刀歴12年の僕が、舞台「刀剣乱舞」に出演して感じる刀の面白さ
はじめまして山田大生(やまだたいき)です。
5/15まで、舞台『刀剣乱舞』綺伝 いくさ世の徒花に、アンサンブルとして出演しています。刀剣乱舞の出演を機に、初めて僕のことを知ってくださる方も多いと思うので、noteで自己紹介をしようと思います。
1991年7月14日生まれの30歳。京都府京都市の出身です。現在は殺陣やアクションなどを中心に、俳優業を行っています。
僕は、抜刀道を18歳から12年間取り組んできました。“抜刀道”という単語を聞いたことがない人も多いと思いますが、その名の通り、日本刀で物体を斬る武道です。まさに世界の人がイメージするサムライ。本来日本人にはすごく馴染みのある武道なんですよ。
所属しているのは全日本刀道連盟。現在錬士四段という段位で、人に教える資格も所有しており、いつか自分の教室を開くのが夢です。
僕が刀を面白いと感じる点は、リアルな実戦を意識して取り組むところです。
子供のころ、戦闘アニメやバトルマンガが大好きでしたが(今も大好き)、その戦闘の世界に入っているような疑似体験ができるんです。格闘技が好きな人ならハマるんじゃないでしょうか。
真剣は見た目よりもずっと重くて振るのが大変。体も鍛えられましたが、精神面にも変化がありました。熱くなって力が入りすぎると、意外と刀って斬れないんです。また狙った通りの場所に刃を当てられません。だから冷静になることが大事。日常生活でも、精神統一ができるようになった気がします。
刀を使ってきた経験を活かして、これまで時代劇や神社での演舞等でも活動してきました。さらにこの度、刀剣乱舞という、素晴らしい舞台に出演させていただけることをとても光栄に思っています。
歌仙兼定役の和田琢磨さんと。ゲームから飛び出てきたみたいですよね。中身も歌仙兼定みたいに雅でユーモアたっぷり。面白くて優しい座長です!!
刀剣乱舞には、昨年の『刀剣乱舞』无伝夕紅の士-大坂夏の陣-から参加させていただいています。
実際に舞台に出てみて気付いたのは、刀の正しい立ち振舞いと、客席からの美しい刀の見え方は微妙に異なるということです。
一例としては、本来の戦闘では、すぐ斬りかかれるように、相手(敵)に刀の刃を向けます。ですが、舞台では、刀の刃の面を客席から見えるように持つ方が見栄えはいい。
また刀の用語で、切先三寸(きっさきさんすん)・物打ちなどと呼ぶのですが、刀は先端から9センチほどが、最もよく斬れる部分です。そのため、相手と刃を合わせるとき、本来は刀の先端同士がぶつかることになるんです。
しかし、舞台で切先三寸で戦うと迫力がでません。そのため、この図の右の絵のように、大きくバツを書くように刀を合わせることになります。
舞台上で美しくわかりやすく見えることは大事。ですが、ずっと刀を振ってきた身として、刀の重さや切る角度など、リアリティも追求したい。見栄えとリアリティを両方失わない刀の所作を心がけているのが、僕的なこだわりです。
舞台では、物語だけでなく各キャストの殺陣にもぜひ注目してください。
ちなみに公演がない期間は、週に2回、師匠のもとで刀とアクションの稽古をしています。ちなみに刀を抜いたり、振ったりすることよりも、納刀(鞘に収めること)の方が難しいので、殺陣では納刀にも注目してみると面白いのではと思います!
長く第一線で活躍してこられ、知識も豊富な師匠のもとで刀を学ぶことができとても感謝しています。
刀の知識が付けば、刀剣乱舞の世界もさらに楽しんでいただけるはず。まだまだ未熟者ですが、刀剣乱舞ファンの皆様に、刀の面白さをさらに知っていただきたいので、徐々に紹介していけたらと思っています。もし知りたいことがあったら気軽に質問してください。
今後ともよろしくお願いします!
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