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令和の女子大生Vはなぜタルキールの覇王になれたのか


はじめに

こんにちは!
いつもポジティブ、山辺カフカです!

そろそろ制服も限界になってきました

先日、タルキール覇王譚(KTK)のリミテッド・フォーマットで開催されたアリーナオープンに参加してきました!

最近の筆者のアリーナオープン戦績はと言うと、11月のイクサラン:失われし洞窟(LCI)で約半年ぶり・今年3回目のマネーフィニッシュを記録する等、好調の波が来ておりました。
※LCI, ONE, MOMのアリーナオープンの振り返り記事は↓

そして好調の波に乗り、今回も幸いにも、Day2を4-0/4-1(計8-1)、$2000マネーフィニッシュすることができました!

ここではその記録と、この結果に至れた理由の考察をしたいと思います。

今回はDay1, Day2ともにアーカイブ動画を残しておりました!
記事内にリンクを貼り付けておりますので、よろしければこちらのアーカイブもご視聴ください!
(チャンネル登録・高評価お願いします!)


タルキールと私

アリーナオープンDay1,2の話に入る前に恒例の余談です。
今回のKTKは、私にとって初めてスタンの新セット以外で行われたアリーナオープンでマネーフィニッシュをした点で、非常に価値があるものだと感じております。


逆境

スタンの新セットでのアリーナオープンについては、筆者が過去の振り返り記事でも述べている通り、事前環境予想とその検証が他の参加者への優位性となっていました。
他の参加者よりも早期に環境理解が深まることで、特にドラフトではうまく使えば強いけれどあまりピックされないカードを積極的に活用して、勝率に貢献させることができていました。

一方で、今回のKTKはその真逆の環境でした。
2014年発売のKTKは当然のごとく当時のプロツアー・グランプリのリミテッド・フォーマットに採用されております。
今回、アモンケット・リマスターやカラデシュ・リマスターとは異なり、「タルキール覇王譚」として1枚も過不足なくMTGAに実装されたことで、当時のリミテッド環境を知る古参プレイヤーに有利な条件のアリーナオープンとなっておりました。
加えて、新セットでないこともありアリーナ実装~アリーナオープン開催までがわずか3日という驚異的に短いスパンでした。

ここで筆者のMTG歴について少しだけ触れます。
以下の記事でも述べておりますが、筆者はコロナ禍とMTGAをきっかけに2020年~本格的にMTGで遊び始め、リミテッドに取り組み始めたのは2021年~です。

当然、タルキール覇王譚のカード等知る由もありません。
このため、筆者のようなMTGAをきっかけにリミテッドを始めたようなプレイヤーにとっては、今回のアリーナオープンまでにKTK環境の練習期間をほぼ取れないスケジュールになっておりました。

最近下記のツイートをして少しバズりましたが、半分真面目に
”カードが分からない”
”最近のカードとデザイン・カードパワーが違いすぎる”
と困惑していました。

カフカのつぶやき


そして、これにさらに追い討ちをかけるように、KTK実装のアップデートに合わせてアカウントにログイン不可となる深刻なバグが発生しておりました。

これについては、KTK実装日の12/13(水)から遅れること約2日後の12/15(金)に回復しましたが、筆者は残念なことにこのバグに見舞われました。
結果として、12/15に初めてKTK環境に触れ、翌12/16に無謀にもアリーナオープンに参加する、という超過密スケジュールになってしまいました。

このバグに対してTwitter上で少々苦言を呈してしまいましたが、正直元のスケジュールでも無理はあるのであまり影響はなかったかもしれません。
結果として、筆者がアリーナオープン前に走れたイベントは、プレミアドラフト:2回+α(途中)、BO1シールド:1回のみ、という体たらくでした。


対峙

一方で、もちろんこれだけの準備でアリーナオープンに臨んだわけではありません。

このような逆風下だからこそ、筆者はわずか3日ほどの17landsのデータ(+FujiTaさんによるその考察)にできる限り目を通すようにしておりました。
17landsのデータを参照するには十分なデータ数が集まるかが争点でしたが、3日間で30000件弱のデータは集まってきており、母集団=全体とすれば個別カード評価も信頼できるレベルになっていると判断しました。
言い換えると、母集団を色別やtop player等に絞ってのデータは信頼度が低いと考え、今回は参照するのを控えました。

※なお、FujiTaさんは今回のアリーナオープンDay2でも偶然マッチングし、なんと幸いにもお互いに完走できました!

また、隙間時間にはおだんごさんのKTK個別カード評価枠や、かめしばさんタスさんらのプレイ配信の視聴をすることで、自分でプレイできない知識・体験を少しでも補完するようにしておりました。

中でも特におだんごさんの個別カード評価枠は、KTKが2014年に紙で実装された当時に卓ドラでプレイした際の感触と、17landsデータとの一致/相違について面白おかしく語っていただいており、全く飽きずに自分の中でのKTK環境理解を深めていけたと思っております。 
おだんごさんのチャンネルにはインスタント表・変異表も纏められており、当日は大変参考にさせていただきました。
この場を借りて御礼申し上げます。


色の強弱

ここからは逆境に対峙して得た事前の環境理解の内容を簡潔に述べます。

色の強弱については、いつも通り17landsのdeck color dataを参照しました。
既にアリーナオープン当時よりもデータ数が増えてきておりますが、以下が現在のKTKプレミアドラフトにおける色別勝率データです。
事前に収録カードには一回は目を通した上で、このデータを見てその理由を考える、というプロセスを踏みました。

deck color data (KTK premier draft; 2023/12/12~20)

まず、楔3色環境ということで「有効色2色」や「弧3色」はほとんどいないのかと思いきや、「有効色2色」も無視できない程度に存在することに気づきました。
これは、最近の3色推奨環境のニューカペナの街角などと比べると、3色の中心色(ex. エスパーなら青、アブザンなら黒)に触る必然性が低いため、と考察しました。
詳細な考察は以下の通り。

・コモンの多色カードはすべて3色であり、対抗色2色のコモンの収録はなし。アンコモン・レアには対抗色・楔3色の強力なカードは多いが、タッチでも実用的な運用が可能。
・コモンで対抗色の起動型能力を持つものがいくつかあるが、それらの平均的なカードパワーが低い。
・長久(アブザン)、獰猛(ティムール)、果敢(ジェスカイ)については、それぞれ緑白・赤緑・青白に関連カードが多く、場合によっては中心色を抜いた方が綺麗な型になる
・2色土地は対抗色だけでなく有効色のものも採用されている。

カフカの脳内

そして、比較的色格差の大きい環境であることにも気づきました。
これは、圧倒的に多くの試行回数組まれている白黒ベースのデッキが、その混みやすさにも関わらず高い勝率を示していることからの推察です。
白黒ベースでもアブザンカラーとマルドゥカラーの間には有意に勝率差があり、ゆる速サーバ内で聞いていた前評判通り、アブザンカラーが頭一つ抜けて強い環境、ということがデータでも示されていることを把握しました。
そして、このデータはBO1のプレミアドラフトのものであり、BO3で行われるアリーナオープンでは対策されやすいアグロ型のマルドゥと、幅広く対応できるミッドレンジ型のアブザンの差はさらに開くだろう、と考えました。

まんまこのカード名の通り


環境速度

普段の筆者の環境予想・反省記事でも各セットの平均キルターンを気にしていますが、今回のKTK環境がどうなっているかにも非常に関心がありました。
いつも通りFormat speedのデータを参照すると、以下のような結果になっておりました。

Format speed (KTK premier draft; 2023/12/12~20)

KTK環境は平均キルターン=9.85程度と、近年のセットと比べると非常に遅いリミテッド環境であり、先手勝率も51.0%と比較的まろやかなデータです。
これを見た筆者なりの考察は以下の通りです。

