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"プラグマティズム" - 世の中の変化を見逃さず、常に最適化を意識…

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"プラグマティズム" - 世の中の変化を見逃さず、常に最適化を意識する https://www.nicksfpoffice.com https://twitter.com/yamada_nick

マガジン

  • 或る独立FPの視点

    世の中の変化に伴い生まれてくる新しいルール、仕組みなどの周りには「不思議な仕掛けの世界(Gimmick Wonderland)」があるようです。

最近の記事

或るFIRE支援FPの葛藤

今年は4年に一度のアメリカ大統領選挙の年です。日本でもそれに関連する報道が多くなってきました。 その中でもトランプ前大統領への一定層の熱烈な支持に関しては、疑問に感じる人も多いようです。 しかし私自身はトランプ人気を理解できる気がします。 私が日本の商社員として米国南部で勤務開始したのはまだ30歳代前半でもう四半世紀程度前になりますが、その担当業務の一つは米国の中小化学品問屋に、自ら中南米等で買い付けてきた原料を販売することでした。 アメリアの田舎にて、自分が生まれた

    • 大手信託銀行ファンドラップ購入から1年少しが経ち

      2022年9月末に年率1.54%という凶器的な「投資顧問報酬」を取る某大手信託銀行のファンドラップを購入最低金額の500万円分買いました。その理由についてはこちらの記事をご参照ください。 シェフの気まぐれサラダとファンドラップhttps://note.com/yamada_nick/n/neea2bdbcc9d3?sub_rt=share_pw 2022年末時点での運用成績は芳しくありませんでしたが、抱き合わせ高利率3か月定期預金500万円の金利で見事にオフセットされて、

      • 新年を迎えて丸い数字で日本のお金周りを見る

        2024年を迎えて丸い数字で日本のお金周りの現状を見てみます。 日本の年間国家予算は約115兆円程度ですが、別途補正予算が組まれるのが常態化していますので、昨今は合計125兆円程度です。 また、国税とは別に社会保険料の徴収が年間75兆円程度ありますので、全部併せて日本は毎年約200兆円のお金を使っています。 その「使い道」と「集め方」を、税と社会保障の一体化をベースに整理してみます。 先ずは「使い道」ですが、最大項目は社会保障関連の支出です。年金60兆円、医療40兆円

        • 特化するという戦略

          会社員時代に米系航空会社をよく利用していました。 米国駐在中のみならず、東京本社勤務中も主にU航空に搭乗していたのですが、同社から米国シカゴへの旅行に招待されたことがありました。 それは当時「日本に住む日本人」として最も頻繁なU航空利用者なので、そのお礼に彼らが協賛する米国PGAゴルフトーナメントの前日レセプション、いわゆるプロアマ競技会に招待するというものでした。 往復フライトから現地ホテル代等もすべてU社持ちのとのことで、勤務先にコンプライアンス上問題ないことを確認

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        記事

          銀行ジェロントロジストという資格

          最近「銀行ジェロントロジストⓇ」という資格を取りました。 金融財政事情研究会(きんざい)と日本意思決定支援推進機構という共に一般社団法人である2団体の共同認定資格です。 ジェロントロジー( gerontology )という言葉はウイキペディアによると「老年学 - 老齢化又は老いることについて心理学的な立場から考える学問」と定義されています。 きんざいはこの資格を「高齢者に起こりうる認知機能の低下リスク等、ジェロントロジーの基本を理解し、日々の業務で遭遇する高齢者との金融

          銀行ジェロントロジストという資格

          マイナ議論で思い出す国境近くでの検問

          米国テキサス州南端のメキシコ国境近くの沿岸に、橋を渡って行くことができる南北に細長いサウスパドレ島という小ぶりなリゾート地があります。 15年くらい前の話ですが、当時フルサイズ・ピックアップトラックと呼ばれる大型のアメ車を運転していた私は休暇を取り、妻とその頃小学生の息子と娘を連れてそこに遊びに行きました。 何日か滞在したあとの帰り道のことでした。ハイウェイの入り口に向かう田舎道を走っていたところ、検問があり停められて、2人組の警察官らしき人物が運転席に近づいてきました。

          マイナ議論で思い出す国境近くでの検問

          「これはお幾ら万円ですか?」というやっかいな問題

          視聴者が持参する古美術品や昔の玩具などの「お宝」を専門家や鑑定家と称する人たちが値付けするテレビ番組が安定した人気を集めている(いた?)そうです。 人気の秘密は、高額だと信じていたものに安値がつけられたり、意外なものが高額な評価になることらしいのですが、安値評価で残念がる場合はさておき、高額な値付けに喜ぶ感覚を今一つ理解することができません。 何故ならば、そこに真剣なオークション性はなく、提示価格にそれなりのウンチクはあろうとも、しょせんは「無責任な値付け」にすぎないから

          「これはお幾ら万円ですか?」というやっかいな問題

          海外不動産投資と相続

          自己利用の別荘として、または賃貸用物件として、海外不動産投資へと誘う広告や記事を見かけることがあります。 そこには素敵な写真やイラストとともに、その国の成長性、投資対象物件の収益性、現地の良好な治安状況等々が、いわゆるマンションポエム的な見出しと共に書かれています。 仮に英語(乃至は現地語)ができなくても、契約から物件引き渡しまで業者によるサポートがあるそうですが、それでも海外での不動産現物投資には「相応の覚悟」が必要です。 それは、業者サポートの有無にかかわらず、所在

