ニックFP事務所

"プラグマティズム" - 世の中の変化を見逃さず、常に最適化を意識する https://www.nicksfpoffice.com https://twitter.com/yamada_nick

ニックFP事務所

"プラグマティズム" - 世の中の変化を見逃さず、常に最適化を意識する https://www.nicksfpoffice.com https://twitter.com/yamada_nick

    マガジン

    • 或る独立FPの視点

      世の中の変化に伴い生まれてくる新しいルール、仕組みなどの周りには「不思議な仕掛けの世界(Gimmick Wonderland)」があるようです。

    最近の記事

    FIRE = Minimalist x FP

    FIRE ( Financial Independence, Retire Early)「経済的自立を達成して早期に退職する」という概念が日本でも語られ始めてから久しくなりました。   このコンセプトが多くの人たちを惹きつけて止まない理由の1つは、完全に仕事をやめて趣味等のみに走るニュアンスがある「アーリーリタイアメント」でもなく、生活のために一定の就労が退職後も必要という意味合いを感じさせる「セミリタイアメント」とも異なるからです。   すなわちFIREの真髄は「生計維持の

      • マイナンバーが果たすべき役割

        ある後期高齢者のご婦人は会社役員の夫を数年前に亡くした一人暮しの未亡人です。   彼女は立派な自宅と5千万円を超える金融資産を相続しました。   収入は本人の老齢基礎年金と夫の遺族厚生年金ですが、それだけでも毎月の収支は黒字であり、相続した預貯金は手がつけられることもなく銀行に眠ったままです。   遺族年金は非課税所得であるため、一人暮しの彼女は自分の老齢基礎年金だけで判定されると「住民税非課税世帯」に該当し、政府や自治体からの各種給付金等の対象となり、医療費窓口自己負担は1

        • 或る優秀なアメリカの弁護士

          米国南部に住んでいた時にピックアップトラックと呼ばれる商用車を買ってしまった「最強セールスに簡単に屈した話」を書いたことがありましたが、今回はその続きの話です。   実はそのトラックに乗り始めて間もない頃に、私は飲酒運転で逮捕され警察署内の拘置所に一晩収容されました。   公共交通機関がほとんどない20余年前のアメリカ南部では、外食時にビール等を飲んでも運転して帰ることは一般的であり、信号無視などの別件で捕まらない限り、アルコール検査を受けることはありませんでした。   私が

          • 「家族信託」に群がる人たちへ

            最近、家族信託なるものの宣伝をよく見聞きするようになりました。   ある広告には、白髪で上品な顔立ちの高齢者とその子供夫婦や孫のような人たちの写真の横に、「私が認知症になっても家族信託で守る」と何やら物騒なことが書いてあります。 この老人がここまで悲壮な決意で守ろうとする家族の「敵」とは誰なのでしょうか。 また、その敵からの救世主扱いされている家族信託というのは一体何者なのでしょうか。   超高齢化社会が到来した日本では、2000年に「体が弱ってきたら介護保険、頭が弱って

          マガジン

          マガジンをすべて見る すべて見る
          • 或る独立FPの視点
            ニックFP事務所

          記事

          記事をすべて見る すべて見る

            シェフの気まぐれサラダとファンドラップ

            ちょっと洒落たレストランに置かれた黒板メニューの1つに「シェフの気まぐれサラダ」とか書いてあるのを見かけると、「どうして見ず知らずのシェフが気まぐれに調理したものを、お金を払ってまで食べなければいけないんだ」と偏屈者の私は思ってしまいます。   そんな私がこの度、リテール金融業界での類似商品(と、勝手に思っていた)「ファンドラップ」なるものを某信託銀行にて試しに購入してみました。500万円ちょうどですが、理由はその金額がこの銀行でのファンドラップ最低販売単位だったということだ

            英語に直すと視界良好にみえてくること

            日本語だとその違いがよく分からないけれども、あえて英語に直してみるとその意味が理解しやすくなることが時々あります。 まずは不動産分野からです。 金融機関で住宅ローンを組むと、事務手数料と保証料という2つの名目の費用を請求されることが通常です。 そして事務手数料型のローンは「保証料無料」をうたい、保証料型のローンは「事務手数料無料」をうたっていることも多いため、名目にかかわらず合算して1円でも安い方が良いという判断もあるかもしれません。 しかし、もし将来的に期前返済をす

            分譲マンションと導火線がついた爆弾の相似性

            昔みたテレビのコメディ番組に、導火線に火がついた丸い爆弾を数人が大騒ぎしながら自分以外の人に次々と投げ渡し、最後に爆発してしまうという場面がありました。 その時に思ったことは「どうして他の人に投げ渡すのだろう。人がいないところに放り出してしまえば、誰も酷い目に遭わずにすんだのに」ということでした。 しかし現実の世の中にも、他の誰かにタイミングよく投げ渡さない限り、いつか自分(乃至は自分の子供等の相続人)のところで爆発してしまう可能性がある「分譲マンション」という静かな爆弾