  • キルターンが遅い要因の一つはクリーチャーの低スタッツ。緑以外のコモンにデメリット無しの2/2/2がおらず、2/3/1は緑のアンコモンに1枚のみ。結果的に、変異の3/2/2が標準スタッツと言える環境になっている。

令和民には刺激の強い、貧弱な2マナ域
  • 低スタッツのクリーチャーの中で、壁クリーチャー(パワー0・高タフネス)のスタッツの良さが際立つ。明確に環境を遅くしているの一つであろう。ただし、パワーが0(ないしは低い)ため、アグロ側も横並べして殴り続けることは難しくなく、1:1交換の疑似除去くらいのイメージ。

防衛…DMU…うっ頭が
  • 変異じゃんけんで勝てるようになるのが最速で5ターン目になるので、先手ブン回りはそこまで不条理なレベルにはなりにくいのもデータに表れている。

  • 近年のセットではDMU環境に近いが、DMUの遅さの原因の一つは軽量除去の優秀さであり、この点で除去の弱いKTK環境とは大きく異なる。遅いからと言ってDMUのようにコントロールが再現性よく成り立つ訳ではない

  • 逆に言えば、環境が遅いからと言ってアグロが否定されている訳ではない。スタッツが低いのは攻めるデッキではなく受けるデッキにも公平に影響があるため。前項で触れている通り白黒ベースが環境のTier1であり、綺麗な白黒は戦士アグロアーキである。

  • 遅い環境ほど重要なマナフラ受けについては、絶対数が非常に少なく長久持ちが貴重なマナフラ受け枠を担うであろう。ルーティングも貴重、というかほとんどない。

  • 盤面が膠着しやすいであろうことから、DMUの《メリアの騎兵》よろしく飛び道具は重宝する。レアにはいくつかあるが、コモンで頻出しそうなのは主にこの3枚と見られ、これらのケアはしたい。

爆風…!爆風じゃないか!!


素振り

上述の通りログインバグで遊べないのを黙って指くわえているのもアレなので、以下のDraftmancerという外部ツールを使用して素振りをしていました。

こちらのツールは対人ドラフトをオンラインで行えるようにすることを目的にした非公式ツールですが、8人に満たない参加人数でもドラフトを遊べるようにbotを追加する機能も搭載されております。
このbotはいくらでも設定できるため、筆者は7人のbot相手に一人で模擬ドラフトを行っていました。

当然ながら対人ドラフトではないため、botのピック順位が怪しいなどの問題はあります。
とはいえ、bot相手であれば最低限強そうなデッキを組めるために、無料で無数に練習できるのはまさに"素振り"です。
筆者は収録カードを覚えるためにもこのツールを活用し、模擬ピックをしながら「こんなカードもあるのか~」と効率的な学習ができたと実感しております。

実はこちらのツールであればアリーナ実装前からこの"素振り"ができるため、今後の新セット実装時にも有効な練習方法かもしれません。


過去の考察記事について

時間が限られていたこともありますが、過去紙で実装されていた頃の評価に基づくドラフト攻略記事等は、今回アリーナオープンの準備のためにほとんど読むことはありませんでした。
(Twitterのタイムラインで流れてくる情報の流し読み程度はしていました)
これはそのような記事を貶める意図ではなく、筆者としてはアリーナオープンとは別のゲームの解説になっているため危険、と考えたためです。

MTGアリーナのドラフトの仕様についてご存知でない方のために解説すると、通常イベントであるプレミアドラフトは対人ドラフト(別の実在するプレイヤーとのドラフト)ではありますが、所謂卓ドラフトではありません
卓ドラフトでは、同じ卓内のメンバーとマッチングするため、「同卓の色分布の把握」や「強カードのカット」といった技術がより重要になってきますが、MTGアリーナのマッチングは同卓限定ではないため全く知らない卓のデッキと戦うことがほとんどです

この仕様の違いこそが筆者が”別のゲーム”と考える根本的な理由であり、筆者の短いリミテッド経験でもその違いを噛みしめています。
筆者はMTGアリーナを使用するオンラインイベントしか参加していない/今後もおそらくしないため、外部ツール(Draftmancer)を使用した卓ドラフト経験しかありません。
それでも、上手いプレイヤーのみが参加する卓ドラフトではTier1カラーのカードをうまく集めることが難しく、大抵の場合は環境で不人気とされる色・アーキタイプが優勝したりするものです。

はでらCS SP大会 (Draftmancer卓ドラフト) 結果
■兄弟戦争(BRO)期 優勝:
 バントアーティファクト by 山辺カフカ
■ファイレクシア:完全なる統一(ONE)期 優勝:
 青黒増殖 by starmineさん

半分は筆者の自慢

一方で、卓ドラフトと同じ戦略はアリーナオープンでは通用しません
もちろん同じ卓を囲むメンバーは(おそらく)全員がアリーナオープンDay1を通過できた強者ではありますが、卓内マッチングでない故に「卓全体のデッキパワーを下げる」行為が無意味になります
カットは自分のデッキの選択肢を狭めるだけですし、戦う相手は他の卓のお化けのようなデッキかもしれないので、上ブレの望めるデッキを組んでいかないと勝ち切れません。

このような背景から、筆者として最も信頼のできる情報源はアリーナ仕様のドラフトで行われている17landsデータ(とその考察)であり、自身のプレイ体験による補正が難しい状況下において「過去の一個人の知見だけで書かれた記事」を鵜呑みにすべきではない、という結論に至りました。
人間である以上は読んでしまうとどうしてもバイアスが働くため、それを嫌った形です。

そして、KTK環境特有の筆者としての期待は、上記の仕様の違いが分かっていない参加者がいつも以上に多く、そのような方は過去の知見に基づき「卓ドラフトで強いピック方針」を取ってくれるのではないかという淡い期待もありました。
例えば、一部で卓ドラフトでは強いと囁かれていた下記のカード群は17landsデータ上はそこまで強さを発揮できておらず、この差こそが令和民の筆者のつけ入る隙であり強みである、と認識しました。

卓ドラフトではスゥルタイやティムールが強いのかもしれない。私は何も知らない。


次項以降の内容は、そんないつものアリーナオープンとは全く異なる環境に向けた準備をしてきたという前提で、目を通していただけますと幸いです。


12/16 Day1 シールド(BO1)

アーカイブ動画も残していますので、是非ご視聴ください。

そんなこんなでようやくアリーナオープンの話に移ります。
Day1のフォーマットであるシールドは筆者にとっては魔境であり、過去何度もWotC社にお布施をさせられるほどには苦手意識があります。
今回は比較的まだ善戦した部類に入り、3回目のトライでなんとか7-2で通過しました。


BO1: WBg 7-2

17landsのログデータはこちらから。

事前情報を基にアブザンカラーが強いと認識して臨みましたが、結果的に抜けたデッキもアブザンカラーでした。
ゲームが長引くシールドほど強い《砂塵破》と《幽霊火の刃》の2大ボムレアが輝くものの、他のカードの個体値はそこそこであり、実際(シールドでは珍しい)アグロデッキに轢かれたゲームもありました。

平成の《太陽降下》と、変異じゃんけんを否定する装備品

シールドをプレイしながら感じたことは、この環境は除去が弱い代わりにコンバットトリック(以下、バットリ)が強く、その取扱いが大きく勝率に響くだろう、ということです。
17landsの勝率データでも以下のコモンのバットリは高いGIH WR指標を示しており、これらをうまく使う and/or ケアできないと勝ち切れない、という印象を持ちました。

