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【プロット】動物指導センターにいる虚栄心に満ちた巫女

 神社に勤めている私は、毎日社務所に詰めてお守りやお札をせっせと並べ、日がな一日座っていた。
 神に仕える、という仕事は退屈極まりない。
 時々集まりに参加する以外はお祓いの手伝いとか、社務所に来る人の相手をするくらいである。
 この先の人生を考えると、あまりに平坦である。
 ふと、犬を飼いたいと思い立った。
 動物指導センターに保護された犬は雑種だが長生きすると聞いた。
 殺処分される哀れな犬を引き取り暖かく迎えたいという気持ちもあった。
 いざ予約した日に行ってみると思った以上に毛足が整ったきれいな犬たちが目に入った。
 おしゃれをして犬を散歩させる自分を想像すると、華やかなかわいい犬が欲しくなった。
 見れば見るほど子犬が可愛くなる。
 そして選んだのは眼がクリっとして、元気がいいスピッツだった。
 血統書付きの犬がいたのだ。
 結局見栄えで選んでしまう自分を鼻を鳴らしてあざ笑った。


「利益」をもたらすコンテンツは、すぐに廃れます。 不況、インフレ、円安などの経済不安から、短期的な利益を求める風潮があっても、真実は変わりません。 人の心を動かすのは「物語」以外にありません。 心を打つ物語を発信する。 時代が求めるのは、イノベーティブなブレークスルーです。