            入国審査で怒る外国人とNISAかiDeCoで悩む日本人

            空港のイミグレーションで、パスポートを片手に振り上げながら入国審査官に抗議をしている外国人男性を見かけたことがありました。 大声なので聞こえたのですが、訛りの強い英語で「自分は有効なパスポートと日本入国ビザを持っているのに何故すんなりと入国させない」と抗議しているようでした。 しかしながら「有効なパスポートとビザを持っている=入国が許可される」というこの外国人の認識は間違っています。 ビザを発給するのは外務省管轄の在外領事館等であり、入国可否を判断するのは法務省管轄の入

            最強セールスに簡単に屈した話

            もうだいぶ前の話ですが、アメリカ南部に住んでいた頃、新車の「トラック」を衝動買いしてしまった経験があります。 それは家族が日本から合流してくるスケジュールも決まり、2台目のクルマが翌月には必要となる頃でした。 とある幹線沿いのディーラーに立ち寄ってみると普通の乗用車と並んで、米国(特に南部)では一定の強い人気がある所謂ピックアップトラックが何台も展示されていました。 そこで前から疑問に思っていた質問を、私を偶然出迎えたマッチョ体形な白人セールスマンに聞いてみました。

            「水道局の方から来ました」みたいな生命保険営業

            「水道局の方から来ました」とインターホン越しに言われてドアを開けてしまうと、「水道局が物理的に所在する住所と同じ方角から来たので嘘はついていない」と居直る民間業者が謎の浄水器を押し売りするという商法が社会問題になったことがありました。 先日、私自身の将来相続対策(=法定相続人x500万円が非課税枠となることの利用)のための「終身保険」を探していたところ、ある外資系生保の営業パーソンから「介護保険付き終身移行型変額保険」という商品を勧められました。 この商品は一見すると「掛

            「不安商法」と「共感商法」

            数年前に帰国した際に、日本では20年ぶりくらいにクルマを購入しました。 買い物用途程度なので5年落ちの2万キロちょっと走行した中古の国産車を80万円ほどで購入したのですが、販売店であるメーカー系列のディーラーに勧められてメインテナンスパックというものにも同時に申し込みをしました。 そのメインテナンスパックは購入後の2年間が対象で2万円強の費用が掛かるのですが、6か月毎の車両点検とオイル交換が無料というものであり、メカにそんなに強くない者にとっては「安心料」を含めての料金と

            不思議な「お得」

            時々とても不思議なコマーシャルを見かけることがあります。 それはいわゆる買取り業者の「その場で5千円キャッシュバック」とか「今なら買い取り価格10%増し」のような広告です。 買取りの対象が貴金属など価格自体にある程度の客観性と透明性がある商品であれば理解できなくもありません。 しかし、中古のバイク、パソコン、着物等は当然個々の状態や希少性などによる評価となるのでしょうから、常識を使い考えれば「通常の買い取り価格からキャッシュバック分を安く買い叩いているだけ」ということが

            日米クレジットカード制度の比較

            私が初めて米国に駐在したのはもう四半世紀前以上となる1995年でしたが、当時の日本人の常識で考えると驚いた個人金融システムがありました。現在その一部が日本でも常識となっていることに時の流れを感じますが、そのいくつかをこのコラムを通じて今後時々紹介していこうと思います。 最初に取り上げるテーマは「日米クレジットカード制度の比較」です。 1995年当時でも、もちろん日本で発行されたクレジットカードを米国で使用することは可能でした。 しかし本邦の日本円口座にひも付きで円転後に

            非正規社員雇用契約と定期借家契約の相似性

            正社員と非正規社員の格差問題に関するニュースを耳にする度に思い出すのが、賃貸不動産の世界において普通借家契約と定期借家契約が併存している状況です。 企業の雇用問題と不動産賃貸業は一見無関係に見えますが、労働市場において非正規雇用が拡大した背景と不動産賃貸市場において定期借家契約が誕生発展した経緯は以下の通りとても似ているように感じます。 1. 先ずは、会社や大家は「強者」だが求職者やアパート等の賃借人は「弱者」であるという大前提が定義付けられる。 2. そして「弱者」は

            選挙で買収される有権者と仕組債を購入する投資家

            最近はあまり聞きませんが、以前は時々有権者が数千円の「小銭」をもらって特定の選挙立候補者事務所に買収されるという事件がありました。 もちろんこれは完全な違法行為ですが、物事の本質としては「目先の小銭に釣られて自分が持っている自由とか権利というものを安売りしてしまうと、後でとんでもないしっぺ返しを喰らわせられる可能性が高いぞ」ということを意味しています。 先日、ある証券会社から年利5%以上の「債券」の購入を提案されました。その商品の高利率の魅力と相対的安全性を熱く説明頂きま

            任意継続被保険者制度のルールと禁煙ホテルの張り紙

            多くの会社員が退職後によくお世話になる任意継続被保険者制度において、令和4年1月から被保険者からの申し出による資格喪失が可能となったというニュースを読んで苦笑しました。 これまでは退職翌日から20日以内に申し込み、一度この保険制度に加入すると2年間は継続する「義務」がありましたが、今後は被保険者の判断で加入期間中にいつでも国民健康保険等への変更ができるようになったという制度柔軟性の向上らしいですが、現実としては何も変わっていないというのが私の受けた印象です。 なぜならば、