バットリは令和スペックからそこまで落ちていない。《抵抗の妙技》は今でもトップコモン級のはず。

また、白や緑が強カラーである以上見かけやすい条件付き除去についても、その範囲に掛からないようなケアが有効と感じました。
特に重要なのが《必殺の一射》ケアでして、手札読みが決して得意な方ではない筆者でも構えていることが分かりやすく、これをケアしたコンバットが選べるかどうかはこの環境の勝率に大きく寄与するはずです。

必殺の一射とかいう《万能地雷グレイモヤ》。攻撃時ケアはデュエルリンクスで学びました。


12/17 Day2 第1ドラフト(BO3)

以下、第1ドラフトのアーカイブ動画です。是非ご視聴ください。


ピック・構築

17landsのログデータはこちらから。
ピック譜をピック理由と併せてつらつらと書いていきます。


1-1: 《凶暴な拳刃》《スゥルタイの剥ぎ取り》《マルドゥの頭蓋狩り》の3択。

《凶暴な拳刃》:GIH WR 60.3% (全体10位) とカードパワーは一番高く、白黒の混みやすいDay2ならティムールが穴場という感覚あり。ただし初手に取るには潰しの効きにくい上に弱い3色なのが難点。

《スゥルタイの剥ぎ取り》:筆者にとっての本弾の蜂蜜マンモス枠。緑の中軸としては十分現代スペックと言え、指標よりも高く評価していた。拳刃を下に流すため返しのティムールカラーが不当に高くなりうるのが難点。

《マルドゥの頭蓋狩り》:白黒で一番強いカード。混雑するリスクを負って突っ込むには少々バリューが低く、最初に選択肢から外す。

カフカの脳内

最終的に、「かき集めなきゃ弱いティムールに拳刃を流して入ることはないから、ティムールに行く選択肢を残す」ためにも拳刃に決定。所謂デジタルピックを信じました。

1-2: レア抜け。《熊の仲間》か白の優良カード3枚かで悩む。

1-1と同じロジックでティムールカラー最強のアンコモンである《熊の仲間》を選択。GIH WR 58.7%は全体30位。
正直白のカードは3枚ともどっこいどっこいで強く、1枚抜いたくらいで下家の意志に影響は少なそうとは思いました。

1-3: 潮目その一。《軍備部隊》が流れる。

環境Tier1のアブザンカラーのマルチアンコモンでかつ、GIH WR 59.2% (全体26位) と指標も良く、1-3で流れるのは不自然なカード。
少なくとも上家はアブザン決め打ちマンではなさそう、と考えてこちらをピック。
ティムールとアブザンを両面見てのピックは難しく見えるが、緑のプレイアブルカードなカードを軸に集めながら、いずれの方が流れが来ているかを見極めればカードは足りると判断。

1-4: 《雪花石の麒麟》《高山の灰色熊》と悩んで、ティムールに向かう準備としての赤緑土地の《岩だらけの高地》に。

1-5: 《族樹の発動》と悩んで《高地の獲物》に。現代リミテではあり得ないが、この環境の2/2/1はWOEの《不気ミント》くらいの強さはあると筆者なりに解釈しており、ティムールでもアブザンでもまず入るのは偉い。

1-6: 一番強いカードである《高山の灰色熊》に。これも緑ベースにすればまず入る。

1-7: 《グドゥルの嫌悪者》と悩んで《ティムールの戦旗》に。嫌悪者はUGrbみたいにすれば入るかもだが、そんなドラフトデッキは恐らく弱い。

1-8: 潮目その2。《抵抗の妙技》が流れる。

上でも述べましたが、唯一と言ってもよい令和スペックのバットリ。
当然指標も高く、GIH WRはコモン第3位の57.8%。
Day2でこのカードが8手目まで流れることは異常のサインであり、よほど強いカード群と悩んだのでなければ白は許容されるだろうと判断。
アブザンに行く理由にもなるレベルのカードであり、順当にピック。

1-9: 一周して《スゥルタイの剥ぎ取り》《マルドゥの頭蓋狩り》や《焼き払い》は順当に抜けるが、プレイアブルな緑の変異カードである《サグの射手》が流れておりピック。もう少し緑ベースでティムール・アブザン両面見て良さそう。

1-10: 潮目その3。2枚目の《抵抗の妙技》が一周。
他に確かに白の強いカードが2種あったとはいえ、逆に言えば卓に最大でも2人しか白に入ろうとしていないことがわかる結果。
しかもその2人は下家側であることから、緑白ベースのアブザンカラーの立ち位置が良くなっていると判断。
アブザン:ティムール=8 : 2くらいでアブザンに傾く。

1-11~14: 特筆すべき点なし。


2-1: 《アブザンの隆盛》一択。GIH WR 62.1%(全体第5位)、IWD 8.5pp(全体第11位)のボムレア。

カペナの《斡旋屋の隆盛》ばりに、サイクルで抜けて強い

ここで流石にニッチなティムールに張る理由が薄くなり、ほぼアブザンで確定。
妙技2枚を取れているため白はベースにしたいが、緑は普通のカードしか取れておらず、緑白ベースか白黒ベースかは今後の流れで決めていくことになりそう。

2-2: 《なだれの大牙獣》はGIH WR 52.4%のハズレアであり、《機を見た軍族朋》と2色土地2種の3択。

《機を見た軍属朋》:ハマれば強力だが、2マナ域を厚く取る必要があり構築への制約は強い。特に緑白ベースでは2マナ以下が不足しがちであり、戦士シナジーはあるとはいえバニラ4/3/2は弱すぎる。白黒ベースなら強め。

《花咲く砂地》《磨かれたやせ地》:いずれもアブザンカラーに合う土地。タップイン2色土地は、この環境に限らずタッチカラーよりもメインにする2色の土地を優先して取りたい。これは、後半今引きした際に手札で腐っているタッチカラーカードを唱えにくくなるため。

カフカの脳内

まだ根拠には乏しいが、今のところの流れでは緑白ベースになる可能性の方が高いと考え、《花咲く砂地》を優先。
なお、《アブザンの戦旗》もあるが、べったり3色以上のデッキにでもしない限りは明確に2色土地より弱いため選択肢にはしていない。

2-3: 《縁切られた先祖》や《スゥルタイのごみあさり》もあるが、前者は白黒戦士アーキ、後者は緑黒探査アーキで特に輝く印象。
黒タッチになった場合もごみあさりは検討に値する強さではあるが、既にピックしている《アブザンの隆盛》・《軍備部隊》のためのマナベース安定化は重要と考え、先ほど流した《磨かれたやせ地》を優先。

2-4: 《絞首》より優先して《消耗する負傷》に。
《龍鱗の加護》も強カードだが、プレドラではピックされる順位が低いデータがあり、今回もあわよくば一周を願う。

2-5: 上位コモンである《マルドゥの悪刃》に。

2-6: 上位コモンの《長毛ロクソドン》が流れており、下家側に緑は少なそう。

2-7: 《龍鱗の加護》と悩んで《クルーマの盟族》に。ここは加護でも良かったかもだが、肉が少なめだったため。

2-8: 《ジェスカイの学徒》は強カードではないが、2マナ域としては及第点。隆盛のバリューを高めるためにできれば2マナ域も少し欲しかったところ。

2-9: 一周で《ティムールの軍馬》《射手の胸壁》が抜けており、上家側は緑やっていそう。とはいえそもそも強カードの少ないラインナップであり、余りものから《大牙コロッソドン》に。

