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真夏の嵐山日帰り旅「パンとエスプレッソと福田美術館」


琵琶湖の水止めたろか

滋賀県民が京都市民や大阪府民に用いる有名な決まり文句で、主にバカにされた際に使用される言葉ですが、京都市が滋賀県にお金を払っていた事実をご存知だったでしょうか。

私は第20回京都検定3級の公開テーマ問題"琵琶湖疏水"を必死に勉強しました。しかし『琵琶湖疏水感謝金』なるものをつい最近まで知りませんでした。大変恥ずかしい限りです。水利権や水利行政は非常に難しい問題なので大きな誤解を生むことがあります。歴史や背景を踏まえたうえで分かりやすい解説を心がけていきます。



まずはじめに、水源地域の自治体に川下の住民が使用料を支払う必要はありません。

日本にそのような法律はないからです。琵琶湖疏水は発電や物流を目的とした運河だったので大正時代に発電用水利使用料として滋賀県にお金を支払っていました。のちに収入の少ない地方公共団体から使用料を徴収しないように、という政府通達があったため寄付金という形となりました。

京都市は電力と物流で大きな復興を遂げましたが、滋賀県はその恩恵を受けられず今も負担を強いられています。水路はもちろん水だけが流れるわけではありません。木片やゴミも流れ込んできます。流れを良くするために定期的に浚渫しゅんせつ工事をする必要があります。本来京都市がすべきことを代わりに滋賀県が請け負っていたので百年間お金が支払われてきました。水力発電・水運・観光で儲けたお金を京都市が独占となればそれはもう戦争ですよ。「琵琶湖の水止めたろか」の言葉通りに琵琶湖疏水を止めても滋賀県民はたいして困りません。南方に流れる瀬田川で十分だからです。だから京都市がお金を払うことでバランスが保たれてきました。


「物価高だから年間100億ぐらい取ってやれ」


非常に無責任なコメントをインターネットで見かけました。ネタのつもりなのでしょうけれど、本当にそんな要求をしたら"三方一両損"どころの話ではありません。交渉決裂で琵琶湖疏水が廃止となれば、多くの観光資源が一気に失われて滋賀県も貰えるお金がゼロとなり全員が損することになるでしょう。

『琵琶湖疏水感謝金』は2024年度末で10年契約が切れます。期間中に年間2億3千万円が支払われてきました。最近の物価高や人手不足により値上がりすることはほぼ間違いないでしょう。どの程度になるかは双方の首長と役所次第です。どちらか一方が不平等となればのちの市長選や県知事選で大きな影響を与えることになります。かなりセンシティブな問題なので今現在も綿密な話し合いが行なわれているのでしょうね。(琵琶湖だけに)推移を見守りつついい形で双方が納得できるよう淀川沿岸民の私も祈っています。

それでは旅の続きに参りますね。


前回は福田美術館の館内を紹介致しました。展示作品の感想を聞きたかったのに。そう思った方は当然いらっしゃったかと思います。ポストカードを購入しましたので嵐山旅の報告を全て終えたあとに公開予定の『嵐山観光記(仮)』で改めて述べますね。

ドケチだった私はこれまで併設の喫茶店を利用したことが一度もありませんでした。今回は絶対に美術館カフェに行きたい。営業時間と定休日を事前にしっかり調べて万全の体制で臨みました。


やった、空いてる。

早い時間だったので私のほかにお客は二組ほどしかいませんでした。


透明な水底みなそこに市松模様が見えます。

江戸時代中期に人気の歌舞伎役者、佐野川市松さのがわいちまつがこの模様の袴を舞台で履いたことから大流行となり、東京五輪2020のロゴや某人気漫画主人公の衣装に取り入れられてきました。私ファッションにとんと疎くて東京五輪のロゴに選ばれるまであれが市松模様だなんて全然知りませんでしたよ。

真ん中のポツンと浮かぶ白石はきっと嵐山名物・保津川下りの船を見立てたものでしょうね。


私が注文したのはブレンドコーヒーのアイスになります。

え?店名になっているエスプレッソをなぜ頼まなかったって?冷たいものが飲みたかったんです。


渡月橋を渡る京都市営バスが見えました。

ご覧の通り、紅葉や桜のシーズンでなければそこまで嵐山は混んでいません。ただし土休日の狭い場所は真夏でも激混みです。京都新聞のYouTube動画をみて驚きました。野宮神社の竹林道ぎゅうぎゅう詰めやん。


美術館って思っている以上にあちこち歩くので併設の喫茶店で休憩するのは全然アリですね。ショップで購入したグッズを整理するもよし、もう一度展示エリアに戻って復習するもよし、これまで利用しなかった自分を大いに恥じました。コーヒー美味しかったし最高のひとときでした。今回は以上になります。

次回は二館共通券を購入していたのでもう一つの目的地、嵯峨嵐山文華館へ向かいます。ではまた。



今回の旅スポット


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