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余寒の京都旅「三嶋神社 祈願所」子授けと鰻信仰


東京築地や北海道ニセコのインバウンド価格が大きな話題になっていますね。大阪人の我々はすでに通った道で、2016年頃より黒門市場がずっと叩かれてきました。

東京MXのとある番組で、馴染みの店の理不尽な価格高騰に梅沢富美男さんが怒ってらっしゃいました。ボッタクリはもちろん商売の道理に反します。日本人もかつては東南アジアなどの観光地価格に辟易へきえきしたものでした。観光地価格に嫌気が差す気持ちは外国人も同じです。お値段以上の価値を日本に感じているから来日しているのであって、根拠のない不当な値上げは金持ちだってそっぽ向きますよ。堀江貴文氏の金持ちなのにけちくさいという反論は完全な詭弁です。京都でも超高級ホテルがどんどん作られています。それについて文句を言う人は誰もいません。値段相応のサービスと信用を提供していますからね。今回問題となっている梅沢富美男さん馴染みの店の"足元を見る行為"は、災害時の値段釣り上げと非常に似ています。阿漕アコギな商いは土地そのもののブランド低下を招きます。ボッタクリ価格を展開した黒門市場はコロナ禍で痛い目に合いました。国籍も立場も関係なくみんなが満足。近江商人の経営哲学である"三方良し"の理念を、今の時代でも活かしてほしいなと願っています。グローバルの波が押し寄せる昨今ではありますが、みんなが幸せになる方向へ進んでいって欲しいものです。

さて今回の旅ですが、とある事情により瀧尾神社境内の一角に設けられた祈願所、三嶋神社をご紹介致します。


三嶋神社は古くより子授けの御利益で有名な神社でした。

平安時代中期、後白河天皇の中宮、建春門院こと平滋子たいらのしげこは皇子が生まれなくて嘆いていました。子授けの御利益で名高い摂津国の三島鴨みしまかも神社で祈願をしたところ、御子を宿し高倉天皇を出産することができました。喜んだ後白河天皇は平清盛に命じ、都に勧請して三嶋神社が建立されることになりました。

三島鴨神社は伊予の大山祇おおやまづみ神社、伊豆の三嶋みしま大社とともに"三三島"と呼ばれ、日本最初の三島神社であると称しています。現在は高槻市に鎮座し淀川鎮守の神として祀られてきました。枚方大橋に近いところにあります。

高倉天皇といえば中宮の建礼門院こと平徳子たいらのとくこが有名ですね。平家物語で後白河法皇が建礼門院のいる大原へ出向く場面は何度観ても切なくなります。


なぜ秋篠宮文仁親王殿下の御写真が?

観光ガイドブックに載っていない知る人ぞ知る神社なので、これを見て驚かれる方がもしかしたらいらっしゃるかもしれません。


社伝記によると1994年に秋篠宮殿下紀子妃殿下が御参詣。2003年秋篠宮殿下が本宮に御親拝されています。


三嶋神社の主神、大山祇命おおやまつみのみことは山と海と水を司る神様で、神使はうなぎになります。秋篠宮殿下はナマズの殿下と呼ばれるほどナマズ研究に熱心な御方で、その関係で三嶋神社へ参詣されたのだそうです。また当時皇室に男子がいなかったことから建春門院の逸話にあやかったとも言われています。


かつては広大な境内だったそう。2000年に負債のため社殿を失いマンションなどに。瀧尾神社境内に遷座したが地主の好意で2002年に旧社地に再建。旧社殿の一部などはいつかの再興に備え保存されているらしい。実現してほしい。

口コミより

なぜ瀧尾神社境内の一角に三嶋神社の祈願所があるのか。

その答えは二年前の口コミに書かれていました。負債を抱えるというやむを得ない事情があったのですね。それにしても地主さんめっちゃ優しい。普通は取り壊して宅地化しますよ。歴史の中に消えていった寺社仏閣は京都だけでも数知れません。瀧尾神社さんや地主さんのご協力があったのは多くの人に愛されてきたからなのでしょうね。


由緒略記の表紙に本宮鎮座地の表記が見えるかと存じます。それが旧社地になります。国道一号線沿いの南に位置し、近くには京都女子大学があります。

ちなみに三嶋神社由緒略記は、祈願所近くのテーブルに参拝者用に置かれていたので一枚持ち帰りました。あまり有名ではない神社ってインターネットにも情報が載っていない事が多く、記事を書く上で大変ありがたかったです。


時間にもっと余裕があれば、豊国神社のある東山エリアにも足を伸ばしたかったんですけどね。

七条・東山地域も近いうちに探訪する予定なので、三嶋神社本宮を行きたいリストに加えようと思います。鰻の絵馬や源義経ゆかりの揺向石もこの目で拝見したいです。


少しややこしいですが、次にご紹介するのは瀧尾神社と三嶋神社の境内社になります。


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