2-10: 《アブザンの戦旗》もこの程度の巡目であれば嬉しい。入れるかは最終形を以て決める。

2-11: もしかしたらシナジーがあるかもと《古き者どもの報復》に。どっちもどっちだが《包囲戦法》でもよかったかも。

2-12: 期待通り《龍鱗の加護》が流れ小躍りする。

2-13, 14: 特筆すべき点なし。


3-1: 《アラシンの上級歩哨》に即決。ティムールなんかに行かなくて大正解。

GIH WR 62.9% (全体3位)、IWD 10.4pp (全体3位) のお化け

同じパックには他にもトップアンコモンの《刃の隊長》やスゥルタイ3色土地などもあったが、さすがに悩むまでもない。

3-2: ここもあまり悩まずに《アブザンの先達》に。GIH WR 58.1%はコモン第2位であり、色の強さが後押ししているとはいえ他より明確に一段強い。

3-3: 《必殺の一射》と《マー=エクの夜刃》の2択。

確定除去を何も取れていない中で前者は特にフライヤー用に取っておきたいが、上位層と当たるDay2ではケアられやすく少々指標より弱くなるという認識。
一方、後者は出してすぐの単体バリューが低いため指標自体は全体/アブザンカラー限定ともに高くないが、今回は《アブザンの隆盛》《アラシンの上級歩哨》に加え、インスタントでカウンター付与できる《抵抗の妙技》*2と《龍鱗の加護》とも明確なシナジーが見えており、仕事が大幅に増える印象。
後者のシナジーが実質的に強い除去のように働きうると期待してこちらをピック。

3-4: 環境最強クラスの単体除去である《停止の場》が流れてきたため、上家に白がいないことを確信。ありがたく頂く。

3-5: 強コモンのオンパレード。軽量クリーチャーを優先したく、《アブザンの悪刃》に。

3-6: 欲しかった除去枠である熊パンチこと《凶暴な殴打》に。

3-7: 2枚目の《高山の灰色熊》は《凶暴な殴打》とも相性が良くbest。

3-8: 緑白土地と悩んで《遠射兵団》に。これも+1/+1カウンターシナジーを重視した。

3-9: 《アラシンの上級歩哨》というボムが引けたこともあり、2枚目の《遠射兵団》よりも《従順な復活》を優先。にしてもこのパック、カード強すぎたな。

3-10: 後手でアグロ相手にサイドインする可能性のある《まばゆい塁壁》に。

3-11: 《必殺の一射》が一周、嬉しすぎる。

3-12: 2枚も多分入らないが、一応カットの意味も込めて《アブザンの戦旗》に。

3-13: なぜか《龍鱗の加護》が流れたためありがたく頂く。

3-14: 《熊の覚醒》が最後まで残るのは舐めすぎ。

で、出来上がったメインデッキがこちら。

各対戦の簡単な記録は、余力があった際に追記します。
永遠に追記されないかもしれません(笑)


① vs WBrg ✕〇〇

1G目、後手スタート。
3色見え序盤から展開できる良いハンドだが、お相手も白ベースのアグロの模様。
お互い盤面同士で相討ちし合いあまりライフの削れない展開が続くが、中盤こちらの《マルドゥの悪刃》x2でパンチしたところに《子馬乗り部隊》を変異されて大きくシャクられてしまう…

変異カンニングシートがあったのに赤マナが見えてなかったクソザコです

この2アド差を取り返すのは容易ではなく、筆者もここで8割ほど諦めモードになり雑なプレイングに;
結局このミスが尾を引き盛り返すカードもなく敗北。

2G目、初動4T目なのは気になるが3色揃っており《軍備部隊》のバリューも信じてキープ。
お相手の1T目《血に染まりし勇者》に敗北を覚悟。
幸い《遠射兵団》で場は膠着したためバットリは持っていない模様。
お相手の土地が3枚で止まった隙にこちらはバリューの高いカードを連打し、お相手のなけなしの《残忍な切断》を《抵抗の妙技》で弾いたところであっさりGG!

3G目、後手であり《足首裂き》を処理できる《消耗する負傷》をサイドイン。
1マリガン後に《アラシンの上級歩哨》が見える。
場を《アブザンの悪刃》で止めながら《アラシンの上級歩哨》を着地に成功するが、こちらは土地4つで止まりダブルアクションが取りにくい状況。
《抵抗の妙技》を構え続けるか悩んで歩哨の起動型能力を起動した瞬間に、お相手の《絞首》が綺麗に刺さって歩哨を落とされてしまう…
土地は伸びないものの《アブザンの隆盛》も引き込みなんとか耐え忍ぶが、《戦場での猛進》で攻め込まれ残りライフは3まで削られる。(お相手は絆魂付与により23!)
しかしここから《アブザンの隆盛》の底力が発揮され、トークンにより空も止められる状況となり反撃を試みる。
土地が伸びてからは《従順な復活》で《アラシンの上級歩哨》を回収し、ライフは不利でも盤面はだいぶ有利に。
最後は1G目で見えていた《足首裂き》をケアしながらなんとか勝利、GG!

プレミのせいもあり初戦からギリギリの戦い…先が思いやられる


② vs BG 〇✕〇

1G目、後手スタート。初動4T目だが《アラシンの上級歩哨》が見えるためキープ。
お相手は《射手の胸壁》《縁切られた先祖》と展開、地上は早速膠着しそう。
こちらは都合良く引き込んだ2,3マナ域からの、《アラシンの上級歩哨》⇒《軍備部隊》という強々ムーブを展開。空から殴り始める。
お相手が地上の5/5の《軍備部隊》を4/4+2/1で取りに来たところに、歩哨の起動で分かりにくくしていた《龍鱗の加護》を当ててドシャクリしGG!

2G目、《アラシンの上級歩哨》を信じて土地2キープ。
お相手は《高山の灰色熊》に《殻脱ぎ》を貼ってくる。

割とコモンにしてはすごいこと書いてあります。飛行に付けると宇宙。

《殻脱ぎ》の可能性には気づいていたものの、実際に対峙したのは初めて。
こちらのデッキに綺麗な処理方法はなく考えるが、再生起動に対して《必殺の一射》を当てるのが最適と判断。
実際にこのプランを敢行でき一安心。
しかし、土地がまたも4枚で止まり動きにくい中で、お相手は2枚目の《殻脱ぎ》を《クルーマの盟族》に貼ってくる…!
最後は《熊の襲撃》さえなければ何とか耐えそう…というところでまさにそれを当てられてしまいGG…

3G目、《殻脱ぎ》に効果的そうな《消耗する負傷》を入れるか悩む。
とはいえタフ3以上にはそこまで効きは良くなく、そもそも再生起動が重いので先手なら殴り勝てそう、ということで入れずにGo。
先手には微妙な初手をキープするが、すぐに《アブザンの隆盛》を引き込みゲームプランが見える。
お相手も勝ちを急ぐために4T目に変異+《殻脱ぎ》の4/2で殴り始める良い動き出し。
しかしこの4/2はマナが寝ている隙に接死+格闘で落とすのに成功。2:2交換だが1/1飛行が残るこちらの方が有利。
この後、お相手の《ラクシャーサの秘密》がこちらの残り2枚のハンドを落としピンチとなるが、《龍鱗の加護》でこちらもシャクるのに成功し、盤面はこちらの飛行トークンのみになる。
お相手のなけなしの《スゥルタイのごみあさり》を《停止の場》でいなしたら、あとは空で殴り続けるだけでGG!


③ vs BGu 〇〇

1G目、先手スタート。
《マルドゥの悪刃》⇒《長毛ロクソドン》変異⇒《アラシンの上級歩哨》⇒《アブザンの隆盛》の最強ムーブでGG!
正直他に言うことがない…対話拒否すみません…

2G目、お相手の《陰道の神秘家》が見えていたため《消耗する負傷》をサイドイン。
土地1⇒土地5とクソハンドを渡され、悲しみのダブマリスタート。
お相手は《ジェスカイの風物見》でクロックを刻んでいくタイプのデッキのようで、《アラシンの上級歩哨》の早期着地と迷いながら《アブザンの先達》の絆魂でライフレースを成立させなくするプランを優先。
絆魂は無視できない、とお相手も地上の《遠射兵団》を長久で育てるプランを取るが、こちらは歩哨を立てながら《遠射兵団》を《停止の場》でいなしてプランを崩壊させる。
最後はダメ押しの《アブザンの隆盛》で押し込みGG!レア強すぎい!

