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📕アルゼンチンババア

よしもとばなな、著
アルゼンチンババア

母が亡くなるとき、父は逃げた。

廃墟のようなビルで暮らす、アルゼンチンババア。
そこに帰ってきた父がいる。

外界から遮断された平和なそのビルで、父はアルゼンチンババアと暮らし、曼荼羅を描き、母の墓跡をイルカに変える。

生きている限り、世の中の喧騒というのは確実にあって、たまにうんざりすることがある。

そんな喧騒をずっと聞いておく必要なんてない。
平穏な時間があれば、ひとはそれなりに、幸せに生きていける。

アルゼンチンババアが暮らすアルゼンチンビルでの生活は、そういうことを教えてくれる。

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