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【2023.5.24.】2024年に向けた新しいリハビリテーションの形④「リハビリテーションの基本的な考え方」

※このコラムはどなたでも全文お読みいただけます

2024年以降はリハビリテーションそのものの共通概念が必要になってくる。
リハビリテーションの目的や考え方、その進め方について、病院や生活期や領域にとらわれることなく、セラピストが同じ考え方に基づいてリハビリテーションを実践することが必要になってくる。

そういった共通概念がないことが今の日本のリハビリテーションの最大の問題点なのだと思う。

じゃあ共通概念としてのリハビリテーションの形はどんなものなんかを提示する。

共通概念としてのリハビリテーションの形

これはすでに報酬改定議論の結果として示されているのである。
以下の図に示す文言は、こちらからの引用です。

リハビリテーションとは
リハビリテーションの目的
リハビリテーションマネジメント

上記の図に示している

  • リハビリテーションとは

  • リハビリテーションの目的

  • リハビリテーションマネジメントの考え方

これらが領域を問わずこれから実践されるべきリハビリテーションの基本的な共通概念である。

リハビリテーションとは

理学療法士や作業療法士、言語聴覚士が最も勘違いしているのがこの部分でしょう。それは
「リハビリテーションは理学療法士、作業療法士、言語聴覚士だけが提供するものではない」
ということなのです。
多職種連携で進めることがリハビリテーションの基本なのです。

連携できないというのあればそれはリハビリテーションを放棄しているのと同じなのです。セラピストだけがリハビリテーションを実施しているのではないという共通の考え方が職場には必要で、それがない場合は効果的なリハビリテーションは実践できないのです。

セラピストが「自分が良くしてやる・・・」というものでもないし、看護師さんや介護スタッフさんが「リハはセラピストに任せておくもの」と考えるのも間違いなのです。

多職種連携でリハビリテーションは実践されるものなのです。

リハビリテーションの目的

リハの目的についても、心身機能だけにアプローチするのは間違いなのです。

心身機能の改善だけを目指すのではなく、利用者が有する能力を最大限に発揮できるよう、「心身機能」「活動」「参加」のそれぞれの要素にバランスよく働きかけていくこと、また、これによって日常生活の活動を高め、家庭や社会への参加を可能とすること

心身機能、活動、参加にバランスよく働きかけることが目的なのです。

病院だから心身機能だけ、生活期だから活動と参加というような極端なリハビリテーションは必要ないのです。

どの領域にアプローチするのかという割合についてはその時期によって異なるのかもしれませんが、どこか一つに集中するのではなく、バランスを考えることが必要とされています。

リハビリテーションのマネジメント

リハビリテーションマネジメントというのは通所リハや訪問リハ領域で用いられている加算の名称ですが、ここで言うリハビリテーションのマネジメントという考え方は、領域を問わず必要なことです。

「アセスメントによって適切な目標を設定し、必要な時期に、必要な期間、リハビリテーションを提供する」というのがリハビリテーションのマネジメントなのです。

これは病院でも生活期でも同様で、目標をきちんと設定することがリハビリテーションには必要なのです。

とくに、通所リハや訪問リハ、訪看リハにおいては「必要な期間」「必要な頻度」のリハビリテーションが求められます。特に訪問リハや訪看リハでは、対象者の要件が明確になり、通所で対応できる状態であれば訪問は必要ないというのが厚労省の考え方なのです。

訪問リハ訪看リハの対象者の規定

2024年以降はこれらの基本的な共通の考え方のものリハビリテーションが提供されることが重要になってきます。

どこの病院でも、生活期のどの事業所であっても提供されるリハビリテーションはこれらの考え方に基づいて提供されることが基本であり、セラピストの独自の判断はこの基本的な考え方を土台として提供される必要があります。

公的な保険で提供されるリハビリテーションだからこそ基本的な考え方をセラピストのすべてが理解しておくべきなのです。

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やまだリハビリテーション研究所
作業療法士
山田 剛

#やまだリハビリテーション研究所

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