新ルールでは初めての3連勝で、4戦目を待たずに第2ドラフト確定!


④ vs URg ✕〇〇

後で気づきましたが、お相手はTwitterのフォロワーのおうかさんでした。
対戦ありがとうございました!!

1G目、後手スタート。
《アラシンの上級歩哨》が初手にある良いスタートだが、お相手も2T目に《爪鳴らしの神秘家》から入る理想ムーブ。
Day2ならではのがら空きティムールかな?と警戒。

初動遅すぎ環境の2マナマナクリは強い

さらにこちらの盤面が出来上がる前に追い討ちのように《幽霊火の刃》も重ねられ、こちらの《高山の灰色熊》ブロックも《熊の襲撃》でシャクられてしまう。
こちらはアラシンの上級歩哨で再度立ち向かうも、《幽霊火の刃》を装備していたのはアンブロッカブルの《隠道の神秘家》!
これに対処する手段はこちらのハンドになく、GG…

絶望の組み合わせ

2G目、アンブロッカブル(と見えていない回避持ち)への対処を見据え、《消耗する負傷》に加えてタッパーの《まばゆい塁壁》をサイドイン。
及第点の初手でキープしたこちらに対し、お相手はダブマリスタート。
1T目に《幽霊火の刃》を置かれて戦慄するも、お相手は土地1で止まってしまい、ダブマリ強行キープであったことが判明。
その後も土地が伸びないお相手は為す術もなく、4Tで速攻GG。

3G目、お相手はまたも2T目《爪鳴らしの神秘家》から入る良い動きだが、こちらも《アラシンの上級歩哨》を引き込む。
お相手は3T目に《谷を駆ける者》と《高地の獲物》のダブルアクションを取ってくるかなり前のめりな展開。土地は《森》しかなく若干事故っている模様。
その後はお互いにバットリ警戒で強く動けない中、またも《隠道の神秘家》がクロックを刻み始め、序盤にライフレースを仕掛けられていた筆者がピンチに。
神秘家を処理する手段のない筆者は、ハンドの《アブザンの先達》の絆魂パンチでレースを成立させることに賭ける。
お相手は《爪鳴らしの神秘家》に《熊の襲撃》&《龍の握撃》を重ね、ついに筆者の残りライフは1に。(白黒土地のゲインが偉かった)
返しに《抵抗の妙技》を構えながら《アブザンの先達》変異によりなんとかライフを戻すと、お相手の厄介な4/1先制攻撃は妙技での受けバットリにより処理。
8マナ立ったこちらは《アラシンの上級歩哨》の2回起動によりチャンプブロックを強制できる状況となり、なんとか勝利!!


結果、新ルールでは初めての4-0で第2ドラフトに進出しました。
4マッチ中先手スタートは1マッチとじゃんけん運は普通でしたが、ピック(というかレア)が良すぎたため順当にDay2に進んだ形。

終了時点で時刻はまだ中国時間の23:30と効率的なゲーム展開となり、しっかりと休んで第2ドラフトに臨みます。


12/18 Day2 第2ドラフト(BO3)

以下、第2ドラフトのアーカイブ動画です。
時間の問題で最終戦(⑨)の前でアーカイブ動画は終えてしまっております。


ピック・構築

17landsのログデータはこちらから。
こちらもアーカイブ動画同様に、最終戦のものが抜けております。

ピック譜をピック理由と併せてつらつらと書いていきます。

1-1: 《幽霊火の刃》一択。

GIH WR 58.9% (全体28位)、IWD 5.8pp (全体28位)

スタッツが貧弱かつ変異の2/2という基本サイズが明確にある環境柄、装備コストが重くてもスタッツを底上げできる装備品は非常に強力。
初手で色を決めなくて済むのは基本的にはメリットであり、最高の初手の一つ。
次点の《アブザンの先達》が下に流れるのは少々の不安。

1-2: 《吠える鞍暴れ》と《アブザンの戦僧侶》の2択。

前者のGIH WRが58.0%とアンコモン上位クラスであるのに対し、後者はGIH WR 55.0%とそこまで奮わないのは、単体性能の差か。
筆者としては《アブザンの戦僧侶》を指標より高く評価しているものの、シナジーも未知数なこの時点ではデジタルピックが板と判断し、《吠える鞍暴れ》に。

1-3: 強いカードの少ない中で《スゥルタイの戦旗》を選んだが、反省点の一つ。
手広く構えるための2色土地であれば反省には当たらないが、戦旗サイクルは数段落ちるためここで取るべきではなかった。
強くはないが《クルーマの盟族》か《高地の獲物》あたりがアブザンの色主張にもなる最適解だったと思います。

1-4: 《スゥルタイの剥ぎ取り》は緑であればまず入る良カード。
レアの《悪逆の富》も面白いが、指標は伸びておらずここからスゥルタイに入るべきようなレアではない。
第1ドラフトで安かった《熊の襲撃》が今回も安いかは注視したい。

1-5: 指標はトントンな《高山の灰色熊》と《大蛇の儀式》で悩む。
3マナ域は最悪変異で埋めやすいことを考慮し、後者に。

1-6: 緑の立ち位置は悪くなさそうで、《わめき騒ぐマンドリル》と《煙の語り部》の2択。
指標はGIH WRで1.0%程度前者の方が高いが、多少なりとも探査に寄せる必要はあり。
筆者としては環境コモン唯一のデメリット無し2/2/2である後者を評価しており、小型生物がレア装備品により後半まで価値を生むことから語り部に。

1-7: これまたどっこいな《高山の灰色熊》と《クルーマの盟族》で悩むが、緑の立ち位置が悪くなさそうな直観を信じ前者に。

1-8: 《高地の獲物》と神話レアの《書かれざるものの視認》の2択。
緑はやはり流れは良い。

後者は神話レアということでカード評価データが不足していると見られるものの、限られたデータでの指標は低め。
スタッツの低い環境柄、赤緑獰猛アーキ以外での獰猛達成は意外と安定せず、筆者としても安定した運用には懐疑的であり、この指標を信じられたため前者をピック。

1-9: 一周で強いカードと土地は順当に取られており、余り物では一番マシでかつ緑主張となる《遠射兵団》に。

1-10: 《煙の語り部》と《アブザンの戦旗》が一周し、小さめにガッツポーズ。
これだけ緑の2マナ域が安ければレア装備品を最大限に活かせるアグロが成立するのでは、と感じる。
戦旗の必須性は低いため2枚目の語り部をピック。

