見出し画像

書くことのエコノミー もう一度力を与えるものでありたい

 なぜ書くのかというテーマはnoteではありふれたテーマでしょう。いろいろなことが考えられるでしょう。自分の中から出てくるものをただ書くだけという考え方もありえます。ただ一般的に、文章を作成ことは仕事で行っているという人は多いはずです。

 仕事で議事録をつくる。週報として営業活動の報告書を書く。稟議書を作成する。メールを書いて日程を調整するなど、仕事において文書を作成するのは多岐にわたり、重要な位置をしめています。ではnoteで書くことは仕事と同じなのでしょうか。

 仕事でnoteを書いている人もいると思います。有料記事を書いている人も多いからです。他にも仕事で気づきがあったことを書きとめ、まとめている人もいるでしょう。また読む方も有益な情報を求めている人もいるでしょう。noteの記事を見て気づきを得て、仕事に活かしている人もいると思います。

 エコノミーとは交換することです。ではなにを交換するのでしょうか。貨幣を交換するというのがまず頭に浮かびます。なにかを買うときにはお金を差し出してチョコバーを受け取るなどです。あるいは恋人に指輪を贈ります。彼女はありがとうと答えます。これはなにが交換されたのでしょうか。愛が交換されたのでしょうか。

 人が交換の対象とするのは物とは限りません。サービスだけでもありません。象徴でもあり、人の情であり、喜びや、憎しみなのです。エコノミーとは経済ですが、経済とは決してお金だけの問題ではないのです。交換するとは多分人間が持つすべてを賭けたものであり、あえて言えば形而上学の住処なのです。

 交換するということで、こんな場面を想像してみます。

 傷ついた兵士がやっとのことで村にたどり着き、そこで水がほしいと言葉をかけます。村人は兵士を恐れながらも、その傷ついた姿を見て、水の入った金属製のコップを差し出します。受け取った兵士はうまそうに水を飲みます。
「ありがたい。喉がカラカラだった。ここで水を飲めなかったら力尽きていたかもしれない。」兵士は体に力が戻ってくるのを感じます。

 村人が兵士に水をあげたことは良いことだったのだろうか、兵士はまた隊にもどって銃を撃つのだろうか。でも確かなことはもう一度体に力が戻ったことでです。差し出された水は世界にもう一度一撃を食らわせる力を与えたということです。

 書くことは言葉を交換することです。そして言葉を交換するととはもう一度世界に一撃を与える力を与えることでありたいと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?