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京都文学「古都再見」葉室麟



今回は趣向を変えて京都の魅力を伝える本のご紹介を致します。



著者の略歴

葉室はむろ りんは日本の小説家である。福岡県北九州市小倉生まれ。
50歳から創作活動に入り、4年後に文壇デビューを果たした。2007年、『銀漢の賦』で第14回松本清張賞を受賞。2012年、『蜩ノ記』で第146回直木三十五賞を受賞。久留米市を拠点に、敗者や弱者の視点を大切にした歴史時代小説を生み出した。

Wikipediaより引用



パワフルアラフィフ

京都検定を勉強していて何かいいガイドブックはないものかと探していた時に見つけた本です。

遅咲きといえばM-1グランプリ2021で優勝した錦鯉長谷川さんが当時50歳でした。長谷川雅紀さんにしろ葉室麟さんにしろ50代のパワーってとてつもないですよね。



あらすじ

幕が下りるその前に見るべきものは、やはり見ておきたい。歴史作家は故郷を離れ、古都・京都に仕事場を構えた──。先斗町のウオッカバーで津田三蔵の幻を追い、西本願寺の〈司馬さんのソファ〉に新撰組の気配を感じ、四条河原町のレトロな喫茶店で本能寺の変に思いを馳せる。現代人の失くした信念、一途、そして命の尊さを描き続けた著者が遺した、軽妙洒脱、千思万考、珠玉の随筆68篇。

Amazon KindleStoreより引用



京都好き中級者向け

文章を読むことに抵抗がない方、京都ブログが好きな方、そして京都が大好きな方は必見です。



あらすじには小難しい文章が並んでいますが中身は平易な言葉になっています。一篇の文章量はとても少なくてトイレの時間とか寝る前、電車通勤中に読み切ることができます。

一篇一篇独立していますので、興味のないところを読み飛ばしても全く問題はありません。



随筆なのでもちろん写真はありません。

頭の中で想像を膨らませなければなりませんが、書かれていたことはこういうことだったのかぁ、あそこってそういうところだよなぁ、と色々確認する事が出来ます。

美術館で貸し出される音声ガイドの書籍版といったところでしょうか。



試し読み

Amazonで冒頭数ページ分の試し読みが出来ます。

目次を確認することもできます。私はこれを見て購入を決めました。68篇なので1篇あたりのお値段は約10円です。かなりお買い得だと思います。



読書感想文

文学だからと肩に力を入れる必要は全くないです。

随筆というジャンルなのでnoteを利用されている方、私の文章を読める方なら容易にスッと世界観に入り込める内容になっています。

要するに私の記事よりもずっと読みやすい、ということです。



京都が好きといっても好みはそれぞれ分かれると思いますが、源氏物語から織田信長、豊臣秀吉、新選組、赤穂浪士に至るまで京都の人気コンテンツが全て揃っています。話題のドストエフスキーも

なので京都初心者でも楽しめます。もちろんマニアックなテーマもありますので京都中級者も満足出来ます。



ちなみに私が個人的に感銘を受けたのは、

「尾崎放哉が見た京の空」



2023年、弱者男性という言葉が流行しクズ芸人がTVでブームとなっていますが、血筋や才能の有無が人生の幸せに繋がるとは限りません。

親ガチャ大当たりで東京帝国大学法学部を卒業したエリート、尾崎放哉。酒に溺れたことですべてを失い最悪の末路を辿るというなんとも切ない、共感を呼ぶ一篇となっています。



無料で朗読サービス

「読むの苦手」
「朗読して」
「できればタダで」

そんなあなたに裏技をご紹介いたします。スマホに読み上げ機能があるのをご存知でしょうか。

誠に申し訳ありませんが、私が所持しているのはAndroidスマホなのでそれのみの紹介となります。iPhoneの方すみません。



設定ボタン
⇒追加設定
⇒言語と入力
⇒テキスト読み上げの出力

設定その1

設定ボタン
⇒追加設定
⇒ユーザー補助
⇒視覚
⇒選択して読み上げ
⇒「選択して読み上げショートカット」on

設定その2



上の2つを設定すればOKなのですがGoogle公式サイトに詳しい解説が載っています。

もしうまくいかない場合はバージョンをご確認下さい。機種によっては対応していない場合があります。



「ちゃんと読めるの?」

一昔前は訓読みと音読みを間違える頓珍漢な読み上げが多発していましたがさすがGoogle先生。

固有名詞などに多少の誤読が見られましたが、イントネーションが自然だったりとたいして気になりませんでした。



もちろんデメリットは他にもあります。

1ページ毎に再生ボタンを押さなければなりません。つまり作業用として利用できません。



巷では優れた朗読音声サービスがたくさん出てきていますが、すべての書籍に対応はしてはいないんですよね。

この読み上げ機能はあくまで全書籍対応朗読サービスが出来るまでの"つなぎ"と思って頂ければ幸いです。



さいごに

私は写真の力に頼っていますが、いつかは葉室麟さんみたいに文章だけで地域の魅力を伝えられる作家になりたいなと思っています。

そうなるとやはり京都検定1級は取りたいところですね。文章力も試される試験なので3級の私にとっては遠き道ですが頑張りたいです。



気づけば自分の決意表明を語ってしまいました。兎にも角にも京都が好きな方なら葉室麟さんの随筆「古都再見」はとても楽しめる内容になっています。

以上、本の紹介と感想文でした。



おしまい

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