1-11: ピックし損ねた《高地の獲物》が一周、アグロの可能性がさらに高まる。

1-12: 《熊の襲撃》が期待通り一周し、緑ベースのアグロに狙いを定める

1-13: 《まばゆい塁壁》は指標は低いが、対アグロのサイドには良いカード。

1-14: 《取り消し》


2-1: 環境最強のボムレアである《風番いのロック》に特大ガッツポーズ

KTK環境の覇王。GIH WR 67.7%、IWD 14.1ppはいずれも断トツ。

同じパックの《抵抗の妙技》も欲しいが多分目に入っていない。

2-2: これまた嬉しい環境最強コモンの《マルドゥの軍族長》に。
この子は普通に令和スペックなんだよなあ。

2-3: ここまでで既に緑白ベースのアグロに焦点を定めており、他に取るカードもないため《熊の襲撃》に。一周しそうだけども。

2-4: 獰猛達成は少々難しそうだが、最低限格闘除去になるため《凶暴な殴打》に。

2-5: 3枚目の《煙の語り部》。これで再現性よく2ターン目ムーブができる。

2-6: そろそろ欲しかった緑白土地。

2-7: 他のカードも強くなく2枚目の《凶暴な殴打》に。

2-8: 4枚目の語り部はさすがにやりすぎと感じ、メインに入れるか怪しいが《必殺の一射》に。

2-9: 一周した中には強いカードはなく《尊いラマスー》にしたが、サイドカードとしては《暴風》の方が優秀だったか。

2-10: 黒のカードが安く驚くが、《大蛇の儀式》や《苦々しい天啓》のタッチは考えにくいため《アブザンの戦旗》に。

2-11: やはり黒が安く、《ラクシャーサの秘密》を一つまみ。

2-12~14: 特筆すべき点なし


3-1: 《対立の終結》《マルドゥの悪刃》《磨かれたやせ地》の3択。

《対立の終結》は今でこそGIH WR 57.5%まで上がってきているが、アリーナオープン当時はデータが少なくもう少し低かったと記憶している。
加えて、ここまでのピックが緑白アグロに向かっており、おだんごさん評価枠での「強いが入るデッキがない」というコメントを思い出す。

しかし、筆者はこのカードを引いた瞬間、「メインのアグロデッキを見せた後のアグレッシブサイド枠」としての可能性を感じてしまった。
一応ここまでに遅いレンジ用のカードもいくつかピックできており、大量の2マナ域をこのカード含めたミッドレンジカードに入れ替えることで、相手のサイドインするアグロ対策カードの効きを悪くできるのではないか、と思いついた。

斯くして、《マルドゥの悪刃》という「デッキには合うが中途半端なメイン向けカード」より優先して、「デッキに合わないアグレッシブサイド用カード」をピックするに至った。

3-2: あまり迷わず《雪花石の麒麟》に。

3-3: 2マナ域は十分であり、《凶暴な殴打》の効きを良くするために2枚目の《高山の灰色熊》に。

3-4: 若干の反省枠。空を意識して《賢者眼の侵略者》を取ったが、メインはそもそも攻めるデッキであり《戦場での猛進》の方が良さそう。
侵略者はサイド後に輝くというほどでもない。

3-5: 3枚目の《熊の襲撃》。メインはこれと《凶暴な殴打》で勝つと決めていたので嬉しい。

3-6: 《機を見た軍属朋》と《象牙牙の城塞》でかなり悩む。

前者はメインの戦略とマッチしており、多くの2マナ域を取った意味が出てくる。
一方で、後者はサイド後のフィニッシャー枠として期待できるカードで、特に《遠射兵団》のような長久持ちとのシナジーがかなり強力。
今回はメインのデッキパワーが十分になってきたと判断し、後者をピック。

3-7: 取るものがなく《果敢な一撃》

3-8: 《射手の胸壁》と悩んで2枚目の《賢者眼の侵略者》に。
結果的にデッキに入ってはいるが、サイド後のプランに合う胸壁の方が良かったかもしれない。

3-9: それぞれ2枚目の《必殺の一射》と《遠射兵団》で悩むが、単体性能で前者に。

3-10: ここで先ほど流した《遠射兵団》を回収、美味しい。

3-11: ここでも《戦場での猛進》より3枚目の《高地の獲物》を選択。
デッキに入ってはいるが、猛進の方が良かったかもしれない。

3-12~14: 特筆すべき点なし。

出来上がったメインデッキがこちら。

そして出来上がったアグレッシブサイドプランはこちら。


各対戦の簡単な記録は、余力があった際に追記します。
永遠に追記されないかもしれません(笑)


⑤ vs UGr 〇✕〇

1G目、先手スタート。
土地1ハンドを2度渡され、泣く泣くダブマリキープ。
アグロらしく2T目《煙の語り部》、3T目《高山の灰色熊》と動くと、お相手は3T目変異スタートの典型的な滑り出し。
この変異を《凶暴な殴打》で落とし相手ライフを11まで削る。
後続の変異も《高山の灰色熊》をブロックしてくるが、これに《熊の襲撃》を当てて残りライフは4。
お相手はこれ以上動けないハンドなのか、ここで投了!GG!
ダブマリで勝てたのは幸先が良い。

2G目、サイドチェンジなし。
今回も序盤から《高地の獲物》を並べてアグロらしく動くが、先ほどの《高山の灰色熊》ほどのクロックは出せず、お相手の《大牙コロッソドン》で地上の盤面が固まる。
これを無理やり通そうと、《熊の襲撃》合わせた2:1交換覚悟でパンチして残りライフ9まで攻め込む。
しかし、後続の《河水環の曲芸士》により空まで止まってしまい盤面は完全に膠着。
その間にお相手に《秘密の計画》によるアドバンテージ・システムを構築されてしまい、最後は《増え続ける成長》で空を成長させられGG…

3G目。お相手のデッキも分かってきたため、《高地の獲物》1枚と飛行アタッカーに刺しやすい《必殺の一射》1枚を交換。
こちらの初動の《煙の語り部》をお相手の変異でブロックしてきたところに《熊の襲撃》を当てると、お相手の後続は繋がらず。
こちらの変異は《鍾音の一撃》で一旦封じられるが、《遠射兵団》と2体の語り部でライフを10まで削る。
お相手がようやく出してきた《河水環の曲芸士》も《熊の襲撃》でいなし、お相手の後続の変異には《鍾音の一撃》を付けられたこちらの変異で落とす。
この変異は《氷羽のエイヴン》だったためライフ1残させてしまったが、お相手にこれ以上の逆転の目は残されておらずGG!


⑥ vs WUr ✕〇〇

1G目、先手スタート。
お相手はジェスカイアグロであり、こちらの方が絶える側になりそう。
とはいえ、こちらの《高山の灰色熊》のクロックが偉く、中盤までは筆者有利のライフレースを進める。
しかし、こちらがあまりダブルアクションを取れないところに《漂流》のようなタイムデストラクションがよく効き、最後は《湯熱の精》からの《ジェスカイの魔除け》の本体4点モードで綺麗に削られる…悔しい!

2G目。お相手がこちらより早そうなアグロ。
先手が取れる2G目はレースを意識したアグロのままで臨み、後手になる3G目からミッドレンジ戦略に転換することに。
ここでは本体火力を効きを悪くすべく、《煙の語り部》1枚を《部族養い》に変更。
お相手は先ほど見えなかった《ジェスカイの長老》《ジェスカイの学徒》といった果敢持ちを展開。
できる限りライフを削られる前に処理したく、積極的に除去・相討ちを進めていく。
こちらの4/4になった《遠射兵団》で殴り続けるのは《石弾の弾幕》で咎められ、返しにお相手は《カマキリの乗り手》をプレイ。

稲妻のカマキリ。構築級なのでリミテでもちゃんと強い。

こちらに《必殺の一射》を当てると、お相手は2体の《ジェスカイの学徒》でライフレースを進めたいのか《ジェスカイの魔除け》を全体強化+絆魂モードでプレイ。
しかしお相手はそれ以降の後続が続かず、こちらの後続を《水渦》でバウンスするのも焼け石に水。
最後は《熊の襲撃》を2発重ね打ちして削りきりGG!