          海外不動産投資と相続

          簿記の素敵さについて個人事業主の素人が少しだけ語る

          30年以上も会社勤めをしてきましたが一貫して営業部門であったため、自ら帳簿付けをした経験は一度もありませんでした。 取引先財務状況の確認、事業投資先の経営判断などの為に、多くの決算書類(損益計算書、貸借対照表等)に触れる機会がありましたが、それは簿記の結果としての「完成品」に接してきただけであり、自らがその作成過程に入り込んだことはなかったのです。 しかし早期退職後に青色申告者の立場で個人コンサルティングビジネスを始めた頃に、簿記を基礎から学び直し、その証として日商簿記検

          簿記の素敵さについて個人事業主の素人が少しだけ語る

          話すレベルで書くことへの違和感(アウトプットを考える)

          同じアウトプットでも「話す」と「書く」とでは意識すべき点が異なると考えます。 程度問題はありますが「話す時には瞬発力」が「書く時には正確さ」が優先されるということです。 「書く」アウトプットでは本人の納得が行くまでの構成検討や文章推敲が可能な一方で、「話す」アウトプットでは事前準備が可能な講演等を除いて、その余裕はありません。 この違いについて、FP資格取得者が実務にてアウトプットをする場面を見てみます。 事前に質問内容が知らされていない相談会等と、セミナー講師として

          話すレベルで書くことへの違和感(アウトプットを考える)

          雇用保険の公共職業訓練所での日々

          失業保険とも呼ばれる雇用保険の基本手当を受けとるにはハローワークに出向き「求職の申し込み」をする必要があります。 基本手当の正式名称は「求職者給付」であり、それを受給できるのは「失業の状態にある人」だけです。 失業者とは以下の3条件に該当する人と明確に定義づけられています。 1.積極的に就職する意思があること 2.いつでも就職できる能力(健康状態、環境など)があること 3.積極的に仕事を探しているにもかかわらず現在職業に就いていないこと すべての条件を満たしている

          雇用保険の公共職業訓練所での日々

          悲報:米国永住権を放棄した件

          私は米国永住権保有者でしたが、3度目の同国駐在からの帰国後に放棄しました。 現地移民弁護士への高額な費用と多大な労力を使い取得し、且つアメリカ好きなので、帰国後もできれば保有していたかったというのが本音です。 しかし米国への永住回帰予定もなく生活の拠点を日本に移した以上、永住権の維持が現実的選択肢ではないことを私はそれまでの経験からも知っていました。 そもそも米国永住権は一度取得すると生涯有効となるものではなく10年毎更新制です。 その手続きには米国内での本人面接もあ

          悲報:米国永住権を放棄した件

          私が愛した「ひよこ食い商法」

          「ひよこ食い商法」とは資格を取り士業として独立して間もない人や起業家の卵たちの焦り気味な心理につけ込み、何か高額なものを売り込んでくるビジネスのことを言います。 当事務所の開業直後にも多くのひよこ食い業者からの勧誘を受けました。 記憶に残るベスト5を「私が愛したひよこ食い商法」と銘打って紹介したいと思います。 第5位 火災保険金の申請代行業者系 これを「ひよこ食い商法」に入れてよいか迷いましたが開業後間もない頃、とある名刺交換会にて「最初は大変でしょう。お客さんが来た

          私が愛した「ひよこ食い商法」

          新NISA制度はノアの箱舟への乗船券なのか

          「資産所得倍増プラン」並びにその中心的役割を担う2024年スタートの新NISA制度の設計発表もあり、貯蓄から投資への熱量が一定の高まりを見せています。 ネット上でも関連ブログや記事が増えていますが、その内容は「NISAとiDeCo制度比較」とか「株式投資は個別株かインデックス型か」等の従来からのテクニカルな論点が中心です。 しかし今後の金融資産管理と運用の出発点は、よりマクロ的観点から「保有金融資産の通貨選択割合から考える」時代に入ったと考えます。 端的に言えば、日本居

          新NISA制度はノアの箱舟への乗船券なのか

          「家なき子特例」細則ににじみ出る国税庁の怒りと哀しみ

          私の愛読書の1つである国税庁ホームページ掲載の「タックスアンサー(よくある税の質問)」には数多くのドラマが散りばめられてます。 一例としてタックスアンサー第4124話(正確には単にNo.4124)記載の相続税制に関する「小規模宅地等の特例」を見てみましょう。 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4124.htm 本特例対象は相続財産としての特定事業用宅地、特定貸付事業用宅地、並びに特定居住用宅地の

          「家なき子特例」細則ににじみ出る国税庁の怒りと哀しみ

          個人事業主のスマホ最適プラン実践例

          FP相談は通常、年間収支表(PL)と資産負債表(BS)を基に将来に渡る個人キャッシュフロー表(CF)を作成して毎年の金融資産残高を連続的に可視化するところから始まります。 そして相談者の毎年末の金融資産残高に危険な減少傾向が見受けられる場合には、その改善策を「収入増」「資産運用」「支出減」の組み合わせで考えて行きます。 その過程でよく使われるのが「保険の見直し」ですが、一時期それに加えて「スマホ契約の見直し」がブームになった事がありました。 「ありました」と敢えて過去形

          個人事業主のスマホ最適プラン実践例