【hint.75】同じ言葉でも、ある人と出逢う前と後では、違って感じられる
「同じ言葉でも、ある人と出逢う前と後では、違って感じられる」
そんな話を、ちょっと頑張ってしてみたいと思うんです。
今回の話は、すべて僕の肌感覚にもとづいたものなので、どうぞご了承くださいね。
たとえば、ん〜、「イケメン」という言葉を考えてみましょうか。
「イケメン」、最近ではいろんな使われ方をすると思いますが、ここでは、いわゆる「顔のかっこいい男性」のことを指しているということにします。
で、今あなたが「『イケメン』が目の前にいるとイメージしてください」と言われたとしましょう。
そうすると、誰を思い浮かべますか?
テレビで毎日のようによく見るあの人?
それとも、映画やCM、歌を歌ったりとなんでもマルチにこなしてしまうあの人でしょうか?
もしかすると、普段はあまり覇気がないんだけど、役に入りきるとひたすら明るいキャラクターであっても、抜群の演技力で演じきってしまうあの俳優を思い浮かべる人もいるかもしれませんね?
もちろん、プレー中の鋭い表情がなんともかっこいい、あの選手かもしれません。
そんな風に、いろんな選択肢の中から、ある人物を「イケメン」として思い浮かべることだと思います。
で、そこでちょっと考えてみて欲しいのですが、あなたにはかつて、いま思い浮かべた人物を知らなかった時期もありますよね。
その時まですこし?時間をさかのぼってみて欲しいんです。
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さかのぼれました?
で、その、さっき思い浮かべた「イケメン」をまだ知らなかった頃のあなたに、想像の中でおんなじ質問をしてみて欲しいんです。
「『イケメン』が目の前にいるとイメージしてください」と。
そうするとどうですか?
まったく同じ質問、同じ言葉なんですよ?
ちょっと難しいかもしれませんが、頑張ってついてきてくださいね。 今とても大事なところです。
まったく同じ質問、「『イケメン』が目の前にいるとイメージしてください」という言葉を耳にしたあなたですが、おそらく(というか間違いなく)思い浮かべた人物は違う人だと思います。
すこし違った顔をしている別の人を、思い浮かべたのではないですか?
いやもしかすると、一卵性双生児とか、そういうトリッキーなことはあるのかもしれませんけど、ほとんどの場合、最初に思い浮かべた人とは、すこし違った顔をしている別の人を、思い浮かべることが多いと思うんです。
で、ここからがまた、ひょっとすると少しややこしいところかもしれませんが、「そんなの当たり前じゃん」と、感覚ではわかることだと思うんですが、これってどういうことなの?と、もうちょっと考えてみたいんです。
考え方としては、今のところ僕は大きく二つあると思っていて、「同じ系統・点数変化タイプ」と「違う系統・新たな発見タイプ」とでも名前をつけてみたいと思います。
「同じ系統・点数変化タイプ」について考えてみます。
たとえば今回、2番目に思い浮かべた人が、それまでのあなたの人生においては、もっとも「イケメン」としての「点数」が高い人だった時期のことを考えてみましょう。
いってみれば、まったく顔のカッコよくない人を0点だとしたら、今回、2番目に思い浮かべた「イケメン」が、その時期においては100点だったわけです。
ですがある時、あなたの世界の中に、今回最初に思い浮かべた「イケメン」が、突如として現れた。
そうするとあなたは、すこし申し訳ない気持ちを感じつつも、「イケメン」という言葉のもつイメージの幅を広げ、その新しい「イケメン」に120点を与えてみたりするわけですよ。
ちなみにこれ、新しい「イケメン」のマックスの点数を100点にして、他を帳尻合わせるという方法を採用してもいいんですが、今回は、イメージの広がりと、点数の高まるイメージが合致している感覚があるので、こちらの方法を採用しました。
それで話を戻しますと、ということは、あなたが「イケメン」という言葉によってイメージする世界の幅は、新しい「イケメン」があなたの目の前に現れた時に広がったということなんですね。
これは言い換えると「同じものさしの上での戦い」なわけです。
どんな男性であっても、ある一つのものさしを使って、その目盛りのどこかにそれぞれを配置するという感覚の話です。
なので、僕はこれをいま勝手に「同じ系統・点数変化タイプ」と呼びました。
それじゃあもう一つの方、「違う系統・新たな発見タイプ」ってなんなのかというと、ものさしの例をつかうとすると、「違うものさし同士の戦い」という感じでしょうか。
「真面目な表情」で比べたら、今回、2番目に思い浮かべた人が一番かっこいいと思うんだけど、「笑顔」で比べたら、今回最初に思い浮かべた人が一番かっこいいと思うんだよな〜、と、こんなイメージを持ってもらうといい。
「同じ系統・点数変化タイプ」と「違う系統・新たな発見タイプ」の違いのニュアンス、伝わったかな。
それで、僕が何をいいたいのかというと、「ある人との出逢いが、あなたが、ある言葉からイメージするもの(世界)を大きく変えてしまうんだよ」ということなんです。
そして、「あなたが、誰かからもらった言葉や、何かのきっかけで触れた言葉からイメージできる世界は、実際にあなたが、どれだけ異なる特徴を持った人物とたくさん出逢ってきたかによって大きく変わるんだよ」ということでもあり、
「ある言葉に触れたとしても、そこからイメージできる世界は、それまでにあなたが実際に目の当たりにしたことがあって、ありありと思い浮かべられる範囲に収まってしまうか、もしくはその範囲から少しだけはみ出したものぐらいなものなんだよ」ということなんですね。
だから、あなたがある本を読んで、「あ〜、これってこういうことかな」と、あるイメージを持ったとしても、それはもしかすると、まったく程度が足りていないかもしれないし、逆にいきすぎた程度のイメージになっているかもしれませんよ、と。
ということはですね、「アドラー心理学について書いてある本を読んで、『あ〜、こういうことか』と、自分なりにイメージをし、理解できたと思っていても、実際に『アドラー夏合宿』や『らいキチカフェ』などで、アドラー心理学にもとづく実践を続けてきている人たちを目の当たりにしたら、『えっ!?そういう使い方もあったんだ〜』とか、『これって、そんな〈表情〉とか〈間〉と一緒にも使えるの!?』とか、そういった類の肌感覚での学びが、わんさか転がっているんだよ」ということなんだよな、と。
これが伝えたいがために、こんなにも長い文章を書くことになろうとは、全くもって思いもしませんでした。
まさしく『えっ?これってこんなに長い文章になっちゃうの!?』だったな〜。
書いて(出逢って)みないと、ホントわかんないもんだ。
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