3G目、当初予定通りのミッドレンジプランに。
ラスの《対立の終結》と《必殺の一射》を加え、《煙の語り部》と《熊の襲撃》を減らす。
お相手は《ジェスカイの学徒》を2体続けてプレイする果敢アグロらしい動きだが、土地2枚で止まってしまう。
アグロ対策の《対立の終結》を握る筆者も、これは攻めるチャンスということで《煙の語り部》《高山の灰色熊》に加え、《マルドゥの軍族長》まで続けざまに展開。
その後、お相手も土地と戦旗でマナを伸ばし、盤面は膠着。
加えて《軍族童の突破》により横並び展開を進め、ラッパで削り切る戦略を狙っていると悟る。
土地しか引かない筆者はラスが最大バリューになる打ち所を探すが、お相手のパンチに対応してトリプルブロックすると、ありがたいことに《水渦》で《高山の灰色熊》と《マルドゥの軍族長》をバウンスしてくれる
これでお膳立ては十分。軍族長のための強襲達成だけしてしまえば、心置きなくラスを打ち、盤面は一気に筆者有利に。
《幽霊火の刃》まで引き込み盤石な盤面を気づいたままGG!

無敗のままマネー確定!($500)


⑦ vs WGb ✕〇〇

1G目、平地を引くことを願ってキープしたが、最後まで平地は引かず。
良くないコンバットもあったが、《煙の語り部》1枚と《熊の襲撃》だけではどうにもならず、あっけなくGG…

2G目、お相手は同型の緑白アグロであり、低マナクリーチャーの質も《道の探求者》を中心に高く見えたため、先手とはいえアグロ戦略では勝てないと判断。
ここで黒もタッチしたミッドレンジ戦略に転換。
初手は森がないのと《マルドゥの軍族長》が3/2/3バニラになるのが気になるがキープ。
お相手は今回も《道の探求者》を序盤に展開する良いムーブであり、《高山の灰色熊》で相討ちを誘うも《龍鱗の加護》で5/5絆魂となり断られる。
しかしこちらも肉質は改善済、サイドインした《象牙牙の城塞》からの《凶暴な殴打》で厄介な《道の探求者》の除去に成功。
さらに《雪花石の麒麟》に《幽霊火の刃》を付け4/5・飛行・警戒とすると、盤面はこちら優勢に。
最後はお相手の変異が《アブザンの先達》であるケースをケアり空だけで殴ると、変異先は《長毛ロクソドン》と判明。
返しに《挑発の咆哮》とのコンボを決められ、麒麟の警戒が仇になり落とされてしまう。

しかしここまでにお相手のライフを3まで削り切っており、チャンプアタックも許容できる状況。
最後はインスタント反応からもお相手の対応策はないと読み切りGG!

運命の3G目。この日最大の試練が筆者を襲う。
土地4(森*1、平地*3)だが《凶暴な殴打》*2と《吠える鞍暴れ》という何も展開できない厳しいハンドをマリガンすると、

マリガン後 ⇒ 土地1枚…

ダブマリ後 ⇒ 土地7枚…

ダブマリ後に敗北を確信したシーンを貼っておきます。

しかしこの土地5キープからも筆者は完全には諦めずにゲーム開始。
なぜなら、このデッキには《対立の終結》があり、何よりお相手はそれをまだ知らないのである。
この筆者の思いが届いたかのように、5T目に《対立の終結》を引き込む!
このとき既にお相手の場には4体のクリーチャーが出ていたが、前のターンに出していた《スゥルタイのごみあさり》で一応膠着していた。
そこで、ラスのバリューを少しでも高めるべく、《まばゆい塁壁》でもう少しお相手のリソースを引き出すことにする。
結果的に、追加で《雪花石の麒麟》ともう1体の変異を出させたところで《対立の終結》をブッパ!!
こちらのまばゆい塁壁も流れたものの2 : 5交換に成功し、ダブマリのハンデを取り返すことに大成功。
ここからは、お相手のアグロクリーチャーを高い肉質で迎えるだけであり、最後はお相手の《龍鱗の加護》でシャクるプランを読み切ってシャクらせず、GG!!

これは嬉しい!!無敗のまま$1000GET!!

⑧ vs WG ✕〇✕

1G目、先手スタート。
お相手は緑白ミラー。こちらの《遠射兵団》スタートに対してお相手も《雪花石の麒麟》スタートのゆったりとした幕開け。
2体目の《遠射兵団》を展開した返しにお相手に構えられたため、2体の《遠射兵団》を長久で力を溜めることにすると、お相手はエンドに《龍鱗の加護》で麒麟を4/5に。
さらに《凶暴な殴打》で一方の遠射兵団を落とされ、空は止まらない状況に。
偶然引き込んだ《賢者眼の侵略者》で止まるか聞いてみると、ここに2回目の《龍鱗の加護》を当てられ、ついに麒麟は6/7に…
この麒麟はお相手の迂闊なブロックにより《熊の襲撃》で落とすことができたが、その後土地しか引かない筆者に対して後続を続々と展開され、力負け…

2G目、肉質の差が勝敗に直結するため、⑦と同様にアブザンミッドレンジへサイドチェンジ。
ここで本邦初公開の《風番いのロック》が初手に来たためキープ。
《スゥルタイのごみあさり》のパンチで強襲条件を満たして《風番いのロック》のプレイに成功するも、返しにお相手が出してきたのは《アラシンの上級歩哨》…
第1ドラフトでその強さは身に染みて感じており、結局ロックで全く殴れない盤面に。
お相手の場は他にも《アブザンの鷹匠》《雪花石の麒麟》と優秀なフライヤーが並び、すべて無視できない状況。
せっかくのロックが大変勿体ないが、ジリ貧の盤面を《対立の終結》で流すことに。
お相手は後続に《まばゆい塁壁》のみを展開してくる中、こちらは小さいながらも飛行クロックでチクチク刻んでいると、今度はお相手の手から《砂塵破》が…

同型対決すぎて草も生えない

《砂塵破》で残された《軍用ビヒモス》は《必殺の一射》で処理するも、このときのお相手とのハンド差は3枚差でこちらが不利な状況。
アドバンテージの差は埋め切れず、《射手の胸壁》と《松歩き》を着地されたところで敗北を悟りかける…
しかし、デッキに残る勝ち筋の《幽霊火の刃》を信じてゲームを継続。
《松歩き》を《熊の襲撃》の受けバットリで処理した後、《幽霊火の刃》を引き込み、攻撃が許されるスタッツに。
最後は装備品を付け替えながら、有利な交換を繰り返せるようになりGG!
この日最長の25ターンの末の決着!

3G目。お相手は4T目に《アラシンの上級歩哨》を着地させる最高のムーブ。
こちらも《風番いのロック》を握っているが、先ほどの展開と同じ匂いがする。
こちらは殴れない《風番いのロック》を出すのを嫌い《必殺の一射》を構えてターンを渡すが、さすがに第2ドラフトのお相手には見え透いた構えであり、攻撃せずにエンドを選んでくる。
さらに《アブザンの鷹匠》まで展開され、空のクロックが大変なことに。
こちらは7マナが揃ったため、《高地の獲物》のチャンプアタックからの《風番いのロック》⇒《凶暴な殴打》で《アラシンの上級歩哨》を処理することに成功。
しかし《アブザンの鷹匠》で後続の長久持ちが全て空を飛んでいる状態。
この鷹匠を止める手段を引けないまま、殴り続けられてしまいGG…

ここでついに土が…


⑨ vs WBg 〇✕〇

泣いても笑っても最後の一戦。
ここでマッチングしたのがなんとTwitterでお世話になっているFujiTaさん。
移動のため録画を中止してスマホで参加していたため、アーカイブ動画・17landsログともに残っていないのが本当に残念…

以下、曖昧な記憶に基づくカバレージであることをご了承ください。

1G目、先手スタート。
アグロらしく2マナ域を展開し、《熊の襲撃》でブロッカーを排除しながらライフレースを進めていく展開。
お相手は白黒ベースのアブザンカラーであり本来は強襲で攻めるデッキと見られるが、こちらが先手の利を活かしてそうさせず。
ここからの記憶が曖昧だが、《幽霊火の刃》+2枚目以降の《熊の襲撃》で押し切っていたような気がします。

