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今、日本のオール分野のビジネスパーソンがダントツ一押しで読むべき本『DXの思考法』

 子供の頃から読書好きで、特にエバンジェリストみたいなことを名乗るようになってからは、自分の礎には読書があるという自覚はあります。noteで公開読書記録というマガジンを書いているのも、自分への備忘(同じ本を2回買わないようにとかw)という意味も強いのですが、単に本を読むのが好きという素朴な理由です。そんな僕でも、複数回掛けて精読しようと思うことは滅多にありません。セッカチな性格が故に速読て読了して、読み返そうと思うことはたまにありますが、実際にやりきった記憶は殆どないのですが、本書は、一度読み終えた後に、しっかり理解しようと、一度目よりもゆっくりとちゃんと読み返した数少ない本です。伝えようとしている内容は、深く本質的で、読み飛ばせる内容は無いですが、今ビジネスをしようと思うなら、きちんと理解して、自分の思考回路に取り込むと、とても有益は本だと思います。
 ちょっと大袈裟に言うと、『DXの思考法』を理解して取り組もうとしている人と、できないないしする気がないと、日本人ビジネスパーソンは二種類に分けられると思いました。前者の方とは、どんなポジションであろうと接点は持てるし、後者の人とは協業も連携もできないだろうなと思います。そのくらい、素晴らしく本質的で、今の日本の課題を鋭く描き出している本です。絶対読みましょう、そして、自分が腑に落ちるところまで理解できているかどうか確認すると本当に良いと思います。起業家は全員マストリードですが、日本の大企業の経営者がこの本を読んで経営する際に顧みてくれたら、日本の国際競争力は少なからず上がるだろうなと心底思います。

 馬鹿っぽい表現になりますが、一言でいうと「頭が良くなる」本です。「頭が良くなる」ってどういうことなのか?巷に溢れる自己啓発系ではなく、僕がこの本を読みながら感じた「ここに書いてあることの概要を理解できたら自分が頭良くなるな」というのは、「今までに自分になかったら新しい概念を、構造的に理解できるようになる」という意味です。デジタルワールドが経済や文化の中心になり、未来に牽引するようになった時代にデジタル社会の構造を新しい視点を持つことでより深く、本質的に理解できるようになりそうだ、と読みながら思わせてくれるのは凄い本だなと思います。

 二度目に読み直している時は、丁寧にメモを取りながら、わかりやすい要約をまとめようと思っていたのですが、別に僕の役割ではない気がしてきました。本書のどの部分に惹かれるかは、その人の仕事の経歴、今のポジション、これから目指す方向性によって違うでしょう。そして、そこここに示唆にあふれる、抽象化された概念と上手な比喩が溢れています。ともかくゆっくり読みましょう。読まなきゃ駄目です、というのが僕が伝えたいことになります。僕の言っていることがやっぱり馬鹿っぽいですねww

高度成長期の成長を支えたカイシャや日本産業の持っていた基本的な原理やロジックと、現在のグローバル経済を突き動かしているロジック、デジタル化のロジックとが合わなくなってしまっている。換言すればタテ割りの行動様式とは合わないデジタル化のロジックがある、ということである。まずそれを理解しないと、今グローバル競争の最前線で起こっていることも、行政のデジタル化の先に何があるのかも、その全容を理解できない。それをせずに目の前にある現象を追い、トラブルに対応してみても、実を結び日本が再生する事は無い。(P15)

 これは日本がこのまま、ITが遅れた貧乏な国として、世界第二位の経済大国から、中進国にならないために(「なっても良いじゃないか」という意見の人は、これまでの日本人が享受していた様々なものを手放す覚悟をして言ってくださいね)マストで知っておくべきことだと思います。

デジタル化が全面化する時代に変容しつつあるのは、個々の企業の経営のあり方だけではない。企業が活動する産業そのもの、消費者を含めて取引を行う市場そのものが、新しい形にトランスフォームしつつある。そしてこうした産業や市場の変化も、ソフトウェアあるいは人工知能のあり方と不即不離の関係にある。(中略)そして今後の経営者には、その全貌を大まかに把握し、自らの企業の経営判断に生かすことが欠かせない。その意味において本書では産業丸ごとの転換、「インダストリアル・トランスフォーメーション(IX)」を掲げることとする。(P19)

 まさに、音楽業界、エンタメ業界、メディア業界に当てはまる話ですね。業態を変えないと駄目なのです。特に日本の経営者でこの認識をお持ちの方がどれだけいらしゃるのでしょうか?昨年までのやり方は、今年からは通用しないという認識が無い方にはスマートに退場していただいて、これを自明のことと捉えて、グローバル市場にファイティングポーズを取る若い世代が腕を奮う場を作るのが自分の世代の役割だと痛感しています。

もちろんGAFAのような企業は確かに地図を大きく塗り換えたには違いないが、「大小に関係なく自分も地図のどこかにポジション取りをしていて、地図を描き換えようとしている」と言う意識を持つことがIX時代には決定的に重要である。(P26)

 最近は、イノベーションが、軽く使える言葉になってしまっていますが、まさに地図の上にいる自分が地図の一部であるという感覚は、起業家が持っておくべき重要なマインドですね。

デジタル化の時代に不可欠なのはこのまずは抽象化してみて、それから具体化するつまり感覚的に言えば(上がってから始めて下がる)と言う発想である。(P43)

  抽象化と具体化の行き来(上がってから下がる)もスタートアップに大切な思考法です。他にも「ミルフィーユをイメージするレイヤー構造」や「本屋にない本を探す」など、示唆的で本質が腹落ちする(けれど、ちゃんと自分の論理構造に組み込むのにはエネルギーが必要な)アナロジーによって構成されています。
 これを読まなきゃ話にならない、でもこの本があって助かった、そんな気持ちで二度目に読み終えて、慌ててnoteを書きました。結局は雑然とした推薦文になってしまいましたが、SUPERオススメです。

<関連推薦図書>

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