【極ショート小説】二重人格ごっこクラブ
院瀬見は歩道の看板に目をとめた。
毎日激務で疲れた精神に、響くものがあった。
階段を降り、木製の分厚いドアを開ける。
「ひっひっひ。
おまえの未来を占ってやろうか」
「いやいやあ。
私をいじめないで! 」
奇妙な叫び声やら、人に絡むような台詞が飛び交う。
「おや。
見ない顔だね。
無料体験してくかい」
スナックのようなカウンターから声をかけてきた。
「ここは…… 」
「看板見ただろう。
好きな人格になって、失敗していい場所さ」
薦められるままに、ソファに座った。
「あんた、インテリだろう。
弁護士のジョーカー!
こっちにおいで」
「なんだ、コノ野郎!
呼ばなくたって来るってんだよ、馬鹿野郎! 」
「クソ野郎!! 」
院瀬見も負けじと罵り始めた。
「侮辱罪だぞ畜生! 」
「俺は本物の医者だ!
臓物開いてお前も仏にするぞ! ゲス野郎! 」
「ママぁ、この人マジ怖いよ! 」
「俺、向いてないな…… 」
「利益」をもたらすコンテンツは、すぐに廃れます。 不況、インフレ、円安などの経済不安から、短期的な利益を求める風潮があっても、真実は変わりません。 人の心を動かすのは「物語」以外にありません。 心を打つ物語を発信する。 時代が求めるのは、イノベーティブなブレークスルーです。