見出し画像

スムーズに融資を受けるために金融機関に伝えておきたいこと

こんにちわ、あっという間に今年1年が終わろうとしていますね。

相変わらず治まりそうで、治まりきれないコロナ禍。
みんなもう慣れてしまって、”with コロナ”で世の中が
進んでいます。

とは言え事業者さんの中には資金のやり繰りに時間を
取られている方もいらっしゃると思います。

追加の資金手当てをすることもあるかもしれませんが、
その時はできるだけ早くコトが進むようにしたい
ものです。

そのためには金融機関が手続きを円滑に進められるように
こちらからできるだけの情報を提供しましょう。
今日はそんなお話です。

金融機関における融資審査の流れ
おおよそ金融機関では以下のような流れで審査が行われます。
(1)事業者からの融資の打診
(2)打診を受けた担当者が上司へ報告
(3)打診に応じるかどうかの検討

ここで応じる方向で判断が下されると、以下のように進みます。
(4)担当者が稟議書作成に必要な情報を事業者からヒアリング
(5)収集した情報を基に当該企業について分析、実態把握
(6)融資稟議書の作成
(7)貸付担当責任者や支店長による審査
(8)本部審査部による審査

融資の打診をする際に事業者が伝えるべき項目
事業者が融資の打診をする際に担当者に対して
「資金使途」「借入希望日」「希望額」しか伝えないケースが
多々あります。

しかし、これだけでは審査はできません。
担当者は稟議書作成するにも、たったこれだけでは
作りようがなく、そもそも上司に対して「取り組むべきか否か」の
判断をくだせるだけの情報を提供できません。

上司も判断のしようがないし、担当者としてもそんな
報告をして、上司からの評価を落としたくありませんよね。
当然、時間をロスすることにもなります。

であれば、最初から必要充分な情報を提供するようにしましょう。

必要充分を満たす情報項目
・金額
・金利
・実行希望日
・資金使途
・貸出期間と据置期間
・保全(担保・保証人)
加えて、審査に大きく影響する
・融資効果
・返済可能性

融資審査における金融機関の着眼点 =定性面=
審査では定性面と定量面の両面から検討します。

定性面における主な着眼点
(1)経営者
 経営者、その人に関すること。これは非常に大事な点です。
 ・資質
 ・人柄
 ・経営に必要な知識の有無
 ・コミュニケーション力
 ・計数管理能力
 ・健康状態
ほかにもありますが、主なところはこんな項目です。

(2)企業を取り巻く外部環境
 金融機関の担当者は業界の動向や競合他社、取引先などに
 ついては知らないことがほとんどです。
 ・業界動向
 ・市場の成長性
 ・主力商品、サービスの成長性
 ・競合企業との力関係

(3)企業の内部環境
 担当者と言えど、取引先企業のことは案外知らないものです。
 特に着任して日が浅ければ、ほとんど知らないという前提に
 立つべきです。
 ・顧客ターゲット
 ・商品、サービスの特徴(競争優位性)
 ・他社と比較した場合の強み
 ・仕入先、販売先の状況
 ・潜在客を見つけ、顧客にする仕組み

融資審査における金融機関の着眼点 =定量面=
定量面、つまり数字での判断をする際に当然見るのが
「決算書」ということになります。
趨勢を知るために3期分は決算書を見比べて、大きく
変化した項目や傾向を把握します。

定量面で主に確認するのは以下となります。
(1)現預金残高
 目安はいろいろありますが、まずは月商の3か月程度は
 あるかを見ます。

(2)受取手形・売掛金
 顕著に増えていれば「取引条件の悪化」や「不良債権の存在」、
 もしくは「粉飾」の可能性も検討します。
 もし「粉飾」であれば、当然「犯罪」となりますから、
 即「アウト」です。

(3)在庫
 「不良在庫」の可能性がないか確認します。
 また売掛金同様、粉飾時の数字操作に使われやすいので
 警戒します。

(4)貸付金
 貸付金は金融機関が嫌がる項目です。
 貸付金があると融資したお金が経営者個人に流れて
 いないかを疑います。
 もし、そうであれば「転貸」、つまり「又貸し」となり、
 明確な「資金使途違反」となり、これもほぼ「アウト」と
 なります。

これら以外にも当然、「損益計算書」もチェックします。
ただ、営業赤字や経常赤字であっても、何故そうなったのか、
今後どのようになるのかなど、回復の見込みを示せれば
前向きに検討してもらえます。

もちろん、こちらからそうした情報を提供しないと
金融機関としては上辺の数字だけで判断せざるを得なくなります。

それではもったいないですよね。
情報をできるだけ渡すことで、融資の可能性が拡がり、
時間的にもスムースに事を進めることができます。

これらのポイントを知り、先だって情報を提供することで
担当者や上席の印象も良くなり、多少財務内容が厳しくても
打診に応じてくれるようになりやすいでしょう。

とは言え、事業者さんが一人でこれらの情報を取りまとめる
ことはしんどかったりするもの。

その時は是非とも外部の専門家を上手く活用しながら
準備をしていただけたらと思います。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?