2G目、今回もお相手がミッドレンジと予想し、アブザンミッドレンジにサイドチェンジ。
FujiTaさんであればきっちりとアグロ対策してくるのでは、という淡い期待の下、一度見せた《熊の襲撃》を抜いて《まばゆい塁壁》まで入れることに。
先ほどとは打って変わってミッドレンジ的な戦い方となり、肉質で劣るこちらは必殺技の《対立の終結》を引かなければ不利なマッチアップと判明。
先制攻撃付与可能な《不撓のクルーマ》は絶妙に厄介であり、これを《軍備部隊》等で強化されて止めにくくなっていた記憶。
最後は《増え続ける成長》で空のクロックも大変なことになり、ラスは最後まで引けずにGG…

運命の3G目。
先手ということでアグロプランに戻すことも考えたが、お相手のサイドインしたアグロ対策が効いてしまうし、あまりこちらのサイドインした手の内を見せていないこともあり、そのまま臨む。
先手とはいえゲーム展開は2G目とあまり変わらず苦しく、膠着盤面で《射手の胸壁》のティムが地味に痛くなっていたが、こちらはハンドの《対立の終結》と場の《スゥルタイのごみあさり》+タフネス4連中でのライフゲインの予定があるため、極限まで我慢。
お相手が《賢者眼の侵略者》の壁を越えられるようになったところで、満を持して《対立の終結》をブッパ!
続けてハンドに寝かせていた《象牙牙の城塞》をプレイ。
すると、今まで全く良いところで引けなかった《風番いのロック》をここぞとばかりに引き込み、ダメ押しの3/4飛行2体でGG!!

完走!!$2000GET!!

ゲームの流れはツイートもしていたのでこちらもご参照ください。


勝因

前回LCIでは完走しきれなかった若干の悔しさをすぐに晴らせたのは本当に良かったです。
そして、何より経験の浅い不利な環境でも戦うことができたのも自信に繋がりました。

ということで最後に、需要があるか分かりませんが、恒例となっている勝因考察を今回もやってみます。
半分自己満足ですので、適宜読み飛ばしていただいて構いません。


①運

いつものそりゃそうだろ枠。でも今回はこれは外せません。
データで明確にボムレアと証明されている《アブザンの隆盛》《アラシンの上級歩哨》《幽霊火の刃》《風番いのロック》といったカードを、いずれも流れてきた訳でなく1巡目で貰えている時点で、かなり運が味方していました。

実際第1ドラフトについてはレアの引きも強く、カードパワーでねじ伏せたからこその初の4-0達成であったと分析しております。
一方で、第2ドラフトについては折角手に入れた《風番いのロック》で勝ったのは5マッチ15ゲーム中わずか1ゲームのみであり、《幽霊火の刃》には何度か救われているとはいえレアだけで勝った訳ではない、と強調したいです。


②データ分析

この記事の本質であるデータ分析が勝因であったことも紛れもない事実だと思っています。
わずか3~4日分とはいえデータがあったからこそ"デジタルピック"という行為が行えた訳であり、これを疎かにしなかったことが他のプレイヤーとの差別化に繋がったはずです。

そして、3~4日ほどのデータにも意味があることを教えてくれたのは、他ならぬ私自身の過去セットにおける事前予想~検証のプロセスです。
過去の検証(反省記事)は大体実装後4日ほどで書いておりますが、その時点でのデータに基づく環境分析結果がその後大きく覆ったことはあまりない、という個人的な見解がありました。
(もちろん、データ活用を専門とする方の視点では統計上のN数の不足等を感じるのかもしれませんが、殊ドラフトに活用する点では0.1%オーダーでの指標の変化は無視できるものであり、十分活用に値する、と判断しました。)

また、データへの違和感の持ち方については、過去様々なセットのデータを参照してきたからこその視点も持ち合わせられていたかな、と思います。
例えば、環境速度が遅い⇒アグロが弱いと解釈せずに済んだ点や、有効2色のデッキの可能性に気づけた点等は、ぼんやりとデータを見るだけでは辿り着けない点かもしれません。
とはいえ、筆者も目をひん剝いて分析した訳ではありませんので、普段からデータに触れることで気づきも増える、と定性的に述べて本項は閉じます。


③直観力

最後はいつもの精神論です。

LCIアリーナオープンに続いて連続マネーフィニッシュを達成できたことで、筆者としての一つの仮説がより立証に近づいてしまいました。
それは、「配信をしていると人は弱くなる」という、所謂配信デバフ仮説です。

今回のKTKも前回のLCIも、アーカイブ動画を録画していたとはいえ、誰にも見られていない条件下での大会参加でした。
筆者がVOW環境以降欠かさずアリーナオープンに参加しており、参加数は計19回を数えますが、配信下でのインマネ率は25% (3/12回) なのに対し、配信外でのインマネ率は57% (4/7回) と、圧倒的に配信外の方が良い結果を残してしまっております

これは配信者の技量・性格にも依るとは思いますが、筆者自身はメンタル面でティルトを起こしにくい(プレイングが荒れにくい)方だと思っており、それでもこれだけの差が生まれていることは少々ショックな事実ではあります。
当然ながら配信することで脳のリソースをプレイング以外の部分(コメントへの返信・配信画面/音声/接続状態の確認等)に割かれるので、その分がプレイングに影響している可能性は高いです。

しかし、本項では配信しない方が良いとお伝えしたい訳では決してありません。
どちらかと言えば、配信によってプレイングは鍛えられるはずであり、それを推奨したいという思いの方が強いです。

アリーナオープンに限らず競技プレイにおいて、筆者は普段のプレイよりも遥かに多くの時間を使う傾向にあります。
これは、直観で辿り着く回答を良しとするかしないかの違いだと考えています。
普段のプレイでは自己採点で80点ほど与えられる回答が見つかれば即座にそれを選んでいると思いますが、競技プレイにおいては最善手(81点以上の手)がないかを極力考えてから選択するようにしています
したがって、競技プレイほど時間というリソースは貴重であり、時間の使い方が上手くなっていかないと上達できなくなります

そして、①直観の回答に辿り着くための時間と、②最善手を探すための時間であれば、①の方が練習・努力により短縮しやすいと考えます。
少なくとも①の時間は持ち時間より十分短くなければならず、ここに辿り着く時間を縮める上で、配信は有効な縛りプレイになると思うのです。
他のことに時間のリソースを割きながらも直観の回答にはすぐ辿り着けるような訓練になりますし、何よりその直観が酷いときには視聴者がそれを指摘してくれます

リミテッドに限らず上達に限界を感じている人は、もしかすると時間の使い方の工夫によって伸びる余地があるかもしれません。
偉そうなことを言ってしまっておりますが、近い意見をかの八十岡翔太さんもツイートされており、筆者はこの意見を全面的に支持しております。

そして、筆者は配信を(ほぼ)引退した身ではありますが、1年強ほどの配信生活を通じて直観力を鍛えられたからこその今がある、とポジティブに自己分析して、勝因分析を締めたいと思います。


以上、本当に自己満足かつかなりの精神論を含んだ振り返りですが、私としてはこれらが勝因であったと分析しています。


おわりに

ここまで読んでくださった方、誠にありがとうございます。

今後も事前環境予想やデータ分析のコツ等をできる限りnote記事にしていこうと思いますので、また読みに来ていただければ幸いです。

また、私のDiscordサーバも開設したので、こちらにもお気軽にご入室ください!
リミテに関する質問や議論、中には指導してくれる方もいらっしゃいます!

それでは!また次回記事か配信でお会いしましょう!
バイバイ、さよなら、再見

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