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一枚のパンツを頼まれて。

私はアレルギー体質なので下着でも、シャツでも、ブラウスでも全てが、肌に合うかどうかが常に不安です。素材のチェックを怠ると皮膚がカブレてしまいます

繊維に対するアレルギーは母も同じです。シルクや綿、麻などの天然素材でないと、湿疹が出て痒くなるのです。本当に厄介なアレルギーです。

最近はアレルギーに悩んでいらっしゃる方も多いと思います。ある日突然発症し、とても残念な気持ちにはなりますが、付き合っていくしか仕方がありません。

食物アレルギーの方も大変ですよね。しかし生きていくためには自らの健康は自らが守るしかありません。自分自身でアレルギー物質を遠ざけながら生活するしかないのです。そんな中での我が家のある出来事をお話します。


街に出掛ける私に母が言いました。「悪いけど下着のパンツを買ってきて欲しいんよ、肌に優しいやつ」私は面倒な事になったなと思いました。母はとにかくこだわりが強い人なので気に入ったものが選べるかどうかとても不安だったのです。そして案の定大変でした。

まず気を付けないといけないのは素材です。間違えても化学繊維が含まれているものを選ぶと大変です。様々な種類の中から、一枚一枚表示を調べて綿100%のものを探し出しました。同じ素材でもそれぞれ肌触りが違います。いちばん優しいタッチのものを選ばなければと一生懸命でした。それに加えてデザインにサイズ、履き心地、すべて想像力を発揮するしかありません。

特にサイズ感はとても難しいのです。同じサイズなのに、デザインによってかなり大きさが違います。

「お母さんどのくらいかな・・・」と母のシルエットを思い出しながら、ぴったり合いそうなものを選ぼうとしますが、自分のサイズだって試着してみないとわからない事が多いのに、本当に困ってしまいました。

「こんな感じかなー」と想像しつつ、微妙に違うタイプのものを3種類手にして、またまた悩んでしまいました。そして暫く悩んでいた私は「仕方ない3タイプ買って帰ろう」と決意したのです。

家に帰ってから恐る恐る母に渡しました。「あんた、3枚も買ってきたんかね」思った通り、容赦ないコメントが返ってきました。「一枚でええのに」「そうでしょうとも・・・」私は何故か母の前で小さくなっていました。

翌日、母が私に言います。「替えゴムがついとるんが良かった、他のはいかんね、小さすぎる、二枚も無駄になったわい」やっぱりでした。3種類の中で母が気に入ったのは一枚だけだったのです。


頼んだ人は「無駄な事をして」と言いますが、頼まれた方は責任感で、悩みぬいて三枚も買ってしまって、挙句の果てに「無駄だ」と言われ本当に悲しい結果になりました。

人から頼まれた物を買うのは本当に難しいです。頼んだ人と頼まれた人、大変な思いをするのは頼まれた人です。商品名もサイズも色もすべて決まっていたらそれは何の問題もないのですが、かなり頼まれた人に委ねられる部分が多い今回のような場合は、特に気が重いものでした。

たかが下着されど下着、それは生活のすべての物において言えると思います。頼んだ人と頼まれた人の意思疎通、本当に難しいなあと思いました。

バーチャルで洋服を試着した雰囲気が見られるように、遠隔でもサイズ感まで上手くぴったり合わせることが出来きるシステムが誕生すれば、こんな苦労はないと思うのですが。

「ごめんなさい」今日は、一枚のパンツのお話でした。


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【毎日がバトル:山田家の女たち】

《吟味せんと買わんけどねー》


コーヒータイムに温泉煎餅を食べているばあばと。

「今までは自分で買いよったけん不自由はなかったけど、人への頼み方は難しいねー、買うんが大変じゃったんが分かったわい」

「これから頼む時はどうする・・・」

「これからはメモしてイラストを描いとこわい、タグを置いておくとかして、見せよわい、ほじゃけど私は頼まれたら相当吟味して買うよ

何となく母への愚痴のように書きましたが、頼まれる側頼む側、立場が違うと本当に相手の気持ちがよく分かります

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【ばあばの俳句】


子の選ぶ毛布一枚心地よき


母は私が選んだ毛布が温かくて気に入ってくれたようです。一枚のパンツは中々お気に入りが選べませんでしたが、私がこっそり用意していた毛布は母の好みに合ってよかったです。

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毛布一枚で夜の暖も親子の暖もとれました。皆さんもこれからの季節温かくしてお休みください。


最後までお読みいただいてありがとうございました。
たくさんある記事の中から、私たち親子の「やまだのよもだブログ」にたどり着いてご覧いただき心よりお礼申し上げます。
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私のアルバムの中の写真から

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また明日お会いしましょう。💗

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