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第一章-3-クラウド化とグローバル化は表裏一体(全文公開)〜『音楽業界のカラクリ』サポートページ

 いまや音楽ビジネスではグローバル市場への展開が前提となっています。この流れを加速したのがクラ ウド化であり、日本は遅れをとっているのが現状です。

●クラウド化がもたらしたグローバル化

 クラウドは、「雲」という意味で、インターネット網上に、情報を置いておく状態を指し示した表現です。ネットワーク上の「雲」には、インターネットにアクセスすれば、どこからでもアクセスが可能です。通信環境が整備されて、常時接続が当たり前になった今は、クラウド上にコンテンツが有るということは、世界中どこにいても、いつでもアクセスできる、つまり楽曲を聞いたり、動画を見たりできるようになったということになります。
 これこそが、音楽市場がグローバル化した理由です。以前の音楽ビジネスは国ごとに独立していました。他国でリリースする時は、CDを輸出するか、原盤権をその国のレーベルにライセンスして販売してもらう形でした。高齢の方は、洋楽作品のCDに国内盤と輸入盤が存在していた記憶をお持ちかと思います。ライセンスされたものが国内盤で、CDごと輸入されたのが輸入盤です。国内盤は、歌詞カードや訳詞、アルバム解説などのブックレットが充実していて価格が高かったのはそのためです。この歴史的経緯で、今でも契約関係は権利についても各国ごと管理が基本になっています。

●グローバル展開がビジネスの前提に

 今では、Spotifyに配信すれば、その瞬間に「世界デビュー」したことになります。YouTubeにアップロードすれば、世界中の人が視聴可能になる訳ですから、音楽などのコンテンツがデジタル化してクラウド化された今は、作品を発表した瞬間にグローバル市場にいることができてしまう時代になっています。
 このことも音楽ビジネスを構造変化させている大きな要因の一つです。現在の音楽ビジネスは、グローバル市場を前提としたものになっています。K-PopでのBTSの米国市場での成功が象徴的な事例です。クラウド化とグローバル化はコインの裏表のようにセットなのです。
 日本の音楽業界は、デジタル化に遅れを取ったことによって、海外市場展開も大きく出遅れ、でも韓国の後塵を拝することになっているのが現状です。グローバル市場への取り組みは日本の音楽業界にとって最大の課題になっています。


モチベーションあがります(^_-)