がもっと楽しくなるはず。

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 髙橋 修(たかはし・おさむ)
兵庫県西宮市生まれ。甲南大学文学部卒。
山専門の旅行会社アルパインツアーサービス(株)退社後、海専門旅行会社に勤務。その後植物写真家として独立、植物写真家の木原浩氏に師事。
今も植物の撮影と探検のために、日本各地、世界各地に飛び回る。
植物写真講座「ボタハイ」主催。Yamakei Onlineのヤマヤのたしなみ連載中。植物関連著書多数。